- Amazon.co.jp ・電子書籍 (174ページ)
感想・レビュー・書評
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怖い!
この世界をそんなに理解できない自分に安心する。
作者の精神状態が心配になる。不快でたまらないのに、ページをめくるのがやめられない。
でもギンイロノウタの方がもっときつかったかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
しろいろの街の…が本当に良くて、村田作品を買い漁ったが、しろいろの街の…を超えるものには出会えなかったなぁ。
でも、所々に村田さんらしい狂気が見え隠れして、読み応えのある作品ではあった。
御伽の部屋の、保護する側とされる側を演じるというか、その感覚はわかる気がした。彼の実態が知りたくなった。
授乳の先生もそうだけど、興味を持たせる人物を描くのが上手いなーと思う。 -
コンビニ人間を読んでからだと物足りなさや不完全燃焼な印象を受けました。主人公の生々しさは衝撃でしたが、結局主人公の考えがよく分からないまま終わりました。女性の読者ならもう少し分かりやすく読めるのかもしれません。
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殺人出産や消滅世界のような、精巧に作り上げられた新たな常識や倫理観を詰め込んだ村田沙耶香ワールドに狂気的なラストという、クレイジー沙耶香の作品とは違う。
少しズレた何処か生々しさを感じられる世界観にいつしかじわじわと引き込まれ、不思議な気持ちにさせられたままラストを迎える、もうひとつの面を持った村田沙耶香作品のうちのひとつ。(マウスなどもこれの類)
クレイジー沙耶香を求めて読み始めたがそうでは無かったものの、短編ごとに登場する「普通」の生き方から外れてしまった女の子たちに非常に引き込まれた。
完全に普通の人達の感覚からぶっ飛んでいるクレイジー沙耶香の作り出す人物像は刺激的だが、この作品の登場人物たちの微妙なラインの不思議さというか、僅かなグロテスクさがどこか身近なように感じられて、これもまた魅力的だった。 -
タイトルになっているが、授乳シーンは少ない。
テーマがよくわからない。
給食のシーンなど節々に異端は感じるものの、家庭教師を裏切るところで、主人公は普通の女の子だと感じた。
コンビニ人間、生命式を読んで、村田沙耶香をもっと知りたくなり、本作含め3冊を購入した。
まだ作品として突き詰められていない感じは味わえる。
ここからどんな体験を経て有名作が生まれたのか、興味が湧く。
やさしい入門編と思って読むのはアリ。 -
村田沙耶香のデビュー中編集。
「授乳」「コイビト」「御伽の部屋」の三編が収録。
村田沙耶香は群像の優秀賞出身という、割と珍しい経歴の作家だが(他にも群像の優秀賞出身の作家というのは実はちょいちょいいるんだけども)、この作品集を読むと、うーむ、確かに、どの作品もなんだか良くも悪くも未完成だなという印象を受けた。どれも表現したいものがあるのはすごく感じるのだけれども、それに対するアプローチが不十分というか。その分、『コンビニ人間』や『殺人出産』で、作家としていかに切れ味が増して来たかというのをすごく感じる。