授乳 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 殺人出産や消滅世界のような、精巧に作り上げられた新たな常識や倫理観を詰め込んだ村田沙耶香ワールドに狂気的なラストという、クレイジー沙耶香の作品とは違う。
    少しズレた何処か生々しさを感じられる世界観にいつしかじわじわと引き込まれ、不思議な気持ちにさせられたままラストを迎える、もうひとつの面を持った村田沙耶香作品のうちのひとつ。(マウスなどもこれの類)
    クレイジー沙耶香を求めて読み始めたがそうでは無かったものの、短編ごとに登場する「普通」の生き方から外れてしまった女の子たちに非常に引き込まれた。
    完全に普通の人達の感覚からぶっ飛んでいるクレイジー沙耶香の作り出す人物像は刺激的だが、この作品の登場人物たちの微妙なラインの不思議さというか、僅かなグロテスクさがどこか身近なように感じられて、これもまた魅力的だった。

  • コンビニ人間が面白かったので、純文学への抵抗が薄まり著者の他作品も読んでみようと思いました。

    女性性に嫌悪を示し、狂気と捉えられるほど独自の世界を己の中に創っている女性たちが主人公の3遍からなる短編集でした。
    授乳がデビュー作ってすごいですね。衝撃すぎてまだ理解できていないです。

    彼女たちに共感はできないし、現実に彼女たちの内面を知ってしまったら絶対に避けてしまいそうだけど、あまりにもむき出しで訴えかけてくるためなにか考えさせられるものがあり、読み進めてしまう。村田沙耶香作品やっぱり面白かったです。早く他のも読みたい。
    これが純文学の魅力なのでしょうか。中毒になりそうです。

著者プロフィール

村田沙耶香(むらた・さやか)
1979年千葉県生れ。玉川大学文学部卒業。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞。その他の作品に『殺人出産』、『消滅世界』、『地球星人』、『丸の内魔法少女ミラクリーナ』などがある。

「2021年 『変半身(かわりみ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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