1985年のクラッシュ・ギャルズ [Kindle]

  • 15人登録
  • 4.00評価
    • (1)
    • (3)
    • (1)
    • (0)
    • (0)
  • 1レビュー
著者 : 柳澤健
  • 文藝春秋 (2014年3月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (195ページ)

1985年のクラッシュ・ギャルズの感想・レビュー・書評

  • 名作「1976年のアントニオ猪木」を書いた元Numberデスク、
    柳澤健が、女子プロレス最高の栄華の時代と、その時代の頂点に居た二人の
    女性・・・長与千種とライオネス飛鳥・・・すなわちクラッシュ・ギャルズに
    ついて記したドキュメンタリー。

    確かに、80年代のクラッシュ人気は凄まじかった。
    ゴールデンタイムでTV中継される全日本女子プロレスの会場はいつも超満員
    で、客席に男っ気は皆無。声を枯らして応援しているのは殆どが痛そうな
    女子中高生であり、その様はあまりに異様だった。

    まだプロレスに対してピュアだった僕は、正直クラッシュ時代の全女が許せ
    なかった。長与・飛鳥の付け焼き刃の男子スタイル美味しいとこ取りや、
    あまりに陳腐なダンプ松本の凶器攻撃。そして絶対に認められなかったのが
    阿部四郎という悪役レフェリーの存在。コレと猪木や藤波がやっているモノ
    が同じプロレスと思われる事が我慢ならなかった。
    ・・・のだが。

    そこに本気で怒っている僕自身も、長与千種という天才の掌で踊らされて
    いたに過ぎない、という事に気付かされてしまう作品。確かに毛嫌いしなが
    らも毎週欠かさず観ていたし、冒頭に登場する長与vsダンプの髪切りマッチ
    で長与が負け、リング上で丸坊主にされた時には唖然とした。不条理ながら
    「そこまでやるか!」と感じたのも、紛れもない事実なのである。

    そんな全盛期の女子プロレスに巣くうドロドロした人間関係がこれでもか!
    という具合に描かれる。特に長与千種という天才の側で苦悩し続けるライオ
    ネス飛鳥に関する記述には思わず唸ってしまった。これまで長与について
    書かれた記事や作品はいくらでもあった気がするが、飛鳥にここまで踏み込
    んだ本はおそらくこの作品以外に無い。その部分だけでも一読の価値はある
    と思う。

    柳澤健の「19●●年の○○○○」シリーズは全て読むべき、と悟った。
    この「1985年のクラッシュ・ギャルズ」は特にプロレスファンで無くても
    心が揺さぶられる筈。Kindle版とはいえ、199円という価格は正しく破格。
    絶対に読んで損は無い。

全1件中 1 - 1件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

1985年のクラッシュ・ギャルズの単行本

1985年のクラッシュ・ギャルズの文庫

ツイートする