日経 サイエンス 2014年 06月号 [雑誌]

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  • 日本経済新聞出版社 (2014年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910071150640

日経 サイエンス 2014年 06月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

  • [理論の裏付けと不正の検証]

    特集は<実証 インフレーション>。
    先般ニュースになっていたインフレーション理論の裏付けとなる観測の話題である。
    ニュースになった当初は、宇宙誕生直後の現象をどうやって捕らえるのかよくわからなかったのだが(いや、今でも完全にはわかっていないのだが)、痕跡のようなものを観測するのだなという印象。
    この観測が正しければ、インフレーション理論の中の100ほどのモデルが、あるものに絞られるのだそうだ。但し、今後の観測で、値に変化があるようであれば、別のモデルが浮上してくる可能性もあるという。
    宇宙の話はわからないながらロマンがある。この先も楽しみにしておきたい。

    次は<STAP細胞は存在したのか>。
    月刊誌の時間制約の中で、4月15日時点までの経緯をまとめ、共同執筆者の会見の要旨(4月7日)とインタビュー(理研に所属していない研究者)も併録。
    非常によくまとまったわかりやすい記事だと思う。ゴシップに食傷していて、科学的背景が知りたい人にはお薦めしたい。
    記事にも主張されていた点(「STAP細胞は存在したのか」=筆頭著者は実際にどのような実験を行い、どのような結果を元に論文を執筆したのか)に関して、5月8日の理研会見(不服申し立てに対して再調査を行わない決定を下したことに関するもの)で、この記事の執筆者の1人が質問されていたのを興味深く聞いた。”実際に何があったかを十分に検証するのが先決ではないか、それをせずに再発防止など不可能ではないか”という問いである。これに対して、理研の研究担当理事の答えは”そうした検証を今後もしないと決定したわけではないが、プライオリティをつけた結果、STAP細胞自体の存在を検証する実験を現在行っている”という主旨だった。(*私見については末尾)

    論文のコピーペースト対策について、次の記事<論文盗用を見つけ出す>のソフトは役に立ちそうだ。
    公開されているeTBLASTでは医学論文データベースMedlineのアブストラクトなどをデータベースとして用いることができる。本文は拾ってこないがある程度の目安にはなるだろう。
    学術誌にしろ、学位論文にしろ、一律にこうしたソフトを掛けることを義務づける、といったような方向になっていくのだろうか。そうなれば少なくとも相当の手間が省けるだろうし、やって損はないようにも思う。

    <常識を変える先端技術>では、今後期待される技術を9つ上げている。「マイクロバイオーム」と「新生児の感染症対策」を特に興味深く読んだ。

    ひとことに記した2つの事柄は、一見、正反対のようだが、実は同じことの裏表ともいえる。つまりは真実の追究である。
    科学とは、教科書に書かれていることを暗記することではない。
    ある仮説が正しいのかどうかを透徹した目で見据え、その論拠を突き詰めて突き詰めていった結果なのだと思うのだ。
    あるいはその過程そのものが科学なのかもしれない。

  • 度重なる盗用と捏造は論文発表という手法の限界。ウィキペディアモデルでテーマ毎にコーパス(集成資料)を設ける。
    最近の日経サイエンスはグラフが面白い。

  • stapの記事目当てに購入。論文を全部読んでいるわけではなかったので問題があまり見えていなかったけれど、整理されていたので概観を掴むことができた。小保方さんの科学的素養の無さはもう疑うべくもないところまで来ているけれど、この問題そのものに対する見解は諸説分かれそうだ。何しろわかっていないことが多過ぎて。
    それ以外の記事も面白かった。現代病の起源をミイラ研究から見出すのは面白い。肉食による免疫力強化が生み出した利益と弊害。自己免疫疾患もそうだけど、免疫は本当に奥が深い。人間が人間足りえるのに多大な関与をしているのだと、再認識した。

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日経 サイエンス 2014年 06月号 [雑誌]はこんな雑誌です

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