解離性障害 ――「うしろに誰かいる」の精神病理 (ちくま新書) [Kindle]

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  • 筑摩書房
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  • 「世にはこんなにも不思議な心の世界があるんだ。ほんとうに精神科医になってよかった」(あとがきより)

     解離性障害を俯瞰し、隣接疾患や文化芸術と関連付けながら説き、症例に基づきつつ快方への希望を示す。私感としては平易な方でした。

     本書を手に取ったきっかけとしては、同居人から「自身は解離性及び隣接疾患と思われる症状に長年悩まされてきた」と話してくれたためです。お互いにより好ましい状態で共に過ごしていくにはこちらとして何を心掛けたほうがよいか、その手掛かりを得たい一心です。

     繙読した結果、身近な者の在り方として望ましいだろうことを3点考えて拾いましたので備忘します。
     まずは安心できること。不安な中で生きてきただろうけれど、これからはそうではない。
     つぎに大らかであること。優先度の低いだろうことは、いちいち記録や区分化、指摘をしない。
     そして開けておくこと。「閉じられた二者関係」になっては症状の悪化を促すので、適切な治療を見守る。

     同居人が今後どのような診断を受けるかに関わらず、本書を手に取って得た知識と思考、そして同居人がいつもいてくれることに感謝します。

     Kindle発行は2014年ですが、原書は2012年発行ですので最新の議論ではないことに注意を要します。

  • 解離性障害に焦点を当てて書かれた貴重な本。統合失調症で見られる幻覚(主に幻聴)とは全く性質が異なるということが良く理解できました。

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著者プロフィール

精神科医。東京女子大学教授。1953年愛知県生まれ。東京大学医学部卒。専門 は精神病理学。医学博士。虎ノ門病院精神科医長、東大精神科講師を経て、現 職。近年はとくに解離性障害の研究や治療に力を入れている。主な著書に『解 離の構造-私の変容と<むすび>の治療論-』(岩崎学術出版社)ほか多数。

「2012年 『解離性障害のことがよくわかる本 影の気配におびえる病』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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