プロフェッショナル原論 (ちくま新書) [Kindle]

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  • 筑摩書房
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  • プロフェッショナルの原則が纏められた、まさに原論と呼べる一冊。プロフェッショナルは、高い技能が求められることはさることながら、自らに対して極めて厳しい規律を課し、その対価として、自由/安心感/社会からの承認/自己実現の欲求を満たすことができる存在。プロフェッショナルファームの一員として、目線を保つために何度も読み直したい。

    特に印象に残った個所は以下の通り
    ・「プロフェッショナルという言葉を聞いてまず思い浮かべるのは、常人の域を遥かに超えた知識や技術の凄さであろうが、実はプロフェッショナルのプロフェッショナルたる本質は、神に誓う自らの使命であり、わが身に課す厳しい掟にあるのだ(中略)公益に奉仕するという使命感と掟を守る自律心こそが重要なのである」(p.18)
    ・「プロフェッショナルが一般のサラリーマンと大きく異なる点は、身につけている知識や技術のレベルの高さよりも、むしろこうした厳しさに耐えて仕事を完遂する精神力の強さにあると言えよう。どんなに困難な問題であっても逃げ出さずに常に問題解決指向で立ち向かっていく信念と勇気、そしてプロセス自体は全く評価してもらえないのにもかかわらず必死で努力し続ける強靭な精神力ことがプロフェッショナルの証なのである」(p.54)
    ・「良いアウトプットを出すために全力で最善の努力ができているかどうかのチェックと管理をするのは、自分自身である。そこには自分の仕事に対して目を光らせている上司はいない。それも自分自身のことであるから、全力で取り組んでいるかどうかについては、胸に手を当ててみれば分かる」(p.71)
    ・「プロフェショナルが仕事を引き受けるということは、クライアントにとっては実質的にその問題は解決したのも同然であると思ってもらえるほどの確実性と責任感が必要なのである」(p.89)
    ・「プロフェショナルにとってのチームワークとは、チームメンバーとの同調ではなく、合理的な役割分担と一人一人のミッションの死守なのである。従って他のメンバーに対する心配は要らぬお世話だし、メンバー全員一丸となって共に頑張りぬこうなどという掛け声なぞ無用なセンチメンタリズムなのである」(p.133)
    ・「そもそも論理的でなければプロフェッショナルはやれない。論理とは、人間が思考する上で客観的妥当性を担保してくれる唯一の方法論である」(p.139)

  • 仕事について考えるときに度々読み返している本。

  • 【進藤さんオススメ:若手だった頃の自分に連休中読ませたい本】
    自分の仕事観に大きな影響を与えた本で、出会えて良かったと感じているため。「格好良い、こういう人でありたい」という気持ちで仕事をしています。

  • 一言紹介
    コンサルタントの前線で働く著者のプロフェッショナルの在り方を説いた本
    ------------------------------------------------

    自分総括

    圧倒的かっこよさ。
    多分、誰しもが憧れる働く姿勢が詰まっている。

    だけど、言うは易し行うは難し。
    徹底的な努力による100点を目指すよりも、楽な方法で平均点を取ろうとしていることに反省。

    プロフェッショナルを目指している人はもちろん、仕事が惰性になっている人にもおすすめできる本であった。

  • ■感想
    すぐに読める内容。ここまでシンプルに纏まっていれば、日々の業務の中でチェックすることも可能。
    これからの時代のサラリーマンにとって必読書だと思います。

    ■要諦
    ・プロフェッショナルの魅力
     ・最も基本的な価値:自らの意思で仕事を選べる、組織に属さなくとも仕事ができる
      最も高次な価値:自尊の念、社会からの敬意
    ・プロとプロフェッショナル。 そもそもプロフェッショナルはプロ。アマは存在しない。
    ・プロフェッショナルの掟
     クライアント・インタレスト・ファースト:お客様は神様とは違う
     アウトプット・オリエンテッド:成果指向
     クオリティ・コンシャス:品質追求
     バリュー・ベース:価値主義
     センス・オブ・オーナーシップ:全権意識
    ・プロフェッショナルの仕事のルール
     ・営業のルール:営業はしない
     ・報酬のルール:パーディアム×必要日数、成功報酬禁止、値引きしない
    ・プロフェッショナルの行動特性
     ・プロアクティブ 体を動かすのが好き、タフ、クイックアクション
     ・チャレンジング やるからには高い難易度を設定して、やり抜く。プロフェッショナルとして、最高水準を目指す。
     ・個人主義的 チームにおいても、合理的な役割分担と一人一人のミッションは必至。安易な同調「私もそう思います」は「無能」の証。
     ・論理的 原因追及の癖。

    ・一般企業はコストベース指向 価値を生み出すより、コストを削る発想になってしまう。一般企業では利潤を上げることが至上課題。
    ・空気が変わる 目指すべき姿とは空気が変わる人材。プロフェッショナルは、冷静でロジカルであり、人と群れることなく、高い目標を自らに設定して強靭な意思力でやり抜くことのできる人間である。このように高い能力を持ちながらも真っ当な人格や人となりを有しているからこそ、その結果としてディグニティを身に纏った存在感が醸し出されるのだろう。
    ・儲け主義に陥っているプロフェッショナルをどう再生すべきか 答えは明快。「プロフェッショナルはさらに自らの職能を磨き、プロフェッショナルの掟を一層厳しく守るのみ」
    ・2000年以降は、クライアント・インタレスト・ファーストを外れた仕事を強いられるようになったというのが、本書の執筆の動機。プロ論の本はテクニカル内容が多い。プロフェッショナリズムの革新である「掟」が置き去りにされていた。
     

  • かっこいい

  • 意欲的に取り組む
    └新しい業務は引き取る

    顧客第一主義
    └業務の提供先のゴールは顧客を意識する

    プロフェッショナルになるため
    └業務を自己完結で終わらせるように取り組む。

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著者プロフィール

波頭 亮(はとう・りょう):1957年愛媛県生まれ。東京大学経済学部卒業。マッキンゼーを経て、88年㈱XEEDを設立し独立。戦略系コンサルティングの第一人者として活躍する一方で、明快で斬新なヴィジョンを提起するソシオエコノミストとしても注目される。著書に、『プロフェッショナル原論』『成熟日本への進路』『論理的思考のコアスキル』(以上ちくま新書)、『知識人の裏切り』(西部邁との対談、ちくま文庫)、『経営戦略概論』『戦略策定概論』『組織設計概論』『思考・論理・分析』『リーダーシップ構造論』(以上、産能大学出版部)、『AIとBIはいかに人間を変えるのか』(幻冬舎)ほか多数。

「2021年 『文学部の逆襲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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