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- / ISBN・EAN: 4571390736047
感想・レビュー・書評
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50年代の米国でビート文学を生み出した詩人
アレン・ギンズバーグの若き日の実話です。
文学を学ぶために大学へ進学したアレンの情熱
が愛憎を呼び、やがて悲劇へと発展していく。
大学生活でアレンはルシアンと固い友情を育ん
でいくが、ルシアンがゲイ元恋人を殺害してし
まう事件が発生してしまいこれによってアレン
はルシアンの本当の姿り知り同性愛へと発展し
ていた彼への思いが徐々に変化していきます。
若者の精神的な成長をとらえた青春ドラマの側
面に加えビート文学の盟友ウィリアム・バロウ
ズやジャック・ケルアックの出会いの逸話など
も興味深い内容でした。
ダニエル・ラドクリフが恋に戸惑うゲイ役を熱
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KILL YOUR DARLINGS
2013年 アメリカ 103分
監督:ジョン・クロキダス
出演:ダニエル・ラドクリフ/デイン・デハーン/マイケル・C・ホール/ジャック・ヒューストン/ベン・フォスター
https://www.sonyclassics.com/killyourdarlings/
詩人の父と、精神を病んでいる母と暮らしていたアレン・ギンズバーグ(ダニエル・ラドクリフ)は、1944年コロンビア大学に合格し、実家を離れ寮に入る。頭の固い教授の授業はつまらなかったが、奔放な学生ルシアン・カー(デイン・デハーン)との出会いがアレンを変えていく。ルシアンの友人たち、ヤク中のバロウズ(ベン・フォスター)や、ハンサムなケルアック(ジャック・ヒューストン)らと、詩作をする傍ら破天荒な悪戯に明け暮れるようになるアレン。いつしかルシアンに友人以上の感情を抱いてしまうが、ルシアンには以前つきあっていたが今やストーカー化したデヴィッド(マイケル・C・ホール)という年上の男がいて…。
以前テレビで深夜に見たのだけど、『チューリップ・フィーバー』でデイン・デハーンを見たらもう一度これも見たくなりアマプラで。ハリー・ポッターであれほど人気を博したダニエル・ラドクリフ主演ながら日本では確か映画館では未公開。ハリー・ポッター後、そのイメージの脱却に苦労したであろうラドクリフくんは、イケメンのデハーンとのキスシーンはまだしも、後半ゆきずりの男との全裸ベッドシーンにも挑んでおり、かなりの冒険作だったのかも。
登場人物たちは、お察しの通り実在の詩人・作家たち。演者はそれぞれ、実際の人物にかなり寄せた配役、メイクになっていて、とくにバロウズはめちゃめちゃバロウズぽかった。ケルアックは、実際にもアメフトやってて、かなりモテそうなイケメンですよね。ラドクリフくんの眼鏡姿も、ちゃんとハリーではなくギンズバーグに見える。
そしてお目当てのデイン・デハーンですが、とにかく美少年っぷりが半端ない!若かりし日のディカプリオ似ではあるけれど、もっと悪魔的というか、緑色の瞳が妖しくて、ジルベール味がある。実際のルシアンもエンドロールで流れた写真の他検索すればいろいろ出てくるけれどかなりの美少年。
そんなルシアンと同性愛関係にあるデヴィッドは、元教授で、ルシアンが転校するたび追いかけてくる粘着ストーカー。ルシアンはもう彼を愛してはいないが、実は勉強の不得意な彼は体と引き換えに大学の論文をデヴィッドに代筆させている。なかなかの小悪魔。
アレンは精神を病んでいる母をとても愛しているが、突然電話をかけてきて統失発言をする母は負担でもあり、やがて父は母を病院に入れてしまう。苦しむアレンに寄り添う優しさをルシアンは持っている。ルシアンにとってはアレンは本当に親友だったのだろう。以下若干ネタバレながらベタなBLのように、アレンはルーへの気持ちを抑えきれずキスしてしまう。しかしルーはそこで態度を変え、デヴィッドの代わりにアレンに論文の代筆を要求する。あー、せっかく親友として信頼されていたのに(涙)という展開。
ルシアンに切り捨てられ失意のアレンは、せっかく引き離したデヴィッドにルシアンの居場所を教えてしまい、ついに思い余ったルシアンは…。
この事件のあと、ルシアンはアレンらとの交流を断ったようだ。アレンは最初の詩集『吠える』をルシアンに捧げたが、ルシアンは自分の名前を削除するように言う。ギンズバーグもバロウズもケルアックもそれぞれ詩人や作家として名前を残したが、ルシアンは作品を残さなかった。映画で描かれている彼は、とにかく本人の存在が鮮烈であり、彼自身は何かを創作した様子はない。実際にもそうだったのだろう。
ケルアックの『路上』(https://booklog.jp/item/1/4309460062)に登場するディーン・モリアーティのモデルとなったニール・キャサディも、一冊の本も残さなかったが、ケルアックに大きな影響を与えた。ルシアンはギンズバーグにとってのそういう存在だったのだろう。エンドロールで流れたリバティーンズの「Don't Look Back into the Sun」(https://www.youtube.com/watch?v=jLYsIESNtUc)がピッタリすぎて泣けました。
ケルアックとバロウズは読んだけど、ギンズバーグはバロウズとの『麻薬書簡』しか読んだことがなくて、肝心の『吠える』を読んだことがないのだけど、調べたらちょうど柴田元幸の新訳(https://booklog.jp/item/1/4884185382)が今年出たようなので、そのうち読みたい。
ビート・ジェネレーションの作家たちの青春時代としても興味深いけれど、アレンとルシアンの関係性は古き良き男子寮もの少女マンガの耽美な趣きもあり、なによりルシアンの存在が鮮烈で、胸に残る1作。-
こんにちは。
「オン・ザ・ロード」を読みましたが、ビートジェネレーションにはいまいちピンとこなかったのですが、
後書きに書かれていた人生...こんにちは。
「オン・ザ・ロード」を読みましたが、ビートジェネレーションにはいまいちピンとこなかったのですが、
後書きに書かれていた人生が強烈でした。
巻末の作者の年表に書かれた、ケルアックやキャサディ、バロウズの人生のほうもかなりインパクト大。
殺人の証拠預かった、妻を過失致死させた、仏教、禅の勉強をした、野垂れ死にした…
こちらはそんな彼らの若かりし頃なのかな。見てみたくなりました。2020/09/20 -
淳水堂さん、こんにちは!
いわゆるビートジェネレーション、私も作品読む限りではそこまでピンと来ていなかったんですが(バロウズは別の意味でぶ...淳水堂さん、こんにちは!
いわゆるビートジェネレーション、私も作品読む限りではそこまでピンと来ていなかったんですが(バロウズは別の意味でぶっとんでるのでシュールですけど)「路上」と、その前日譚ともいえるこの映画で起こったことなど知るにつれ、結局「作品」よりも「生き様」みたいなものが彼らにとっては重要だったのかなあと思うようになりました。
この映画の中でも若かりし日の彼等は犯罪スレスレのことをやらかしまくり、最終的には…。
とはいえ逮捕されてもまだ親に保釈金を払ってもらうという子供っぽさは残っていますが(^_^;)
映画、おすすめです。私も「オン・ザ・ロード」のほうでケルアック再読してみたいです。
2020/09/20
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1950年代以降のビート文学やカウンタカルチャーの火付け役となっていくアレン・ギルスバーグやコロンビア大学入学以降のつながりによる青春群像劇。
既成秩序や常識、道徳にとらわれない彼らとともに自由奔放な生活を謳歌する中で、ギンズバーグは親友カーに友情以上の感情を抱くようになっていく。
切なく苦しい恋心を創作の力として試作に励むも、カーへの想いは日を追うごとに激しさを増していった。
そしてある衝撃的な事件が発生し、、、。
若者達が持っていたそれぞれの内なる苦悩。
互いが出会うことにでその苦悩を分かち合い、それを「打破」していく道を過激なまでに真っ直ぐに、突き進んでいった。
「何者」であることにも縛られず、そのために新しい価値観を創造していく中で、自分らしさを確立していこうと必死でもがいていた。
「裸のままの自分」をさらけ出せるような社会であれば、もっともっと自由でありたいと願う、そんな気持ちは、幅や量は違うかもしれないが、今の時代にもどこか希望として持ち続けたいものかもしれない。
思った以上に良くて驚いた。
ダニエルラドクリフ、めっちゃ頑張ってたと思う。
最後に、メモ。
Some things, once you've loved them, become yours forever.
And if you try to let them go... /They only circle back and return to you.
They become part of who you are ... or they destroy you.
何かを愛したときそれは永遠に君のものになるかもしれない
それは突き放しても弧を描いて戻ってくる 君の元へ
君の一部となり 君を破滅させる
Be careful, you are not in Wonderland.
I've heard the strange madness long growing in your soul,
in your isolation but you fortunate in your ignorance.
You who have suffered find where love hides,give,share,lose,
lest we die unbloomed.
気をつけろここは不思議の国じゃない
君の中で狂気が芽生える音を聞いた。
だが君は幸運だ 何も知らず 孤独でいる
傷ついた君は隠された愛を見つけた。
人に与え分かち合い、そして失え
花を咲かせぬまま死なぬように
Another lovers hits the universe.
The circle is broken.But with death comes rebirth.
And like all lovers and sad people, I am a poet.
愛する者は宇宙へ旅立った。
輪は破壊された。そして死は復活する。
すべての愛する人と悲しむ人と同様、私は詩人である。 -
DVD
全体的にとてもお耽美に描かれているので、最後に唐突に流れるリバティーンズは無邪気すぎて違和感があった。
でもアレン・ギンズバーグ、インテリそうな雰囲気出してるけど、ぶっ飛んでるし、リバティーンズの曲のような空気感の中に生きていたのかもしれない。
ドラッグでハイになって、狭いアパートで共同生活。そして来たる別れの時…。あ、リバティーンズだ!!
Don't look back into the sunの歌詞は、二人の関係性をよく表しているような気がする。
http://youtu.be/I4LjfJHRRfY
何にせよ、デインデハーン最高。
気づいたらDVDポチってた。 -
デイン・デハーンとダニエル・ラトグリフのキスシーンに見惚れた…。
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好きな人達を葬り去れ
アレン・ギンズバーグ、覚えておきます。前知識皆無で観たのでまま置いていかれましたが、ダニエル・ラドクリフ君のまっすぐな視線に現れる従順そうで意思の強そうな反抗が隠せない瞳、矛盾した表情たまらなく好きだな〜って思いました。これ、絶対ハリー・ポッターで手に入れたものだよな。この作品においても、言動や態度に直接表現することは役としていけないから詩人として言葉を紡ぐまでの心理描写を顔でするラドクリフ君のこと、見直しました。
こういう直接的ではない反抗的な役、ずっと観ていたい役者さんになりました。
弱者視点を子役から知っているエキスパートになってほしいなあ。と歪なファン心理を自覚。、
タイトルの語源について
https://slate.com/culture/2013/10/kill-your-darlings-writing-advice-what-writer-really-said-to-murder-your-babies.html -
◆デイン・デハーン祭り①/2013年:ルシアン・カー役
ハリポの顔じゃない、癖のなくなったイケメンのダニエルラドクリフ。どちらもネコか。股を開くシーンが忘れられない。分かってるじゃねえか…むしろこっちがビビる。
本題ですが…デハーンのせいで何度フリーズさせられたか分からない。わがままボディでラドクリフを幻想の世界に誘っていたが、むしろこっちが飛ぶ。
最高……( ◠‿◠ )