- Amazon.co.jp ・電子書籍 (235ページ)
感想・レビュー・書評
-
メタモルフォーゼ※な短編たち。
※何と訳すか。
「変身」だと、プリキュアのように用が済んだら元に戻りそう。
「変形」だと、粘土みたい。
「変化(へんか)」はゆるやかな感じがするし、
「変化(へんげ)」もモシャスか狸か、いずれにせよある日突然元に戻りそう。
やっぱり「変態」が今回の読後感としてはしっくりくる(もちろん「ヘンタイ」じゃなくて、サナギになったりするほう)。不可逆性と、なぜか理性で拭いきれないキモチワルさと。
以下、備忘。
・ザムザ復活(昭和51)→21世紀初頭(って今じゃん)、犯罪者など「善良じゃない」とされた人間を獣や虫に変態させてサバンナで飼う世界になっている。
・べんけいと牛若(昭和51)→子供から大人への変態。ちょっと性教育的な。
・大将軍 森へ行く(昭和51)→「こんな素晴らしい人がどうして戦争なんてしているのでしょう」。木の精?が夜な夜な人間に変態し、戦死したと思われている将軍と交流。
・すべていつわりの家(昭和51)→悪魔たちがひとりの人間の少年のために人間に変態。神様は"予算の都合で"少年を救ってくれない、というジョーク。
・ウオビット(昭和51)→人が狼に変態する人狼もの。「彼は人間です。素晴らしい人間でした。」
・聖なる広場の物語(昭和52)→森の小鳥の話という体だけど、冷戦のことだろう。西の鳥と東の鳥が、相手より強く!という思いからどんどん変態していってもはや鳥とは呼べないような姿になっていく。
・おけさのひょう六(昭和49)→佐渡おけさ。民衆の為政者批判と、芸能。飼い主思いの猫が、盲目となった飼い主の、愛した女性に変態。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ダークな部分を含んだ、これぞ手塚って感じの変身ネタ、
-
変身って、カフカの小説にあるように、ある日突然、変わってしまうのだ。
7つの変身。ザムザの変身は、アフリカにいる動物は、人間が変身された結果から始まる。凶暴なギャングたちや人間失格者が改造され、変身する。それを管理するのがザムザ。しかし、ザムザは改造された、めすライオンエレーナに恋をしていた。
ザムザは、カフカの変身した主人公の名前と一緒だった。ザムザは、小説のようイモムシになる。ザムザは、芋虫から脱皮するのだった。いくつもの変身が物語に繋がれていく。
ベンケイというニックネームを持つ厳しい中学生は、外見とは違ってファッションデザイナーになりたかった。牛若丸と決闘するが。牛若丸は、ちんちんが小さいのが悩みだった。
大日本帝国陸軍の司令部の雨月大将は、飛行機で撃ち落とされ、ジャングルに突っ込んだが、無事生きていた。そして、村の青年に助けられるが。
少年久は、毎夜地球の終わりの夢を見る。両親にそのことを言うが、実は両親は。久は地球人最後の生き残りだった。
満月の夜に、人狼になるオオカミは、人を襲う。それを男爵は銀の弾丸で仕留めようとする。そのコルチンスク農場には小さなウサギがいた。
ゴーズという正義の味方だという鳥が、ガバガバというゴロツキ鳥をやっつけると小鳥たちに宣言する。聖なる広場があり、聖なる砂を浴びることで変身できる。ゴーズとガバガバ。然と悪が入れ替わる。そもそも、正義とは。小鳥のヒワが活躍する。
佐渡の国にひょう六という踊りの上手い男がいた。殿に踊りを見せると、殿は踊りを禁じた。それでも、踊り続けていた。そこに、おけさという女が踊りを習いたいという。
変身することで、善人になったり、悪人になったり、その立場さえも変わる。手塚治虫の持つ物語の作り方の巧みさに、驚くばかり。文章で表現するより、漫画が確実に良い手段である。 -
7種の変身。
ほのぼのもよかったが、
恐ろしさが心に残った。 -
-
-
他の漫画と同カテゴリでいいのか。