奇子 1 [Kindle]

著者 :
  • 手塚プロダクション
3.65
  • (10)
  • (22)
  • (17)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 255
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (224ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 手塚治虫の「奇子」(あやこ)全3巻読了。

    昭和24年に実際に相次いで発生した、国鉄三大ミステリー事件の1つ下山事件をもとにして、東北地方の400年続く旧家・天外(てんげ)家の人々が絡むストーリー。

    天外家の末娘・奇子は不義の子。
    一族は次男・仁朗のしでかしてしまった、家名が汚れてしまう事件の発覚を恐れたため、目撃者の奇子は死んだことにされ幼女の頃から22年間土蔵の地下室に閉じ込められてしまうのだった。

    登場人物(主に奇子の兄姉たち)の勝手な振る舞いは好きになれない。
    しかし、よくよく思えば異様に見えたこの一族の強欲さは、我々どの人にも思い当たる人生の縮図であるような気もしてくる。
    奇子は、ずっと暗闇の中で暮らし、外界との接触がない半生をおくってしまったから、かなりの常識外れの美女に成長してしまった。
    天真爛漫さが愛おしい女性だけど、奇異な行動で台無し。一族の犠牲になってしまっても、なぜだか可哀想には思えない。
    家柄より芋幹でしょう。

  • すごい。子供向けじゃない方の手塚治虫はとても面白かった。下山国鉄総裁の轢死事件というのは確か浦沢直樹も題材にしていたので私より上の年代にはとても印象的な事件だったんでしょうね。まだ戦後のどさくさみたいな、半分無政府みたいな状況だったのかもしれないですねえ。想像するしかないけど。二次元キャラを発明したのは手塚治虫であるというエロスがすごい。4歳から地下牢に閉じ込められたために純化する。

  • 終戦後の日本を舞台にした手塚治虫のマンガです。
    終戦直後の情勢や当時の田舎の陰湿な雰囲気、暗部の存在などがよく表現されていて、とても胸糞悪いです。
    ですが本作は導入部のみで終わってしまうため、続きがとても気になります…。

  • 1949年に起きた戦後最大の未解決事件と言われる下山事件を織り込んだ、手塚漫画の大河ドラマ。
    閉鎖的な『家柄』の風習にがんじがらめにされた奇想天外なストーリーは必見。

  • こわい。でも引き込まれるストーリー展開。
    1巻は奇子が重大事件の目撃者となった事をきっかけに戸籍を消され、今後一生閉じ込められ、存在を消される経緯が書かれる。

  • 全巻読了なり。
    ちょっと気持ち悪い・・・。
    小さい子に罪はないが、そもそもの発端は余計なことを刑事の前で言った奇子が原因では・・・と思う節も。

  • 210504 心をえぐられる。

  • 近親相姦を繰り返し、村の中の人間のほぼすべてが遠縁にあたるほどになった村で、近親相姦によってできた奇子という女の子の話。



    田舎の小さな村で育った俺としては、すげぇ拒絶感でいっぱいになりながら読んだマンガ。吐き捨てたいような、目を背けたいような話で、実際昭和の時代はあったんだろうな。今もあるのだろうか。



    近親相姦はAVとかでネタになっているが、あぁいう風に当然のように近親相姦する風土が存在するのは、すげぇ異様に感じる。

  • KUにて一気読み。仁郎さんカッケー。土蔵に閉じ込められる少女……というモチーフをここ最近どこかの小説でも読んだような気がしたが、よく覚えていない。そしておっかさんが最後までいい味出してるなぁ。物語としてはこのくらいの長さで完結してくれると読みやすくてちょうどいい。

  • 『アドルフに告ぐ』同様にハラハラ・ドキドキしながら一気に読んでしまいました。登場人物全員がキーマンであり、一切の不要要素がなく凝縮されており、手塚治虫先生の天才ぶりを改めて感じた作品でした。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

手塚治虫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
吾妻 ひでお
手塚治虫
手塚治虫
手塚治虫
手塚治虫
手塚治虫
手塚治虫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×