火の鳥 3 [Kindle]

著者 :
  • 手塚プロダクション
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  • 普通に小中高で学んでくると地球上の物質は有機物と無機物で2分されるのが常識だが、火の鳥によれば、この世のあらゆる物質に宇宙生命なる物(おそらく3次元では捉えられないもの)が入り込んでおり、つまりは大小問わず、地球も銀河も、この世のあらゆる物が生き物なのだという。地球が一つの生き物で、地表などはいわゆる細胞という見方をしてこなかったので斬新だけれど違和感ない。
    火の鳥は、人が知能を発達させ傲慢になる挙句に戦争で自滅する歴史が繰り返されているのは間違いで、より良い道を進むべきと言っているが、理由には触れていない。火の鳥レベルの考え方に従うとなぜ良い方向に進む方が正解なのか、根源的に考えるとすれば、宇宙自体がビッグバンから始まっており0→1の方向に流れ行く世界だからな気がするが、漫画だけの天才ではなかった手塚治虫氏からすれば、他にも考えがあるのかもしれない。

  • 未来編。
    マサトが一方的に火の鳥に選ばれる様子は容赦なくて恐ろしい。ミクロの世界からマクロの世界まですべて生きていること、さらに地球の生命の歴史が何巡もしていくという時間・空間を超えたスケールの大きさがすごい。ナメクジが繁栄し、また滅びていく様子が印象的。
    戦争であっけなく滅びてしまう人類が虚しくショッキング。最後に足掻くロックが人間臭くて魅力的。
    猿田博士とロビタは、復活編の続きになっているし、ラストは黎明編の冒頭になっていて、世界観の繋がりを感じられる。

  • 感動。

  • 黎明編は一旦中断し、西暦3400年の未来の物語。

    コンピュータの指示のいいなりになっていた人類は核戦争を起こし、マサト他、数名を残し滅亡する。

    マサトは火の鳥よりミクロの世界からマクロの世界まで連れられて、地球も宇宙も原子、分子も同じように生きていることを教えられる。

    永遠の命を与えられ、地球が復活することを見届けることを運命付けられる。

    やがて地球に生命が再び誕生し滅亡し、を繰り返して、人類が再び誕生し、黎明編の冒頭に繋がっていく。

    子供のころにこの話を読んで、この世界観に大きく影響を受けたことを思い出した。SF的なところもあり、自分の科学的知識とも矛盾なく受け入れられた世界観で、ある意味自分の宗教的世界観になっている。

  • 手塚治虫の火の鳥は、子供の頃に初めて黎明編を読んでから、各編を買い足しながら何度も読み返してきた。当時購入した講談社手塚治虫漫画全集は、ブックオフに売ってしまって、久しぶりに友人からレンタルして再読。その中でも特に好きだったのが、この未来編だった。ほぼ人間が住めなくなった地上、バーチャルリアリティが日常生活にある地下生活、人工知能による政治の怖さ、ミクロになってもマクロになっても原子構造のように小さい星が大きな星の周りを回っている不思議な類似性、そして何よりも、永遠の生命を授けられた主人公の悲劇。死なないということは永遠の孤独を意味するのかと、とてつもない恐怖を感じた。むしろ死ねるって幸せなことなんだと思った。生きている間に真面目に生き抜くこと、それだけでいいんだと。その思いを受け継いでくれる人がいれば、それこそが永遠の生命なんだ。再読して改めてそう思う。

  • 未来編。ずっとぞくぞくする…

  • 機械化が進み汚染が進んだ荒んだ未来。人の心も冷え切り無駄に争うが、地球にとって取り返しのつかないことに。軽率な行動を取った人への不死にするという罰は、命の大切さと周りとの共存のメッセージである。

著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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