ブッダ 3 [Kindle]

著者 :
  • 手塚プロダクション
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  • 第一部から10年後、少年ブッダと青年タッタが邂逅。タッタは動物に乗り移る事ができるが、ブッダは動物の気持ちになれる。この違いは大きい。なぜならタッタのやっている事の暴力性がナラダッタを罪びとにしてしまったのだから。
    しかしそれでもタッタは人間的に魅力のある青年になっている。力強く愛嬌もあって頼り甲斐がある。ただ、こういう好漢には付き物の、何か不幸な事が待っていそうな雰囲気もある。
    他方、ミゲーラには注目である。前巻のチャプラ母と同様に、ブッダ伝において女性は非常に重要なキーパーソンであると認識している。というのも、史実(というか現存する原始仏教の経典)では女性は敵役としてしか描かれていないからだ。手塚がどのようにこの「欠陥」を補うかは見ものである。

  • 遂にシッダルタが主人公へ。と言ってもこの頃はどう見ても人の上に立つ存在には見えない
    身体が弱く人に交じれず身分制度に納得していない。この時代に馴染んでいないように思えてしまう
    一方でその多感な性質はこの時代における矛盾や理不尽を直視しているね。ただ、正しく見ようとするからってそれらを自己の中で消化できているわけではないようだけど

    そんなシッダルタにとって、コーサラ国からやってきたバラモン、そしてタッタとの出会いは人生観を大きく変えるものになったようで

    独自の方法で死を体感させたバラモンの教えはシッダルタに生への執着を覚えさせるものとなり、同時に動物を通して体感した事で自然と人とそれ以外を隔てる感覚を失わせるものにもなる

    身分が大きく異なり自然の中で生きるタッタはシッダルタに外の広い世界を見せる事になる
    世の中や身分に疑問を持ちつつも、城を中心とした狭い世界しか知らなかったシッダルタにとってどれも新鮮な出会い。中でもミゲーラとの出会いは鮮烈。シッダルタに異性への執着を覚えさせるきっかけとなっているね

    ただ、それらの新鮮且つ残酷な世界にシッダルタは耐えられるように出来ていないから結局は城に戻るしか無かったのだけど


    時が経って始まるヤショダラ姫の婿選び
    ここでシッダルタが我儘を言い、ルール無用のバンダカが関わってきたことで奇妙な事態になっていくね
    順当にルールを守ったのでは虚弱なシッダルタに勝つ見込みはない。こちらもルール無用にならなければならない
    けれど、ルールを守らなければルール破りが発覚した時に守ってくれるものは何もない。だからミゲーラの身に起きた事はある意味予想されて然るべき事態
    ミゲーラを助けるためにはシッダルタもこれまでのように身分等のルールを無視する行動は許されない。ルールに従うしか無い

    どうにか命だけは救うことが出来た。けれど、大きな傷を負ったミゲーラの姿を見てシッダルタは何を思うのか……

  • お遊びの時間、シッタルダじゃなくてもつまんなさそうー(笑)

    そしてミゲーラかわいそすぎる‥

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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