MW 3 [Kindle]

著者 :
  • 手塚プロダクション
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  • 過去の事件により良心を失った美しく悪魔のような男、結城。
    次々とその手を赤く染める彼を罪の意識と共に止めようとする神父の賀来。
    やがて結城の目的は過去の事件の毒ガス「MW」であることに気づくが…というお話。

    同性愛に猟奇殺人、女装、(おそらく獣姦も)、サイコパス、政治的なアレとか某国とのアレとか。
    手塚さんの丸っこい絵でまろやかに感じるが、発表当時は相当の問題作だったかも。
    結城は魅力的な悪魔に描かれているし、神父賀来との対比も良かった。
    アブノーマル満載な作品だが、そこはエンタメ。
    それよりも政府やら国やら戦争やら何やらの方が怖い。
    昨今の世界情勢やコロナ関連のあれこれで色々と浮き彫りになっていて、全然エンタメに感じられないから…。
    ”れわれの主権はいったいどこにあるんだ”この台詞も印象深い。
    本当に怖い作品だなあと。

  • ■書名

    書名:MW 3
    著者:手塚治虫

    ■概要

    MWによって非情な人生を歩んできた結城は、ついに中田英覚の娘婿となり、
    次なる標的ミンチ中将に接近してゆく。はたして、結城の抱く野望は実現するのか!?
    現代社会に警告を発する問題作、堂々の完結編!!
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    昔から気になっていたのですが、やっと漫画を購入できたので読みました。
    ヴィレッジヴァンガードはこういうのしっかり揃えていますね。
    漫画系で有名だけど少しマニアックなものは、ヴィレヴァンで探すのは
    オススメです。

    閑話休題。

    本作は、サイコ的な殺人犯が周りを巻き込みながら、日本を滅ぼすムウという
    ガスを手に入れ、世界を壊滅させようとするお話しです。
    今の時代でこの漫画を読んでもそこまでインパクトは無いと思いますが、この漫画
    が描かれた年代を考えると衝撃的です。

    善悪、男女、連続殺人、サイコをここまでからめ、明らかに絶望的でありながら
    読者をひきつけて最後まで読ませきるのは流石というほかありません。
    主人公が他の登場人物を全員手玉に取り、圧倒的な知能と行動で全員を持て遊びます。
    その上登場人物が次々と死にながら、それでいて新しい登場人物でまた話を転がしていく
    ストーリ、また、冗長になる最後の手前で話しを盛り返す手腕はさすがです。

    最後もどちらが生き残っていたとしても、ぞっとする最後です。
    個人的には、あれが「兄」であった方が何十倍もぞっとしますね。
    ああいうどちらかも分からない終わり方というのも見事です。
    全てを謎にするのではなく、最低限の回答は示しつつ、そこに最後の謎(創造の余地)を
    加えて終わらせるというのは本当に見事だと思います。
    (謎を全然解決しないで終わる変な作品の何と多い事か・・・・)

    1500円ほどでこのエンターテイメントが楽しめたと考えると、安いものです。

    この作品に関わらず、漫画って本当に安く楽しめる良い文化だな~と感じますね。

  • ひたすら悪。最後も悪が勝ってしまう。
    この後、結城美知夫はどうしたんかな、とか思うとゾッとしますね。MWのせいで余命幾ばく。ストッパーの賀来神父は死んじゃったし。
    しかしこれだけのネタを思いつく手塚治虫がすごい。
    玉木宏の映画はTVで見ているんだよなあ。結末覚えていないんだけど。島で毒ガス見つけたあたりまでだったっけ?

  • -

  • ラストは読み通り、な感じだったけれど、変に捻ったバッドエンドでを終わらなくて良かった。主人公は世の中の全てを憎み、破壊したいと思いつつ、賀来神父への愛情だけはずっと変わらずあり、神父の最後に流した涙が本編を通して初めて主人公が見せた人間らしい姿でしたね。
    火の鳥、ブラックジャック、鉄腕アトム(PLUTOのとこだけ)、リボンの騎士などこれまで読んだ手塚マンガの中で一番好きな作品。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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