クリーピー (光文社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 他人が家庭の中に入り込みその家族を支配する。
    現実にもいくつかそういう事件がおきている。
    隣の家が本当の家族かなんて分からない。
    気味の悪い話である。
    しかし、他人の家族を脅しやマインドコントロールで乗っ取る犯人が誰なのか分かっても、なぜかスッキリとしないこの事件。
    真相は一体何なのか、最後まで気が抜けない。

  • 読んだことがあるかもしれないけど、登録されていないので読んでみようと読んでみた結果、やはり、読んだような気もするし、読んでないような気もしている。ただ、ここからは読んでなかった想定で感想を書きます。

    「真犯人の貌」を読んで面白かったので、代表作である本作も読んでみました。大学教授の隣家で起こる犯罪を犯罪研究を専門とする教授が捜査し、真相に辿り着くのですが、人にはいろんな顔があるということが描かれていて面白かったですね。

    立派な教授、素晴らしい夫という一面の裏に、自身のゼミの可愛い学生に危険な思いを持っている。ちょっと、2人で食事に行ったりする程度のことだが、それにワクワクしている。

    教授の同級生の刑事も、正義感が強く、さぞ立派な刑事なのだろうという裏で、詐欺などの犯罪で生計を立てる兄に手をかしていて、どうにもこうにもならなくなってしまっていたり。

    教授の同級生で、その刑事の妻も、著名なピアニストであるが、足が不自由であるというコンプレックスも手伝ってか、夫に不満を持ち、夫の兄に寄っていってしまう。

    しかし、皆、表では、立派な大学教授、刑事、ピアニストなのだ。結局、裏の顔は本人が語らないことにはわからない。もっといえば、裏の思いを暴露されても、本人が否定すれば、それは正しい事実ではなくなってしまうのだろう。

    皆、仮面をかぶって生きている。それはリアル現実も同じなのだろう。

  • 天才的な悪とされる男が父親になりすまして一家をのっとる話。
    クリミナルマインドや現実でもこういう事件あったな……とデジャビュ。話は面白く、終盤のどんでん返しは読めなくて驚かされたのだが、真犯人と直接対決の爽快感や、派手なアクションを期待すると拍子抜け。
    主人公は犯罪心理学を研究する四十代既婚者(登場時)の大学教授なのだが、「ただの子供虐待」や女学生との個人的な付き合いなど、どうかと思う言動がちらほらあってモヤる。その後に少女を助けようと奔走してるので中和されるし、総体的に人格者なのは間違いないのだが……

    個人的に不満な点を挙げれば、犯人がどうやってなりかわったかは詳細に書かれているが、何故なりかわったのかの動機がおざなりな点。特殊性癖の一言で片付けられるんだろうが、結局なにがしたかったの?少女を手に入れたかったの?だったらそんな面倒でリスクが高いことしなくても他にいくらでも手があるんじゃ……??と疑問。
    しかも最初はターゲットの合宿日を調べてなかったせいで失敗、目的を遂げられずじまいで、悪の天才にしちゃ随分と詰めが甘い。
    ラストもあっけなかったので、周囲がそこまで言うほど天才に思えなくなってしまった。
    どちらかというと終盤に明らかになる共犯の秘めたる情念が怖い。

  • 隣人が殺人鬼と成り代わっていたら…現代の稀薄なご近所付き合いならではの事件。矢継ぎ早に事件が起こって、とにかくスピード感のあるストーリー。半分くらい読んだ時には、もう犯人が隣家から出て逃走してたからね笑
    西野あらため矢島の存在がとにかく不気味。高倉が矢島を追い詰めてくれる展開を期待しながら読んでたけど、矢島の逃走後、いきなり10年が経過して事件の真相が語られる展開はなんだかスッキリしない。けど、そのスッキリしない展開が矢島という殺人鬼をより不気味な存在にしているように思える。
    高倉は他のハードボイルド小説とは異なり、刑事ではなくあくまで学者。だから悪の天才である矢島にしてやられる展開も多いし、かっこよく矢島を追い詰めたり、被害者を救い出したりする展開もない。正義の存在ではなく、あくまで奇妙な隣人に悩まされる一般人(といえるかは微妙だけど)に終始していたのが良かった。途中から急にヒーローになってたら逆に冷めちゃってたかも。

  • 野上の手紙が良かった。

  • 心理サスペンスとして、なかなか面白く読めました。

  • 記録

  • これは複雑、香川照之が謎。結局足の不自由なピアニストによって野上も矢島も殺されてますやん。みお(矢島の生き残り)は河野優となって娘になってるし大和田くん矢島に殺されるし10年後とかいって急に飛ぶし終わり方微妙だし読みづらいし妙に面白かったけどね。手記お前が書いたんかーい!ってなった。全然話覚えてないわ

     

  • なりすまし殺人、マインドコントロール…何とも不気味な話だった。ここまでの犯罪でなくても心理状態から起こる行動の制限や人間関係の癒着はままある話だなぁと思う。僕ももしかしたら知らず不自由を味わっているのかもしれない…。

  • 隣の家の家族、お父さんがほんとは全然知らないおじさんだってところから始まる。
    そこに事件が絡んできて、高校時代の同級生やらなんやら出てくる。

    10年後に実は犯人は死んでて、しかも同級生を殺したのはその妻でとか色々出てくる。
    なかなか読み進められなかった。。

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著者プロフィール

現在、関西学院大学理学部准教授・宗教主事。2010 年より日本聖公会京都教区ウイリアムス神学館非常勤講師。
著書『新約聖書解釈の手引き』(共著、日本キリスト教団出版局、2016 年)、『新約聖書の奇跡物語』(共著、リトン、2022 年)訳書E. ギューティング『新約聖書の「本文」とは何か』(新教出版社、2012 年)、R.カイザー『ヨハネ福音書入門―その象徴と孤高の思想』(教文館、2018 年)など。

「2023年 『今さら聞けない⁉︎キリスト教 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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