年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学 [Kindle]

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制作 : 池村 千秋  安田 洋祐(解説) 
  • プレジデント社 (2014年4月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (249ページ)

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年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学の感想・レビュー・書評

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  • Kindleは洋書専用のつもりだったが,セールにつられて和書を初購入.邦題はダメすぎるが,内容はとてもまともな一冊で,「地域格差」「産業構造シフト」「移民」などニュースによく出てくるキーワードを知るにはもってこいだと思った.データが掲載されていないのは残念だが,参考文献が豊富で信用できる内容に思われる.本書の大部分はアメリカについての分析であり,日本についてはわずかしか書かれていないが,特に変なことを書いていないのも好ましい.以上より,かなりおススメできる一冊.

  • イノベーション産業の集積が都市や地域の賃金や教育の格差を生む…そのメカニズムとを解き明かした本です。
    アメリカ国内の現状を元にしたものですが、大都市と地方の格差が顕在化した日本でも参考になるのではないでしょうか。

  • タイトルはえげつないけれどいたって真面目な経済学の本でした。つくば市をはじめとする学術研究都市の関係者の方にはよい内容かもしれないと思います。

  • 日本の話ではないのでいまいちぴんと来ない。

  • 面白い。
    もう一回読まないと、しっくり理解できない。
    良書かと。

  • 題名で忌避しまっていたが原題は「THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS」新たなイノベーションを生む産業クラスターが根付いた都市は、選ばれなかった都市と比べると単純労働の給与も上がるという。現代社会の雇用に大多数はローカルなサービス業が占めている。シリコンバレーですらハイテク企業に勤務している人より、地元のお店で働いている人の方が多い。アメリカではすべての雇用の2/3が非貿易部門、つまりそのサービスを他の地域に輸出できない

    しかし、貿易部門の産業で労働者の生産性が高まると、その産業だけでなく、ほかの産業でも労働者の賃金水準が高まる傾向がある。過去には製造業の賃金が上がると、ほかの産業でも賃金が上昇した。人材確保のためだ。最近ではハイテク産業の雇用が他の産業に波及するようになり乗数効果は5倍だと言う。

    例えばアップルの直接雇用は1万2千人だが地元のサービス業にさらに6万人以上の雇用を生み出している。著者の分析によれば伝統的な製造業の場合1件の雇用増が地元に1.6件のサービス関連の雇用を生むが、非常に高給取りのハイテク産業には及ばない。シアトルの場合直接雇用はボーイングがマイクロソフトの2倍に及ぶが地域に生み出している雇用はマイクロソフトの方がずっと多い。

    マイクロソフトの創業は1975年、ニューメキシコ州アルバカーキで79年にシアトルに移ったが当時のシアトルは絶望の街と呼ばれ今のデトロイトのような状況だった。犯罪も多く学校の質も悪い。マイクロソフトがシアトルを選んだのはただビル・ゲイツとポール・アレンがシアトル出身だったからだ。それが今ではシアトルはアメリカ屈指のイノベーションハブとなり、アルバカーキは停滞している。シアトルは大卒社が人口に占める割合が45%に達し、シアトルとアルバカーキの大卒者の初任給の差は1980年には4200$だったのが今では14000$に拡大している。市民生活のあらゆる側面で明暗がわかれ今や殺人事件の発生率にいたってはアルバカーキの方が2倍以上多い。

    大卒者の割合が最も高いコネチカット州スタンフォードでは高卒の平均年収も10万$を超える。これは極端な例だが大卒者の多い都市の高卒者の平均年収は大卒者の80%前後となっておりほぼ5万$を超えてくる。これは大卒者の少ない都市の大卒者の平均年収とほぼ変わらずこちらの高卒者の平均年収は大卒者の60%前後に留まっている。平均年収が高い都市の家賃や物価が高いにせよかなりの差だ。ハイテク産業の集積地には高度なスキルを持った人材が集積し年収を押し上げるだけでなく、知識の伝播が促進され高い技能を持たない人たちの生産性も向上する。ある都市における大卒者の数が増えれば高卒者の給与の伸びは大卒者の4倍に達する。

    最後の方に1980年代に世界市場を席巻していた日本について言及しているがアメリカが世界の国々から最高レベルのソフトウェアエンジニアを引き寄せたのに対し日本では法的、文化的、言語的障壁により人的資本の流入が妨げられ、人材の層が比較すると薄かった。専門的職種の労働市場の厚みは、その土地のイノベーション産業の運命を決定づける要因の一つなのだ。移民か教育かであれば日本は教育への道を取り法的規制を緩和するしかイノベーション産業発展の道はなさそうに思える。

  • 2015.04・03 発展する地域の高卒の年収は、衰退する地域の大卒より年収が多いという。典型的な場所はシリコンバレー。高給のIT企業で働くものばかりでなく、そのエリアのサービス業で働く者も恩恵にあずかることができるようだ。アメリカでは(日本も同じだと思われるが)、知識資本が集まる都市とそうでない都市で、都市間の格差が大きく広がっているらしい。

  • 住む所によって年収が異なってくることを詳しいデータと共に説明してあった。

    日本でも実際に書いてある通りで少しショックを受けた。
    低学歴の人ほど育った場所から離れないと言う。
    個人的なことだが大学の先輩や同期は生まれ育った場所を離れて世界中・日本中で活躍しているのに対し、小中学校(平均偏差値40)の人達は地元に根ざしたまま低収入の人間が多い。

    また、最後の方で、地域の問題は人材の定着化の問題と分かり非常に示唆に富む内容だった。
    これを企業や国都道府県・市町村がどの様に活かしていくが課題。
    恐らく殆どのところで活かせないと思うが(笑)

  • 雑駁に言うと、生産性の高い(≒賃金の高い)産業が立地すれば、それ以外の地域サービス等の作業の賃金も上がり、結果として、地域全体に繁栄をもたらす。だから年収は住むところ次第という話。これまでは製造業の立地が大事だったが、今後はイノベーション産業の立地こそ繁栄の礎。ディシプリンは経済学のようですが、あくまで平易であっという間に読めることが良くもあり、若干食い足りないところもあり。☆4つが適当では。

  • 都市と産業の関係を考える際には必読。

    タイトルはチャラいが、内容は実証的で慎重に論が進む。

    都市の経済政策の大きな視点を提供している。しかし、貿易部門として経済をリードするイノベーション産業を持たない地域にとって、はじめの一歩の難しさをどう克服するのかは示されていない。ビッグプッシュは、そう簡単にはできないわけだし。

    個々人には、積極的に動こう、移動しよう、よりよい場所に移動することを厭わずに生きよう、という処方箋になる。それをしない欧州に対する、米国の優位性は移動にあるという。

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