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- / ISBN・EAN: 4988013013384
感想・レビュー・書評
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以前から観たかったのだけど、『ドクタースリープ』も始まることだし……というわけで観てみましたが、『シャイニング』の真面目なドキュメンタリー作品ではなくてただの『やりすぎ都市伝説』、「信じるか信じないかはあなた次第です」ってやつでした。
映画として考えると、けしてそこまでつまらなくはないのだけど、最後になにか盛り上がるのかと思いきや最後の方がクソつまらなかった。
この映画がずるくて巧妙な点は、「本当に作品の核心に触れる重要な点」と、「ただのファンの勝手な解釈」、つまりホントとウソをごちゃ混ぜにしているところ。
だから、フェイクを信じてしまう人がいるかもしれないことだけではなく、逆に重要なテーマもフェイクのように思われて、軽視される危険性がある。熱心なキューブリックファンの方は非常に怒ってます。
私がもしこの映画を劇場で観たとしたら、非常にがっかりしたと思う。そしてこの作品に怒っている人に対して「冗談通じねえな」と言う人がいるかもしれないけど、製作者側の態度としてどちらかはっきりしてないのは不誠実だと思う。
『シャイニング』について、私の評価は「ホラー映画としてはつまらないけど、キューブリック作品としては面白い」って感じです。キューブリック作品の個人的ランキングを考えると、『時計じかけのオレンジ』『2001年宇宙の旅』『博士の異常な愛情』が順不同でベスト、次が『突撃』『フルメタルジャケット』『スパルタカス』『現金に体を張れ』とかで、その次が『シャイニング』なので、けして好きな作品ではない。
スティーヴンキングとキューブリックの対立が有名だけど、どちらの案も一長一短で、良い点悪い点ある。
主人公をジャックニコルソンにしたことがそもそも私は気に食わないし、ホラー映画としてはつまらない点に関してはキングに軍配が上がる。支持してます。
ただし、映画版の基本的なテーマ……先住民の呪いとかは、キングが好きなクトゥルフに通じるからめちゃくちゃ良いと思うし、親子の和解ではなく断絶、呪いのカルマの連鎖の部分も映画版の方が好きです。
(このことを考えてて気づいたけど、『スターウォーズ』って原作版『シャイニング』に似てる。)
あと、デヴィッドリンチも当然キューブリックに影響を受けてるから(『ロリータ』が好きらしい)、『ツインピークス』とかはわりとそのままじゃなかろうかと。じわる感じは好きです。
この映画を観るまでバージョン違いについては全く知らなくて、「骸骨の宴会」シーンなんて観たことないぞ!と。コンチネンタル版(日本で普通に流通してるやつ)よりも北米版の方が20分以上長いなんて!
これも一長一短で、カットされたけどあった方が良かったシーンもあれば、骸骨のシーンなんかは要らんわと思う。(このシーンもキューブリックが撮ったものですからね!)
そして、私はそういう内容のドキュメンタリーを期待していたのに。
話を『ルーム237』に戻すと。
『2001年』の猿のシーンと、ジャックが巨大迷路で息子のダニーを追いかけ回すシーンを並べて「ほら、そっくりでしょ?」とかそんなん絶対笑ってしまうわ!
『シャイニング』って、ただでさえ私はホラー映画として見れずにもはやコメディ?とか思ってしまうのに(字幕の「おコンバンワ〜」とかふざけてるとしか思えない)、これ以上ジャックニコルソンで遊ばないで!笑
ジャックニコルソン=猿って言ってるから、ファンの人が見たらキレていいレベルです。
都市伝説なウソも実は出来がよくなくって……ナチスのホロコーストと結びつけたいなら、ファシズムの語源のファスケスは木の束に「斧」がついたものなのに、その点にはまったく触れられてなかった。
エレベーターシャフトの血に関しても、「先住民の血とはすなわち石油のことである」とかだったら「ナ、ナンダッテー!」と感心できるのにそれもなかった(要するにポールトーマスアンダーソンの『ゼアウィルビーブラッド』だね)
バカがこじつけを語っているだけで、知的遊戯にもなってないような内容でしたとさ……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スタンリー・キュービックの「シャイニング」に隠された謎に、ジャーナリスト、歴史家、小説家などが独自の解釈をかたるドキュメンタリー。
なぜ昨日シャイニングを見たのかというと、これも見るから!
虐げられる先住民、ホロコースト、月面着陸映像の陰謀等々、
人によってこれだけ多彩な解釈が生まれるのだから、映画って素晴らしい! -
スタンリー・キューブリックの「シャイニング」にまつわる
玉石混交(高比率で石)のうがった解釈大会。
それでも幾つかはそれなりの説得力があって
ほほーっとなりました。
これだけしゃぶりつくせば映画も本望というところでしょう。
キューブリックが大好きですし、「シャイニング」も
好きなので鼻で笑いつつも楽しめました。
日本語吹替えがあったらよかったのになぁ。
字幕読みまくりです。 -
キューブリック版「シャイニング」の映画の中に隠された意味を読み解いて行く、というドキュメンタリー。その中の幾つかの説については”なるほど”と思えるものもあったが、個人的には”結構強引だな”という理屈も多くあった。結果として、もう一度「シャイニング」が観たくなりました。
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これ観てシャイニングを観返したいとは思わなかった。
たしかに意図的に偶然ではないおかしなシーンはあるけど、それこじつけだろってのもちらほら。考えすぎ。 -
別途
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とっても良かった。個人的にあまり「シャイニング」に思い入れは無かったけど、本来映画はこうして見るべきだし、こういう芸術であるべきだな、と。
ただ、最近の邦画で「こうして観るだけの価値があるもの」がどれだけあるのかと考えると悲しくなってくるような気もする。 -
「詰め放題!」
この分析結果を踏まえて作品を見てしまったら
もうこの作品の持つ芸術性を堪能できなくなってしまいそうで少々困る
こんな言葉を言っている
「我々が相手にしているのはIQ 200の男だ」と
とんでもない天才だ
その能力はピカソや岡本太郎などと一緒なのだろうな〜
ブルース・リーではないが「考えるな、感じろ!」って事でいいんじゃないかな
私ら一般は
確かに謎を解き明かしていくのは楽しい、ヒントがあまりにも多く散りばめられているのだから
もしもこの作品で言われていることが全部事実ならとても贅沢でかなりメッセージ強めの映画ってことなのだな
もう怖い映画として見れなくなってしまいそうだからこの作品の事は忘れよっと
でも見て良かった、キューブリックの他の作品もやってほしいものです。