大統領の執事の涙 [DVD]

監督 : リー・ダニエルズ 
出演 : フォレスト・ウィテカー  オプラ・ウィンフリー  ジョン・キューザック  ジェーン・フォンダ  アラン・リックマン  テレンス・ハワード 
  • KADOKAWA / 角川書店
3.56
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126209124

感想・レビュー・書評

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  • 50~60年代にホワイトハウスで大統領の執事
    を努めた黒人男性ユージン・アレンの実話を
    ベースにその生涯を描いた人間ドラマです。
    奴隷の子として生まれながらも懸命に働きホ
    ワイトハウスでの職を得た主人公セシルの目
    を通して、激動の米国現代史をリアルに映し
    出し、歴代大統領にまつわる多彩なエピソー
    ドに加えセシルと妻子が織りなす波乱に満ち
    た家族劇も情感豊に展開していて、ひたすら
    実直に信念を貫く男の人生に感動した映画で
    した。主演のフォレスト・ウィテカーの演技
    も素晴らしく貰い泣きした映画でした。

  • 50~60年代にホワイトハウスで大統領の執事を努めた黒人男性の話を映画化したものです。

    ホワイトハウスで執事という大事な仕事をしているが白人に雇われているという父のことが受け入れられない息子。その息子は何度も警察のお世話になりながらも人権についての運動に参加している。相対する感じがするが、どちらの立場についても、やはり人種ということをテーマに色々と考えさせられます。他人と違うことを、違う点をどうしても探したくなる人間の性とは・・・違うからこそと考え難い・・・本当に難しい問題です。また、黒人の大統領が出たことは色々な面からも大きな影響だったということが、この作品から改めて感じました。

    この作品はぜひ見る価値あります。

  • (Amazonより)
    米国の第34代大統領アイゼンハワーにはじまり、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、そしてレーガンまで。
    7人の大統領に仕えた黒人執事の実話に基づく、感動のヒューマン・スペクタクル


    【ストーリー】
    綿花畑の奴隷として生まれたセシル・ゲインズは、見習いからホテルのボーイとなり、遂には、ホワイトハウスの執事にスカウトされる。
    キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争・・・
    アメリカが大きく揺れ動いていた時代。セシルは、歴史が動く瞬間を、最前で見続けながら、忠実に働き続ける。
    黒人として、そして、身につけた執事としての誇りを胸に。
    そのことに理解を示す妻とは別に、父の仕事を恥じ、国と戦うため、反政府運動に身を投じる長男。
    兄とは逆に、国のために戦う事を選び、ベトナムへ志願する次男。
    世界の中枢にいながらも、夫であり父であったセシルは、家族と共に、その世界に翻弄されていく。
    彼が世界の中心で見たものとは?
    そして人生の最後に流した、涙の理由とは―






    ラストは長男とわかり合うことが出来て本当に良かったです。
    生きて来た時代か違うのですから 考え方が違うのは仕方ないと思います。
    日本も他国民族化していくんだろうなぁ...
    外国人の方がまわりに増えてきているよね...
    世の中いろんな人がいるので 同じ日本人だから安心っていうわけではないとは思っていますが 言葉の違いはハードルが高いです。

  •  アイゼンハワーからレーガンまで34年に渡りホワイトハウスで執事を務めた黒人の実話を映画化。

      何度も逮捕されながら公民権運動に走る息子と執事といういわば白人に従う仕事を選んだ父。終盤の展開は色々考えさせられる。
     30年なので、一人一人の大統領のエピソードは薄くなるが、この映画はやはりこの時間の長さが重要なポイントであると思う。アメリカという国は黒人が奴隷同然の扱いを受けていた時から黒人の大統領が誕生するまで、人一人の人生の長さで間に合ってしまうのだ。それってやっぱりすごいことだと思う。

  • 歴代大統領の似てなさぶりがなかなか面白いですが(ジョン・キューザックはジョン・キューザックにしか見えない)、歴代大統領が登場する政治ドラマを期待すると肩透かしを食うかも。ここで描かれるのは黒人労働者のリアルな実態であり、公民権運動の推移。最後に年老いた執事がオバマ政権の誕生を目の当たりにするという展開は見事。

    ただ、そのような世の中の流れの中でホワイトハウス内の黒人労働者の改善待遇が進まないという皮肉。ようやく改善されたのが保守派のレーガンの時代だったというのが興味深い。

  • ★4.0

    こうして映画で観ると、大統領の執事のトップに上り詰めた特別な人の人生だと思いがちだけれど。
    本当はよくあるどこかの家庭と同じ。
    この人にとっての当たり前の日々を、毎日コツコツ積み重ねて、積み重ねて、積み重ねて、ようやくたどり着いた名誉。

    黒人への差別をなくす為、様々な人が様々な形で闘った。
    だれ一人欠けても、今を勝ち取ることはできなかっただろう。

    オバマ氏が大統領になったのがどれだけ凄いことなのか、私は全くわかっていなかったのだな。

  • 【MEMO】



    *「闇は闇を追い払えない
    闇を払えるのは “光” だけだ」




    冒頭で引用されるキング牧師の言葉が 心に重く響く

  • 戦後のアイゼンハワーからレーガンまで、ホワイトハウスで執事を務めた1人の黒人の人生を描く。

    主に描かれるのは「黒人差別」とその克服のための彼や彼の息子、そしてホワイトハウスに代表される「アメリカ社会」がどのように考え、動いてきたのか。
    大統領の執事として、忠実に、決して表立って「差別」に抗おうとしない主人公。一方、彼の息子は「反差別」の社会運動へ積極的に身を投じていく。衝突する両者。そして、社会運動を受けて、ホワイトハウスもまた揺れ動き、変わっていく。
    映画内でのキング牧師が主人公の息子に言う言葉が重い。「黒人執事」も戦っている。彼らは白人の家の中で常に穏やかで礼儀正しく、「黒人」が決して憎むべき敵でないことを身をもって示し続けてくれる。

    彼も、彼の息子も戦ってきた。そして、その戦いの一つの結果としてオバマ大統領の誕生に繋がっていった。

    アメリカの歴史は、こういった「人権」「差別」というものをめぐって揺れ動いた歴史なんだなあ、と再認識。
    そして、過去の黒人差別を描いた映画が多数作られるということは、現在進行形であるとはいえ、そういった差別を克服し、今後も克服していくというアメリカの自負と
    決意の表れなのかも知れないなあ、と思った。


  • アメリカ大統領に仕えた黒人執事を窓口として、アメリカの公民権運動の歴史やその背景を描いだ伝記映画。
    白人・黒人の差別意識はアメリカのトップを巻き込んだ内戦と化していった歴史があり、それまでには各人種間の激しい対立があった。

    何より悲しくなったのが、セシルの長男ルイスと活動仲間であるキャロルが飲食店での座り込み運動のために、涙ながらに訓練しているところだった。
    今作で描かれた座り込み運動とは、当時の飲食店に「黒人専用席」といって好きなところに座ってサービスを受けることができない制度に由来し、黒人人権運動家たちが、その黒人専用席以外に座り続けるという運動だった。
    そのためには、移動しろ、と言われるだけではなく差別用語をひらすらに浴びせかけられ、熱いコーヒーをかけられても頑なに座り続けなければならない。
    だからこそ、その練習のために、敢えて罵声を浴びせさせるという訓練をしていた。
    運動に参加している人間はそんなこと露ほど望んでおらず、むしろ嫌悪しているというのに、「あえて」その状況に立つことによって、非暴力的に周囲にその異常性を訴えなければならい。
    だとしても、その試練は過酷すぎるように思えた。
    訴える以上、そこまでのリスクを負わなければならないのかもしれない、だた一杯のコーヒーを自由な席で飲むために?
    あまりにもリターンが小さすぎるようだが、だた一杯のコーヒーを飲むことをはじめとした些細なことでさえ、黒人というだけで彼らは比較され、社会の制度の中でも別の存在として扱われる仕組みが出来上がってしまっている。
    たったそれだけだが、彼らが望む「自由」のためにはそうしなければならなかったのだろう。
    そうせざるを得ない状況と立ち向かうために身を切るような戦いが、非常に胸を打つ。

    その激しさを物語るのが、KKKという白人主義の団体が起こしたバスの爆破事件だまるで亡霊か屍者のように浮かび上がる白三角頭巾の集団は手に松明を持って、バスを取り囲む。人種が違うというのは決定的にここまで行動を起こさせてしまう。
    そもそもアメリカ自体移民の国だ。元々根付いていた人々を排除、あるいは吸収して成り立っている。そんな人たちからすると、やっと見つけた自分たちの国を外部の人間に介入されたくないという気持ちがあったのかもしれない。
    それは誰にとっても身近な感情であると思う。
    誰だって、ぽっと出の存在に、どうこう言われたくないという気持ちを感じる機会はあるだろう。

    ホワイトハウスバトラー(執事)で給仕に従事していたセシルには苦々しい思いもあっただろう。自身の経験からしても、その歪さは感じ取っていたとしても、農場で見た彼自身の父の悲劇が、彼を黒人専用席に座らせるようにしている。
    それを当たり前のようにしていれば、殺されることはない。
    待遇がおかしくても、最低仕事を失うこともない。
    彼は自分の身を、そして家族を守るためにずっとそうしてきたのだ。
    しかしセシルの息子のルイスは「白人の大統領に仕えている」と思ってセシルに反発してしまう。悲しいかな、決して執事という仕事時代は並大抵のことではできない。空気のように立ち振る舞い、相手の表情を見て求めていることを感じ取る。2つの顔を持ち合わせて、使い分けなければならない。
    いわゆる私と公を完全に断ち切ることが前提に求められる。
    だからこそセシルはホワイトハウスで信頼を勝ち得てくることができたのだろうし、時代に応じてアメリカという白人だけではない国の葛藤を間近で見ることができた。
    公民権運動の最中であれば裏方を見ていながら、2つの顔を持ち合わせているために、傍観することしか許されなかった。

    とりとめもないピックアップになってしまった。
    伝記映画としては大統領の任期を順繰りに辿るので理解しやすいかもしれないが、世界史や近代史を知っている人であればより良く理解できるかもしれないし、これを機に調べてみるのも良いかもしれない。

  • 南部は相当人種差別が激しかったんだね。
    綿畑けでいとも簡単に農場主に殺される主人公の父。
    そっこから逃げて執事の経験を積むべき出会いもあり、
    本人の適性と努力でワシントンホテルのボーイ、そして執事へとスカウトされるある意味サクセスストーリー。
    歴代の大統領たちが楽しかった。今は亡きロビン・ウィリアムもアイゼンハワーに扮していた。
    公民権運動に走る優秀な長男が死ななくて(殺されなくて)良かった~。

    ラスト、オバマ大統領に招待され、執事が(ホワイトハウスを)ご案内します。というのを遮って、その必要はないよっていうシーンが印象的。
    フォレスト・ウィテカー の顔ってなんか哀愁ある。


    Lee Daniels' The Butler 2013年 132分 米 BSジャパン 
    監督 : リー・ダニエルズ
    出演 : フォレスト・ウィテカー オプラ・ウィンフリー ジョン・キューザック ジェーン・フォンダ アラン・リックマン

    すぐ目の前で、世界が動いていた

    彼は、見ていた。
    7人の大統領に仕えた黒人執事
    世界の中心(ホワイトハウス)の知られざる物語

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