魔女の宅急便 [DVD]

監督 : 宮崎駿 
  • ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
4.27
  • (61)
  • (57)
  • (19)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 442
感想 : 52
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4959241753106

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 13歳の女の子が初めて社会に出て知る
    自分の力不足そして自信喪失。
    冷淡な心にへこんで 一層感じる他人の親切心。
    社会で生きる土台をひとつひとつ積み上げて
    少しずつ居場所ができてくる様子を描きます。

    親目線になると、親が守る世界の外で
    ときにへこみながら、でも一生懸命に居場所を
    作ろうとする我が子に重ねてしまい、
    おソノさんがキキに
    「偉いよぉキキ。よくやったねぇ」
    というシーンで涙ぐんでしまいました。

    キキを送り出す母の言葉は
    本当にその通りですね。

    キキ そんなに形にこだわらないの。
    大切なのは心よ
    そしていつも笑顔は忘れずにね。
    は~い!

    家族の中心にいて、皆に愛されて育ったキキは
    社会に出て、善意を善意で返さない人に出会い
    受け入れがたいショックを受けます。
    そして友達がそんな人とも仲の良かったことに
    嫉妬を覚えます。

    ジジぃ、わたしってどうかしてる?
    せっかく友達ができたのに、
    急に憎らしくなっちゃう
    素直で明るいキキは何処かへ行っちゃったみたい

    特技の魔法「箒で空を飛ぶ」を活かして
    宅急便で生計を建て始めたキキ。
    慣れない生活から来る疲れのせいか、
    無思慮な子供でいられなくなったせいなのか、
    当たり前に出来てたことができなくなります。

    !?どうしちゃったのかしら
    ジジの言葉が分からなくなっちゃったみたい...
    大変! 魔法が弱くなってる...

    そして社会で生きるための唯一の特技を
    失うかも知れないことでショックを受けます。
    みんなたいした特技なんかなくて
    生きてんだけどね。
    でも一人で働いて生きて行こうとする
    思春期のキキには大変な喪失感です。

    わたし 修行中の身なんです
    魔法がなくなったら、
    私 何の取り柄もなくなっちゃう!

    ちょっと歳上の絵描きのお姉さんが、
    キキに共感してアドバイスをくれます。

    魔法も絵も似てるんだね
    わたしもよく描けなくなるよ

    わたし 前は何も考えなくても飛べたの
    でも 今はどうやって飛べたのか
    分からなくなっちゃった

    そういう時はジタバタするしかないよ
    描いて 描いて 描きまくる

    でもやっぱり飛べなかったら?

    描くのをやめる
    散歩したり 景色を見たり 昼寝したり 何もしない
    そのうちに急に描きたくなるんだよ

    なるかしら?

    なるさ

    わたしさ
    キキくらいの時に絵描きになろうって決めたの
    絵描くの楽しくってさ
    寝るのが惜しいくらいだったんだよ
    それがねある日全然描けなくなっちゃった
    描いても描いても気に入らないの
    それまでの絵が誰かの真似だって分かったんだよ
    どこかで見たことがあるってね
    自分の絵を描かなきゃって...

    苦しかった?

    それは今も同じ でもね そのあと
    少し、前より絵を描くってこと 分かったみたい
    魔法ってさ 呪文を唱えるんじゃないんだね

    うん 血で飛ぶんだって

    魔女の血 絵描きの血 パン職人の血
    神様か誰かがくれた力なんだよね
    おかげで苦労もするけどさ

    わたし魔法って何か考えたこともなかったの
    わたし一人じゃただジタバタしてたけだだわ
    ときどきここに来ていぃい?

    うん夏中はいる気だから。
    私もときどき会いにいくよ。

    この作品には多くの女性キャラが登場しますが、
    それぞれの年代の女性を代表しているそうです。
    13歳のキキ、18歳の絵描き、26歳のおソノさん
    37歳のキキの母、
    70歳のケーキを焼いてくれたおばあさん。
    つまり一人の女性の各年代を描いているそうです。

    子供の頃は何でも出来ると思っていた。
    でも自分より優れた人に敵わなかった。
    やがて自分の勝ち負けなんて
    誰も気にしていないことも知った
    だから人とはもう比べない
    自分がいいと思えることができたらそれでいい。
    そして一生懸命やってる人は応援したい。

    小さい頃は神さまがいて
    不思議に夢をかなえてくれた
    やさしい気持で目覚めた朝は
    おとなになっても 奇蹟はおこるよ

    カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
    やさしさに包まれたなら きっと
    目にうつる全てのことは メッセージ

    小さい頃は神さまがいて
    毎日愛を届けてくれた
    心の奥にしまい忘れた
    大切な箱 ひらくときは今

    雨上がりの庭で くちなしの香りの
    やさしさに包まれたなら きっと
    目にうつる全てのことは メッセージ

    カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
    やさしさに包まれたなら きっと
    目にうつる全てのことは メッセージ

    お父さん お母さん お元気ですか
    私もジジも とても元気です
    仕事の方もなんとか軌道にのって、
    少し自信がついたみたい
    落ち込むこともあるけれど
    私、この町が好きです。
    町の人たちはとても良くしてくれます
    それにすてきな友達もできました。

  • 13歳の魔女キキは、古い一族の掟に従い、黒猫ジジと修業の旅に出る。
    そして、海辺の大きな街で修行をすることに。箒で飛ぶ以外に能がないのキキは、空飛ぶ宅急便を始める。
    しかし、最初の仕事でいきなり荷物を無くしてしまう……。
    「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」の宮崎駿監督が、魔女の少女が魔女になるための修行をしていく過程で様々な経験を積み成長していく姿を描いた長編アニメ映画。

    この映画を見たのを、きっかけに自立について、感謝される、喜ばれる生き甲斐を持てる仕事に就きたいと思うようになりました。
    一生懸命で頑張り屋のキキを見ながら、あの頃の自分を思い出しました。
    特に、飛べなくなったキキが、絵描きのウルスラと才能について語り合うシーンが、印象的です。
    「みんな、力を秘めている」  
    思春期のもやもやした心情も、キキがトンボくんにぶっきらぼうな態度をとったりするのが、リアルに描かれています。
    サブキャラのパン屋のおソノさんやご主人や時計台のおじいさんなど、いい味出しています。

  • テレビで鑑賞。
    というか、テレビをゆっくり観ることも久々だったのだけど。
    学生の頃大好きだった魔女の宅急便。キキの順応力の高さに改めて感心させられた。
    ルージュの伝言は部活のみんなでよく歌ったなぁ。
    この作品の裏話みたいなものが知りたくなって調べたら、なんと原作はジブリではなく角野栄子さんの児童書だったことがわかって、しかも映画のその後のストーリーまで描かれているみたいなので、早速読んでみようと思う。

    ここのところ気持ちが塞ぎやすいニュースばかりだったから、たまにこうして映画の世界に逃避してもいいのかも。
    人間は不安になると、どんどんそれに関する情報を集めてしまうものらしいですね。
    名画はやっぱりいつまで経ってもいい。

    2020.4.4

  • 魔女になるための修行に出たキキ。
    いろんな経験をしながら成長していく。ラストは心が温まるなぁ。
    キキが魔法を使えなくなったのは、旅立つ前、母親からの"大切なのは心。そして笑顔を忘れずに"の言葉を見失ったからかな。
    「やさしさに包まれたなら」はピッタリな曲だな。

  • こないだ金曜ロードショーでやってたのを途中から見ました。キキがパン屋の店番をしていて「お客さん来ないな~」って思ってるあたりから。

    これまで「魔女の宅急便」のことは嫌いじゃないけど、大好き!ってわけでもないって感じだったのですが、今回途中から見たにも関わらずすごく感動しました。号泣した(笑)

    キキがニシンのパイを届けてパーティーに行けなくなるシーンで泣いた。

    キキって若干13歳で家を出て仕事を始めて自立してるのね…そして仕事をしっかりやった結果、楽しみにしていたパーティーに参加できない。

    いま転職後で仕事が辛いとか言ってるのが恥ずかしくなりました。今よりちょっとは個人的な楽しみよりも仕事に向き合おうって思いました。


    今回こうして作品の良さを初めて知ったのですが、あと、トンボの良さも初めて知りました(遅っ)。

    パーティーの約束に間に合わなかったことを後日謝罪したキキに対して、「仕事だったんだもん~仕方ないよ~」ってゆるーく許してくれる懐の広さよ。

    これまで私の好きなジブリキャラといえばアシタカであって、トンボとかパズーが好きって人がよくわからなかったけれど、そういう良さを知ってたってことなんだな~

    ほんとにわたしは人間として未熟だ…

  • 請求記号:05D132(館内視聴のみ)

  • NHKで久石譲のコンサートinパリを見ていて、後ろに魔女の宅急便の映像が流れて、そういえば何度も見たけど、大人になってからは見たことなかったけど、飛べなくなったのってもしや…?と思って見直した
    「血」で飛ぶって言ってた言葉初めて意識した
    と私は思ったけど、明言されてるわけじゃないし、受け取り方なんだな
    ジジはキキの能力じゃなくてジジ側の問題のように見えたなあ

  • 2022.6.26

  • そういう時はジタバタするしかないよ。かいて、かいて、かきまくる かくのをやめる 散歩したり、景色を見たり、昼寝したり、何もしない。そのうちに急に・・・
    描いてた時も書いてる時も、ウルスラの台詞に何度励まされたことだろう。

  • 多くのジプリ作品を見てきたのに、なぜこれを見てなかったんだろう?と、思わせるほど見事。実写版も見てみよう。

  • 1989年 キキ 高山みなみさん

  • 大好き。みんなキャラクターがいい

  • 1989年製作。

  • 1989

  • 魔女が人に悪く思われていない設定が新鮮だった。キキは努力家ですごいな〜と思う

  • TVにて
    画家の描いていた絵がとても素敵だった.青森の八戸市の養護学校の生徒たちの作品が元になっているとのこと.素晴らしい.

  • 初めて見た…笑
    街並みも、自然描写も綺麗。
    テーマは成長?
    雰囲気は素敵だけど、内容はそんなに好みじゃないかな。

  • ☆ 原作との違いはともかくとして世界観が好き

  • キキの憧れとか意地を張ってしまうところが、「あ〜恥ずかしい!」と思っていたたまれなかったのだが、自分自身が成長することで落ち着いて見られるようになった。

  • この前の休日に観た。小さい頃に観た記憶があるけど、いい映画ですなー(小並感)。魔女が普通に生活してる世界観すごい。

全52件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×