素晴らしき哉、人生! ジェームズ・スチュワート ドナ・リード CID-5011 [DVD]

  • キープ株式会社
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4906585813614

感想・レビュー・書評

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  • これは日本人が好きな話だなあと思ったけれど、今でもアメリカではクリスマスになるとこの映画をテレビで流すほどに愛しているという話を聞けば(ちょっと古い対談でしたが)、普遍的なテーマなのかもしれません。

    「やりたいこと」と「やるべきこと」
    バランスを取りながら上手いこと両立できればいいけれど、なかなかそうはいきません。

    主人公のジョージは、いつも人生の節目節目でこの選択を問われる。
    そして、いつもジョージはやるべきことを選んでしまう。

    高校を卒業してから4年間、父の住宅ローン会社を手伝いながら、大学の学費と世界旅行の旅費を貯めたジョージ。
    これから出発というところで父が倒れ、会社の存続のために弟に学費を譲り自分の夢をあきらめる。

    会社は順調、大金をもって行く先も決めずに新婚旅行を楽しもうと出発しかけた正にそのとき、銀行で取り付け騒ぎが起こり、ジョージの会社にも人々が押し掛ける。
    たまたま銀行に有り金を預金したばかりだった会社の金庫にはお金がない。
    信仰旅行に使うはずだった自分のお金で急場をしのぎ、結局ジョージは町を離れることができない。

    そう、ジョージのやりたい事って、世界に出ていくこと。
    子どもの頃からのそれは夢で、世界中いや宇宙にまでだって彼の夢は広がっていく。
    けれど実際のジョージはこの町を出てくことすらできない。

    ジョージが自分で選んだ人生ではあるのだ。
    誰かに責任を押しつけて自分はやりたいことをしたところで、夢見が悪い。
    たぶんジョージはそんな性格。

    軽々と町を出ていき成功する弟や友達を見て、面白くないと思うこともあるけれど、でも現在の生活に不満があるわけではないし、家族を愛している。

    ところがある年のクリスマス、社員である叔父が監査をひかえたタイミングで8000ドルを紛失してしまう。
    会社は倒産、自分は横領罪で逮捕されてしまう。
    そう思ったとき、自分の人生は一体なんだったのか…、生まれてきた意味はあるのか…。
    絶望がジョージを襲う。

    というところまで2時間弱かかりますが、起承転結の起及び承です。
    真面目に生きていれば、誰もが思うことですよね。
    ジョージは責任感の強い、真面目で誠実な男ですが、時々怒りっぽくなったりするのは、やっぱり鬱屈を抱えているからだと思うのです。

    だけどそんなジョージをずっと見つめて、支えてきたのが妻のメアリ。
    とても美人で可愛らしいのに、ほんの子どもの頃からジョージ一筋。
    割りをくってばかりのジョージの人生も、貧乏も、全然平気。ジョージといれば。
    なんてかわいい。

    ディケンズの「クリスマス・キャロル」に出てくるすくるーじとは真逆のジョージの人生。
    クリスマスには奇蹟が起こる。
    だけど、この奇蹟を起こさせたのは、ジョージの生き様だと思うのね。

    この結末に向かって、子ども時代からのエピソードにひとつも無駄がない。
    うまいなあ。
    すごく好き。
    観終わったあと、笑顔になりました。

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