ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 [DVD]

監督 : アレクサンダー・ペイン 
出演 : ブルース・ダーン  ウィル・フォーテ  ジェーン・スキップ  ボブ・オデンカーク  ステイシー・キーチ 
  • 東宝
3.27
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感想 : 45
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  • / ISBN・EAN: 4988104850904

感想・レビュー・書評

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  • 150315-150322→150328(1450文字)

    「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」 映画鑑賞感想文


    この映画は、年老いた父親(ウディ)が宝くじに当選したと思い込み、賞金を受け取るために息子(デビッド)とモンタナ州からネブラスカ州まで車で旅をする道中を描いた作品です。

    ロードムービーというジャンルの映画を初めて見ました。


    映画好きの友人が「人生の10本指に入る作品」と感銘を受けていたので興味深く鑑賞しました。

    モノクロで静かに流れていく話なので、映画素人の私が予備知識無しに感銘出来たかどうかはわかりません。

    とても上級者向けの作品なのだろうと感じました。


    私が印象に残ったのは、登場した「車」が象徴的だったのではないかということです。

    最初親子は日本車(スバルのアウトレック)で旅を始めます。

    そして最後は父親が昔から欲しがっていたトラックを息子がその日本車と引き換えに父親名義で購入し、父親は旧友達に自ら運転している姿を見せ(つけ)ます。

    あたかも本当に夢をかなえた賞金当選者であるかのように。


    トラックは恐らくアメリカ車です。

    アメ車はスケールの大きさの象徴です。

    途中、息子のいとこ兄弟が息子に「今までどんな車に乗っていたか」を尋ねます。

    彼ははスバル、日産、それに韓国の自動車メーカーの名を答えます。

    いとこは「なんだ、みんな日本車か」という馬鹿にしたような反応を見せます。

    アジアの車は一括りで、日本と韓国メーカーの区別なんかないといった感じです。

    親子の地味な人生を象徴しているのが日本車、そしてなりたい自分の姿や憧れを象徴しているのがトラック(アメ車)なのだと感じました。

    父親は「賞金を受け取ったら何を買いたいか」という周囲の質問に対し「トラックとコンプレッサー」と答えています。

    「なぜそれが欲しいのか」という質問には「(息子に)何か残してやりたかった」と答えます。

    人生の終盤になりたい自分の姿(トラック)を獲得し、さらに息子にもそういう人間になってもらいたいという無意識的な意識を感じました。


    コンプレッサーは、お人よしな自分の性格のために損失した物事や心残りの象徴ではないかと感じました。

    もしかするとコンプレッサー(compressor)とコンプレックス(complex〉=劣等感と韻を踏んでいるのかなとも思いました。


    年老いた父親の後悔に近い様々な感情を感じますが、それに比較すると息子の方はだいぶ前向きに思えます。

    父親を不憫に思い「数日間でも夢を見させてあげようよ」と周囲の嘲笑や圧力に負けず父親の旅に付き添います。

    一言で言えば、とても父親孝行な息子です。

    私の親に対する態度と比較すると、自分がとても恥ずかしく思えます。

    最も印象に残ったのは、賞金の当選はしていないとわかった後、肩を落とす父親に対し息子が「少なくともいい景色が見れたし、一緒に過ごせて楽しかった」と言うシーンです。

    モンタナからネブラスカまでは約1300km。
    (日本の本州は1500kmだそうです)

    高い山は無く、モンタナから吹いた風がどこにもぶつかることなくネブラスカまで辿り着けるような広大で平坦な地形が続いていました。

    日本人だけでなく、アメリカ人が見てもアメリカらしさを感じられる景色なのだろうと思います。


    モノクロの映像は人生終盤の旅にふさわしい郷愁を感じさせる効果があったと思います。

    また音楽もギターやハーモニカ?などアコースティックなムードの曲が使われとても心地良かったです。

    親子(父子)のありかたを考えさせられながら、静かに楽しむことの出来る大人の映画だと感じました。

    娯楽作品とは趣の異なるこのような映画を、絵画のような感覚で鑑賞する事は、人生後半を迎えた40代の私にとって今後の楽しみとなりそうです。


    2015年3月28日 
    kokuban


    ********************************
    メモ


    ~150323

    ウッディ→父と似ている

    日本車からトラックに乗換え→いいね!で→アメリカらしい景色で→エンディング

    トラック、コンプレッサー

    モンタナ→リンカーン

    いい息子だ

    94何か残してやりたかった←トラック

    89少なくともいい景色を見られたし、一緒に過ごせて楽しかった

    72見渡す限り平原、牧場

    金金金、たかられる

    老人ばかりでてくる、その意味は?

    強烈な妻、下ネタ

    50日本車ばかりか?韓国車キアロンド

    37道が広い←アメリカらしさ→ヨーロッパは広くも無い←ヨーロッパらしさ

    音楽が良い

    30スバルの車 アウトバック?レガシー

    白黒

    大統領の彫刻岩

  • 今、この映画を登録しながら、自分の中にネブラスカ州についての情報がまったくないことに気づいた。
    地図で場所を確認したが、え、そんなところにあるの、って思った。

    ----------------
    2017/03/19 鑑賞

    評価が高くてちょっと驚きました。
    もちろんしみじみした良い映画でしたが・・・そこまで良かった?という感じです。
    私は大した理由もなくモノクロにしている映画があざとく感じて嫌いなので、ちょっと点が辛くなりがちかも。

    家族の距離感がめちゃくちゃリアルでビックリしました。
    アメリカって、家族どうしで「愛してる」って言ったりハグしたり、と家族間の距離が近い印象ですが、この映画の距離感はうちの家族と同じです。(笑)

    お互いが悪い部分をむきだしにしてしまって、ウンザリさせてしまうのですが、でも、やっぱり家族ならではの絆みたいなものがところどころに見えて、しみじみ。
    特に母親にはみんなが(見ている私たちも)ウンザリするんだけれど、やっぱりなんとなくこの父にはこの母だよな、って思わせられてしまう。このあたりがとてもいい。

    人生って不思議なもので、いろんな分岐点や選択肢があったはずなのに、振り返ってみると「なるようにしかなってない」っていう。
    誰しもが感じるそういうことを、旅の風景をただ淡々と描写しているだけで描き出してしまうあたり、うーん、すごいなって思いました。

  • 2022年4月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00512270

  • 『Mr.ノーバディ』のボブ・オデンカーク(長男役)が出ていたので鑑賞。

    頑固で騙されやすい父親と次男がウソ臭い宝くじの当選金100万ドルを目指すロードムービー。
    道中故郷の親戚の家でみんな綺麗に並んでテレビを見るカットは面白かった。
    従兄弟の兄弟はいかにもダメ兄弟だし、母親は口が悪いけど嫌な人じゃない。大金目当てにたかろうとする嫌な人もいるけど、通して穏やかに観れた。

    最後に帰る途中故郷の通りで車の運転を変わるシーンが良かった。

  • やることがなく暇を持て余す老人、それが田舎町ならなおさら・・人は終わりが近づくと、何か少しでも自分の足跡が残せるようなアセリを感じてくる。この映画の主人公は頼みごとを断れずだまされやすい性格のため、インチキの当選レターを真に受けて、家族の制止を振り切って1000㎞を歩いて当選金を受け取りに行こうとする。その目的は、ささやかな自分の買い物以外は息子に何かを残したいという気持ちだった。
    モンタナやネブラスカの白黒の風景が人間模様の希薄さをも表現し、旅行中、昔は意外にモテた親父の過去や口うるさい母親が清楚で控えめな恋敵に勝った理由も何となくわかるようになっている。作中、ウディの兄のレイ伯父さん役のランス・ハワードは撮影の3年後(2017年)に亡くなっています。

    『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(原題:Nebraska)は、2013年のアメリカ合衆国のコメディドラマ映画。出演はブルース・ダーンとウィル・フォーテ、監督はアレクサンダー・ペインが務めた。第66回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門でパルム・ドールを争い、ブルース・ダーンが男優賞を獲得した。
    プロット:
    インチキな通知文を信じ込み、当っていない賞金を手に入れるために父子がモンタナ州からネブラスカ州リンカーンを目指す。その道中に立ち寄った父の故郷で、昔の共同経営者だった父の友人や親戚、知人と出会う。(ウィキペディア)

  • くじに当たったとなるとたかり、あるいは、暴力まで振るう昔ながらの街に息子が親を連れて行き、そして、そのくじが詐偽だとわかると嘲笑するそのような人たちに新しいピックアップトラックに親父を乗せて、見せて走らす息子さんは、いい息子と思った、また、負けずに言い返す奥さんも素晴らしかった。

  • 2.5

  • モノクロとアメリカ中央部の荒涼とした風景とが醸し出すノスタルジー。これが父の心象風景にマッチしている。ただし、派手さはないので、眠い時に見るのは回避すべきかな。また、父子関係に辟易している時に見ると、かなりうっとうしさを感じずにはいられない。まあ逆の時なら何も問題はなく、楽しめるよう。

  • 退屈そうな映画かなと思って観始めたど、意外にも最後まで観られた。
    この息子の親孝行ぶりったらない。無償の愛。
    モノクロームの映像と主演のふたり(父と息子)が有名じゃない俳優ってのも功を成している。
    この母親の毒舌っぷりは強烈。

    Nebraska 2013年 115分 米 BSプレミアム
    監督 : アレクサンダー・ペイン
    出演 : ブルース・ダーン ウィル・フォーテ ジェーン・スキップ ボブ・オデンカーク ステイシー・キーチ

  • 2013年 アメリカ
    監督:アレクサンダー・ペイン
    カンヌ国際映画祭主演男優賞:ブルース・ダーン
    キネマ旬報 2014年度外国映画第25位

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