武器としての決断思考

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  • 株式会社星海社
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 1920236008207

感想・レビュー・書評

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  • この本の最も重要なメッセージは、「自分の人生は自分で決めて、自分で進んでいってほしい」。そこで、人生の中で何度でも出くわすであろう重要な「決断」を迫られたときに、どのように考え、どのように行動していったら良いのか。そのための思考法として、ディベートの方法を用い、具体的に説明している。そこで出す「決断」はあくまで現時点における「最善解」であり、後に修正したりして進んでいくことが求められることもある。以下に要約する。

    1.問題設定
    問題が漠然としていては解決策が導きにくい。その場合は小分けにして考え、議題は常に「○○するか、否か」と明快にする。

    2、議論
    賛成側・反対側に分かれる。1人でやるときは、メリット、デメリットをそれぞれ挙げて比較する。メリット・デメリットにはそれぞれ3条件あり、それを満たさないとメリット・デメリットとして成り立たない。
    ◎3条件
    ・メリット…内因性、重要性、解決性、(現在何らかの問題があり、それは重要であり、○○することでその問題が解決する、ということを挙げる)
    ・デメリット…発生過程、深刻性、固有性(○○することで生じる問題があり、それは深刻で、○○することによって初めて生じる問題であることを示す)

    ◎反論
    メリット・デメリットの3条件それぞれに対して反論していく。「それは本当に重要か?」「○○することで本当に解決するか?」「その問題は○○しなくても既に起きているのでは?」等々といったように、チェックしていく。あくまで論理的にツッコミを入れていく。根拠が大事。
    また、そのほかの考え方として、主張と根拠の橋渡しである推論部分にも反論を加えられる。演繹・帰納・因果関係といった論理的思考にも注意しそれぞれの欠点を覚えておけば、論理の間違いについて反論が出来ることもある。

    3.判決・決断
    正しい主張とは、根拠があり、かつそれが反論にさらされ、反論に耐えたものである。
    反論に耐えたメリット・デメリットを比較して決断する。どちらが重要かは、「質×量×確率」で決める。

  • 大学の時、自分の学生生活時の意思決定にモヤモヤしていて読んだ本。

  • 本書は、著者がいま、京都大学で二十歳前後の学生に教えている「意志決定の授業」を一冊に凝縮したものです。今後、カオスの時代を生きていく若い世代にいちばん必要なのは、意思決定の方法を学ぶことであり、決断力を身につけることです。もう過去のやり方は通用しないし、人生のレールみたいなものもなくなってしまいました。「答え」は誰も教えてはくれません。となれば、自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていくしかないのです。仕事をどうするか、家庭をどうするか、人生をどうするか?この本で私と一緒に「自分で答えを出すための思考法」を学んでいきましょう。きっと、あなたの人生を変える授業になるはずです。

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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