密やかな口づけ (幻冬舎文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 女性作家による6話からなる官能アンソロジー。中でも中島桃果子の『妄想RUN』と宮木あや子の『指と首』がよかった。『妄想RUN』は妄想好きは外せないよね。男性のこういうとこイイよね、こんなとこはイヤだなという点が共感できた。『指と首』は終わり方はあまり好きじゃないけど、途中までは指フェチには堪らない。私が一番魅力的な手や指だなと思うのがピアニストのそれだからってのもあるかなぁ。

  • 「ポルノ姫」吉川トリコ
    →なんとなくラノベ感を感じた。ファンタジー(?)が強くて共感が難しく、個人的にはそこまでグッとこなかった。

    「星屑おっぱい」朝比奈あすか
    →ある意味、すごく秀逸に表現できていると言うことなのかもしれないけど、少し地の文が頭悪く聞こえて読みづらかった。けど心理描写はリアルで心が苦しくなった。

    「つばめくん」南綾子
    →あまり文体が好みではなかった。なんとなく感情移入が難しかった。でも、語り手が興奮しているシーンでなんとなく読者の私も気持ちが盛り上がった気がする!

    「妄想RUN」中島桃果子
    →またもや苦手な「若者風」の文体かと思いきや、語彙のフランクさに反して文章のリズムがとても良かったり、スラスラと読み進めやすい不思議な饒舌さがあった。足りない語彙で色々悶々と考えて、混乱を挟みつつ最終的に自分なりの結論に辿り着く流れがすごく気持ちよかった。

    「蜜しぼり」遠野りりこ
    →ほんのりわざとらしいような気もしなくもないが、物語に並行した金魚の描写、よかった。デカイ金魚というのが絶妙に気持ち悪くてもどかしいので、あまりキラキラしてない絵柄のアニメーション制作会社にショートアニメ映画化してほしい。

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著者プロフィール

1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で<女による女のためのR-18文学賞>第三回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『マリー・アントワネットの日記 Rose』『女優の娘』『夢で逢えたら』『あわのまにまに』など多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイ『おんなのじかん』所収「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門受賞。

「2023年 『コンビニエンス・ラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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