変種第二号 [Kindle]

著者 : フィリップＫディック

制作 : 大森 望 

• 早川書房 (2014年3月25日発売)

感想・レビュー・書評

[pikaさんの感想 · 2024年2月9日]

「ゴールデン・マン」SFの常套ネタながら斬新！無感動無感情など細かいディテール描写がいい。
「戦利船」最後まであの作品の題名を出さないのがいい笑。オチも最高！
「歴戦の勇士」めちゃくちゃ面白い！最後には鼻の奥がツンとなった。展開が二転三転すること以上にそれぞれの抱える感情、意図が見えてきたときにゾッとする。凄い。風刺話のその先を描いていることが素晴らしい。めちゃくちゃ好き。これも「安定社会」もタイムトラベルをドラマのメインじゃなくストーリーの発端として機能させ、概念を共通事項として展開させてるのが面白い。
「奉仕するもの」ここから3作いい並び。畳み掛けられた。どうなんだろう、どっちなんだろうとドキドキさせて落とすオチがいい。余韻が残る。
「ジョンの世界」航時船ってのがいい。リアルの現実世界のifの一つとして良く出来てる。
「変種第二号」めちゃくちゃ面白かった！夢中で読んだ。全く予想ができず、最後の最後にまさか！？と思わせるクッションがあってからオチが出てくるってのが上手いー映画化されてるとのことだけど、確かにおあつらえ向き。映画で見たくなる。 すげースリルとサスペンス。クローの描写が全部怖い。面白かった。