純粋娯楽創作理論 第一章・面白さの基礎原理 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 創作の、基本的で大切な事柄を、多くの例と共に紹介している本。
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  • 面白さとは「人間の〝予測能力〟を逆手にとった錯覚、あるいはトリック

    物語は予想外の事態が発生することによって進展したり終了したりするのではなく、登場人物の予測の有無によって進展したり終了したりする

    物語は必ずしも娯楽性と強い関連性があるわけではない。作中の登場人物が予測、または読者が登場人物の代役、または登場人物を覗き見る立場で予測さえしていれば話が進展する(あるいは、読者は物語が進展しているような錯覚に陥る)。このため、登場人物の予測がことごとく的中するタイプの物語を作る事も可能である。だが、登場人物が全く予測をしない物語を進展させることは困難である。更に、読者に予測させる気を起こさせない物語は読書の対象にすらならない

    物語や登場人物、世界設定が無くても娯楽は成立する

    娯楽性は物語や小説と直接的な相関関係がないが予測とは密接な関連性がある、という事実を認識しておくことは非常に重要で

    読者、あるいは作中の登場人物が予測するための前振りを提示できない人は、面白い・詰まらないとは無関係に、そもそも読んで貰える話が書けな

    受け手に予測をさせるためには、受け手が予測するために必要な情報を提示せねばならない

    商業作品、あるいはそれに類する不特定多数の受け手を対象とした作品では、タイトル、キャッチコピー、ジャンルが、広告などが、受け手に予測を可能にさせる情報となる。  

    シンデレラストーリーが優れているのは、作品内における前半部(私小説部分)と後半部(願望充足)の比率によって、読者の印象をコントロールできる点にあります

    不意に予想外の出来事が起こることを嫌う人は、その予測外の出来事に何らかの理由・原因・必然性があることを知り、更にその理由が合理的だと判断したら、嫌悪感を抑制することができる

    予想外の事態に拒否反応を示す受け手には、その事態には必然性があったと説明することによって、ネガティブな感情を緩和させる効果が期待出来る

    面白さを □チャート1. (1)受け手に予測を可能にする情報を提示する(前振り)。 ↓ (2)受け手の予測を外す次の情報を提示する。  という2つの要素で構成されている、と説明してきました

    チャート2. (1)受け手に予測を可能にする情報を提示する。 ↓ (2)受け手の予測を外す次の情報を提示する。この情報は、おおよそ受け手の不快感を催すか、あるいは容易に予想できる陳腐な予想外の事態である。 ↓ (3)予想外の事態が発生した必然性、あるいは合理性を説明する。 ↓ (4)3で提示された情報が、受け手にとって予想外で、なおかつ合理性があると判断された場合にのみ、2で生じた不快感を減少させる予想外の事態として認識さ

    受け手は知らない情報、あるいは知ってはいたものの軽視していた情報が重要だと知った場合に驚きを感じることがあるからです。  いわゆるウンチク(蘊蓄)ですが、これも面白さの1つのパターンであると定義しても間違ってはいないでしょ

    相手の知らない情報は、相手に驚きをもたらすことがあるので、予想外の事態と同等の効果を発揮する場合がある

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