逢坂剛・百舌シリーズの第五弾。
誤解を恐れずに言うのであれば、この作品は百舌シリーズの中で
いちばんスッキリ出来る体を為している。ここまでの作品も
スリリングなハードボイルドだったのは間違い無いのだけど、
少々昔の作品であるため、テクノロジー関連の時代設定が若干古い。
しかし、この5作目では携帯電話やICレコーダーといった
現代ミステリーに欠かせないアイテムが普通に登場してくるので
読んでいて安心出来るのが良い。
主要登場人物が前作までで半減した所為か、事件自体のスケールは
やや小さくなった(^^;)。しかし逆に展開に無理がなく、先を想像
しながらワクワクして読めるのはさすが。もしかしたらシリーズの
中でいちばん好きかもしれない。
残るはスピンオフ系の一作を残すのみ。
その後、別の作品にも手を出しちゃうんだろうなぁ、きっと・・・。