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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (278ページ)
感想・レビュー・書評
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アンティークな古本屋をいとなむアドリアン・イングリッシュという青年が事件と恋愛に巻き込まれるミステリー。次第に謎が解けてゆく過程が面白い。
ただ、ゲイであるだけでいちいち偏見やバッシングにさらされる描写には辛いものがあった。何も悪いことをしていないのに、出くわす人、知人友人から不意打ちのように差別を受ける。悪意があろうと無かろうと、他人にレッテルを貼って本質を見ようとしていない点ではみんな同じように差別的である。ささいなようで絶え間ない差別は神経をゴリゴリ削る。
アメリカでも多くの同性愛者は孤立無援の環境に置かれているのだと思った。しかも、命に関わるレベルのヘイトクライムが頻繁に起きてるような状況では、未成年自殺者のうち三分の一が同性愛者だというのも納得できる。
そういうわけで途中までは主人公に辛くあたる刑事に腹が立って仕方なかった。いくらルックスが良くて有能で、主人公が心惹かれる相手だとしても、許しがたい◯◯野郎だと思った。刑事側の事情を知ってからは同情の気持ちが少し芽生えたけれど、ロマンチックさは最後まで理解できなかった。