ちょっと、言葉に尽くせないくらいに、途轍もなく大好きな映画です。大昔に観て、その時も心をうち抜かれて、つい最近ひっさびさに観返したのですが、やはり同じ感動で心を撃ち抜かれました。まったく、まっっっったく!古びていない。感動が。それがまた凄いな、って思いましたね。
観返して思ったことは。これ、1996年の映画なんですが、2021年に観返して思ったことは。
・役所広司、柄本明、わかっ!若い!
・いわゆる端役で登場する俳優さんを観てみると。男性陣の服装、顔つきと比べると。女性陣の服装、顔つき、2021年現在と、隔世の感がありますねえ、、、全然違うな、って感じ。男性って、基本的に、30代くらいから、時代による服装の変化って、あんまり無くなるんでは?って思いました。日本の女性のファッション、顔つき(いわゆる化粧、なのか?)って、1996年当時と、2021年現在って、世の中的に、ぜんっぜん違いますねえ。ホンマに全然違う。凄いなあ、って思った。同じ国なのか?ってくらい違う。
・自分が観返して、ストーリー覚えてるから、なのかもしれませんが、映画として基本的にめっちゃ丁寧ですね。というか、説明上手?というのかなあ?カメラのフォーカス当てる場所とか、なんか、凄くこう「ここが重要ですよ」って教えてくれる感じで。周防監督って、丁寧な画を撮るんだなあ、みたいなん、感じました。
・渡辺えり子演じる、高橋豊子。あのガンガン押しの強いアクの強い、いわゆる「ザ・おばちゃん」って役どころのあの女性のキャラ設定でいっちゃん「分かる!」って思ったのは、ダンス教室に来るときは、多分、いっつも、ルイ・ヴィトンのモノグラムの「キーポル」の、多分、いっちゃんデカいサイズ?で登場してたところ。あのキャラ設定が、なんというか、的確過ぎて最高だった。ヴィトンで見栄を張る。普段はシングルマザーで娘を育てるために仕事バンバン掛け持ちして疲労でぶっ倒れるほどなのに色々カツカツの生活してるだろうに、ダンス教室の衣装はヴィトンのデカいバッグにガーンと入れてアタシは登場するのよ!っていうあのキャラ設定。分かる。分かりすぎる。その気持ち。キーポルの一番デカいヤツ、ってのが、また、いいんだ。見栄を張る。でも、ちゃんと、一番容量良い、コスパの良いヤツにする。そのキャラのバランスよ。あっこの設定、すげえ好きなんですよ。ま、俺が勝手に、思い込んでるだけなのかもしれませんが。
・役所広司が、仕事行く時帰る時、自宅から駅まで、自転車で往復するやないですか。あの時の風景のあの感じ。あれぞ日本。あれこそが邦画の素晴らしさ。だと勝手に思ってます。繰り返される「ああいう感じ」。場面場面で役所広司のチャリを漕ぐテンションが違う。「あの感じ」も含めて。あの繰り返しの描写が、凄くもう、凄く好きですね。最高だなあ、って思いますね。
ま、ホンマに、自分の中では、ほぼほぼ究極に近い映画の一つです。なんらかの理想の一つを表現している映画です。とにかくまあ、途轍もなく好きですね。ただ好きなんじゃないんだよ。「愛しちゃってる」映画なんですよ、コレは。どれだけ賛辞を言っても言い足りない映画です。僕にとっては。周防正行監督、本当にありがとうございます。