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- / ISBN・EAN: 4589921400015
感想・レビュー・書評
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実話をベースにしているからこそ、暗い感じが終始付きまといます。
原題は。「12years a slave」
そのまま、12年間、奴隷だった。
奴隷制度のあった頃のアメリカ。
自由黒人と、奴隷黒人の両方がいた時代。
南北戦争の頃なんだろうか?
日本の歴史では、奴隷を言う表現はほとんど出てきません。
(実際には、人の売り買いがありましたが、人種差別的なものではなかった。と言うか日本人だけだしね。)
物語の中で奴隷の生活が描かれていますが、やはり衝撃ですね。今現在も、表では奴隷制度は無くても、同等の扱いを受ける人たちは、沢山いるんだと思います。
人間の残酷さと、強さを改めて思い知らされました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実話をベースにした主人公のストーリーは、それはそれで過酷で凄惨、そこから何とかサバイバルする展開は確かに感動ものの作品に仕上がっている。
が、やはり目が行くのは、そして考えなければならないのは、奴隷となり差別を受け続ける、その他大勢の黒人や、差別される側のことだ。
自由黒人や、苦労の末ではあるが人権が回復された主人公の陰で、おそらく全ての人間の業ともいえる赤裸々な差別と、内なる差別、そして差別意識を自覚しどう克服していくのか、それが最大の命題だ。 -
実話に基づき、12年間黒人奴隷として過ごした男の姿を描いた伝記ドラマ。
奴隷の姿を描いたドラマで時間も150分ほどと長め。そのためアカデミー賞受賞作品とは知っていながらも最後まで見ることができるか、不安でもありました。しかし、実際に見てみるとそうした時間の長さを感じさせられない映画でした。
全編に漂う緊張感に加え、役者陣の迫真の演技、何より作り手側のメッセージを伝えようとする意志が映画を通して、自分のそうした不安の感情を組み伏せてしまったかのように思います。
映画で印象に残る映像は役者さんの演技だけではないんだな、と改めて思わせるシーンもいくつかあり、非常に印象的だったのでいくつか挙げると、
まずは主人公のソロモンが白人たちによって木に吊るされるシーン。爪先立ちをすることでなんとか呼吸をすることができる姿勢で数時間ほったらかしにされるのですが、
その後ろで普通に黒人の子どもたちが遊んでいる姿や、彼に水を飲ませても、縄を切らない黒人女性の姿が印象的。そんなことは日常茶飯事で、また助けようと思っても奴隷は「所有物」だから手が出せないのですね。
ソロモンが爪先立ちのまま、日が暮れていき彼の姿が影だけになってしまうシーンは胸が苦しくなりました。
ソロモンが手紙を燃やすシーンは彼の表情と相まって希望が燃やされていくように、
そして黒人の少女パッツィーが鞭打たれるシーンもかなりきついのですが、それが終わった後にパッツイーが鞭打たれる原因となった石鹸が地面に転がっている映像もかなりくるものがありました。
ソロモンが解放され家族と再会するシーンも、再開のハッピーエンドではなく、12年も時間が経ってしまったという寂寥感が残るもので改めて奴隷という悲劇が浮かび上がります。
ソロモンが保安官によって助けられるのが唐突で、他の奴隷たちのロクな挨拶もできない、というのも何ともリアルでした。そして別れの際のパッツィーの悲しみの表情も忘れられないです、あれは別れの悲しみだったのか、自分たちの「夜は明けない」ことに対する悲しみだったのか。
奴隷制度は今も世界にはありますし、もっと幅を広げて人種差別という観点で見れば、日本も他人事ではありません。
「普通の人」の残酷さを再認識するとともに、奴隷、人種を含むあらゆる差別に対し改めて悲しみと怒りを覚えた映画でした。 -
反抗した後、これから地獄に突き落とされるんだと言うようなあの音がとても効果的で寒気がした。その後のシーンの凄まじさたるや…これまで色んな作品を観てきたが、これほどまでに酷く、凄惨で狂った映像は見たことがない。断末魔をあげながら苦しんでいる男を誰も気にかけていないが如く、日常を送っている。みんな気にしているはずなのに…気付いてはいけない…触ってはいけない空気が本当に怖かった…
手紙が燃え尽きる時、そこに去来するモノとは一体どんな形容をもってして語ればいいだろうか。
空気をも切り裂くようなムチの音をどんな心境で聴いていたのだろうか。
二度目の依頼…その後の無言のシーン。こんなに凄いカットはそうそうお目にかかれないと思う。
これほどまでに過酷で、これほどまでに強い男の物語を観たことがあっただろうか…生きるって何だろう。自由って何だろう。信じるとは…
凄い作品だった。傑作だ。 -
19世紀アメリカでの、黒人の誘拐、奴隷売買。
実話に基づく映画。
ほんの2百年前だが、奴隷制が存在し、黒人に人権はなく、公然と「家畜」と呼ばれた。命すら気分次第で奪われる。
社会のルールがそれを認めれば人はここまで残酷になれるということが恐ろしい。
主人公と道連れだった男が途中で一人だけ助けられて行く姿を主人公は恨めしく見つめたが、結局主人公も最後は同じ行動をとった。しかし、過酷な運命にあった彼を誰が責められるだろうか。
そして、彼を奴隷の身分から救ったのは、彼が「自由黒人」だという証明書であり、奴隷制を前提にした「与えられた自由」である。なんとも皮肉なものだ。
奴隷の元監督官の「鞭を打つときに良心が悩まされる」という台詞が印象的だった。
社会のルール=正義、ではなく、
良心に基づいた普遍的なもの=正義であり、ルールはそれに則して常に改善しなくてはならないということがこの作品のメッセージだろうと感じた。 -
1841年、ニューヨーク。
家族と幸せな日々を送っていた
バイオリン奏者ソロモンは、
ある日突然誘拐され、奴隷にされる。
奴隷制度が当然のものとして存在していた時代。
狂信的な選民思想を持つエップスら白人による
目を疑うような差別、虐待そして
”人間の尊厳”を失った奴隷たち。
鎖につながれた子象は大人になっても逃げだそうとしない。
その逸話を思い出しました。
この時代に戻ってはいけない。
観ていて悲しくなってくる映画でした。
人として、観ておくことをおすすめする映画です。 -
アミスタッドを観た時も感じたけれど、自分の信念を曲げずに貫ける人がいたからこそ時代は変わっていく。もちろん、貫いても失敗した人や亡くなってしまった人もたくさんいるだろうけど。
先人達に感謝。勇気付けられる映画でした。 -
非常に暗いしつらい描写が多い。
人権について考えさせられる。 -
スティーヴ・マックイーン監督による、実話を基にしたヒューマンドラマ。奴隷制度廃止前の19世紀半ばのアメリカ南部を舞台に、“奴隷”と身分を偽られすべてを失った黒人音楽家が、再び妻子と会うために希望を捨てずに生きた壮絶な12年の月日を描く。観てて辛いです、残された制度、人達を思うと助かってよかったと感じれなかった。アメリカで奴隷制度を描いたこういう映画が公開されることは意味があるんだろうな。