日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 (集英社文庫) [Kindle]
- 集英社 (2013年11月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (8ページ)
感想・レビュー・書評
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日本での生活がうまくいかなくなって、理想郷を夢見てフィリピンに渡り、たちまち夢破れて生活が立ち行かなくなった日本人のおじさん達の哀歌。
すごく哀れ。でも全く同情は湧かない。みんな自業自得のように書かれている。日本での生活がうまくいかなかったのも自分のせい。義理を欠かし、嘘をつき、好き勝手に生きてきた人生の末路。誰も救いの手を差し伸べる人はいない。
壮絶なストーリーの数々。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
道徳的でありたい著者とそれを余裕で越える現実の厄介さの葛藤がすばらしいと思った。その葛藤を経ても最終的には道徳的であろうとすることにとどまる(ことしかできない)著者の様子から、この本の登場人物たちに感じるのと同様の、人間が変わることの困難さを感じた。
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書籍化されている水谷氏3作品の中では、個人的には印象が一番薄い本。もう少し、それぞれの相手に深く食い込んでほしかった、といったら、作者に怒られるものか。。。
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・3/1 読了.確かに運まで自己責任とするのかどうかで判断が分かれてしまうこともあるだろう.これを見てると失敗を恐れずチャレンジしろという言葉がいかに無責任かが分かる.何が良いチャレンジで何が悪いチャレンジなのか、同じことが失敗にも言える.失敗するか成功するかやってみないと誰にも分らないのと同じように、回復可能な失敗になるのか再起不可能な失敗になるのかは、失敗してみないと誰にも分らないだろう.回復可能な失敗に留めておけなくなった時のために国家がセーフティーネットを用意するべきか否か.誰にも回答が出せる問題じゃないと思うな.
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開高健ノンフィクション賞受賞。
フィリピンで、困窮生活を送る日本人男性が何百人もいるという。
フィリピンクラブで知り合った女性を追いかけてきた男、偽装結婚のカモにされた男、お金も家もない「困窮邦人」のルポタージュ。
真面目なルポだった。
その日暮らし、いくら困窮しようとも、異国でのホームレスを選ぶ人たち。がんじからめの日本よりいいと言う。
(電子書籍 honto) -
フィリピンってそんなにいいとこなのかな。
行って確認したい。 -
ゆっくり、1ヶ月以上かけて読了。
イスラム国で邦人が殺害されたときの自己責任論についてかなり疑問を持っていたが、これを読んでますますわからなくなった。