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- / ISBN・EAN: 4988013059481
感想・レビュー・書評
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衝撃の「灼熱の魂」のヴィルヌーヴ監督作品。
この映画もまたかなり衝撃の展開でした。
しかし、数奇なシチュエーションだが
奇抜な語り口ではなく非常に巧妙でどっしりとしていて
落着いて見られる作品でした。
子供の失踪、容疑者、周辺の人々
親の気持ちの尺度、恐るべき真実・・・
ヒュージャックマンの父親の姿もデフォルメされているが
子供を持つ親なら分からないではない行動。
ギレンホールの刑事も描き方が良い。
身勝手な行動をとる父親にどこかでやってられないと
放りだすのではと、ありがちな展開を予想しながら見ていたが
どこまでも冷静で真摯に捜査する姿がかえって斬新。
世界一困った顔の似合う男、ポール・ダノ!
ラストのシークエンスのアレについては
薄々感づいてはいましたが
幕引きも秀逸。
やっぱり、この監督の腕力はすごいなぁと思う。
(編集かな?)
さ、「複製された男」も楽しみに見よう。 -
ちょっとちょっとー!パパ、暴走しすぎー!!(笑)
もう何だかずっとハラハラしながら観ていたような気がします。
ほんのちょっと目を離したすきに、娘を誘拐された父親。
犯人と見られるのは、10歳の知能しか持たないという青年。
決定的な証拠がなく警察はなかなか動かない…
そして父親のとった行動とは…
最後の最後まで展開が読めず、
2時間半というなかなか長い映画ですが全然飽きさせられなかった。
何が善で、何が悪か、観ているうちに分からなくなってくる。
自分の身を守るのは自分だけ。自分の家族を守るのも自分だけ。
もし私が父親の立場だったらどうするだろうか?と、
思わず考えてしまう映画です。
それにしたって暴走しすぎです(笑) -
身代金が要求されない幼児誘拐は捜査が困難ですね。誘拐される側、誘拐する側の心にいずれも狂気が宿っています。そこには信仰が絡んでいますが、キリスト者じゃなくて充分理解できません。でも、ラストのどんでん返しまで行き詰まるサスペンスでした。
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今となっては、どんな映画だったか、まっっったく覚えてないので、自分の感想を読みながら、へー、とか思った。
でも、ロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)が、聞き込みしたおばちゃんに「メモとれっ」って怒られて、慌てて「部屋の中、壁」ってメモったシーンだけはおもしろかったので覚えてた。後で絶対見ないし意味もないメモ。
私も会社の面接とか行くと、「まじめなんで、ちゃんとメモ取りますよぉ」アピールで、そういう意味のないメモを取る。誰に対しても意味のない行為なんだけど、人の話を聞くときは必ずメモをとれと口をすっぱくして言う人がこの世には多いので、相手に気に入られたい時に限り、なんとなく頑張ってやってる。でもそれで何か特別に好印象を与えるとも思えないんだけどね。
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2017/03/28 鑑賞
物語がどこに行きつくのか最後まで予測できずに翻弄されっぱなし。
こういう、画面の隅々まで計算されたサスペンスがほんと好きなので、陰鬱な情景とは裏腹に、心は映画を見る幸せが止まらないって感じでした。
ロキ刑事のキャラクターが素敵過ぎます。
無口で、仕事ができる。手がかりを見逃さない。
「あなたって今まで担当した事件は全部解決してきたんですってね」っていう自然で巧みすぎる説明セリフにわくわく。
「メモとらないのっ!?」と聞き込みしたおばちゃんに咎めるように言われて、慌てて「部屋の中、窓」なんて、どーでも良いことをメモっている場面では「うう、ちょっとかわいい・・・」ときゅんきゅんしてしまった。
普通、彼ほど実績のある叩き上げの刑事なら「そんなもの必要ない」とかなんとか切り捨てるように言うパターンが多いんですけどね。
ただ、見終ったあと、意味が分からないところがいくつかあって、さっそくグーグル検索。
ロキ刑事がしていた指輪とか刺青だとか、たくさんの蛇だとか、祈りの言葉だとかの思わせぶりに映る小道具の数々が、分かる人には分かりますよねーとでも言いたげに画面で主張していた。(でも私には分かんない)
こういう、破綻とは違う、単なる自分の知識不足からくる消化不良の答え探しも、ある意味作品の深さのバロメータであり、観た後の楽しみでもあります。(こういう分かりにくさが嫌いな人ももちろんいるでしょうが)
ここにはリンクは貼りませんが、素晴らしい解説がいっぱい見つかりました。
私は聖書の知識がまったくないので、見ている時は宗教的なメタファーは1つも分かりませんでしたが、信仰心や宗教上の善悪の対立について描いた映画、という見方もあるみたいで、目からうろこで興味深く、読みふけってしまった。
私にとっては、信仰って、人をがんじがらめにしているように見えることがたまにあるので、タイトル「プリズナーズ(=囚人たち)」ってそういう意味もあるのかなぁ、なんて考えたりも。
単数じゃなくて複数形であるところも意味深です。