乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(橋本治流ビジネス書) (集英社新書) [Kindle]
- 集英社 (2005年11月22日発売)
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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (139ページ)
感想・レビュー・書評
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2005年発刊の本書『乱世を生きる』は、
『「わからない」という方法』(2001年発刊)
『上司は思いつきでものを言う』(2004年発刊)
に続く集英社新書三部作の完結編である。
経済という茫漠としたものに切り込み、日本経済のあり方を思考する橋本治の頭脳。テーマが大きいだけに久しぶりに理解が追いつかなかった。
日本は自動車を改良して自動車の本場であるアメリカに売り込むという荒技をやってのけた。それはアメリカに商売のフロンティアを見い出すという荒技でもあった。そうして豊かになった日本人の家庭にはもう必要なものは揃っていて、「必要ではないけど欲しい」という欲望のフロンティアを開拓せざるを得なかった。
経済学者でもない著者が経済を語るのは難しい。入り口までの道程を辿って「あとはよろしく」と言っているのはそのためだが、だからと言って経済学者が経済を解析できるとは限らない。経済学者でさえ未来を予測するのは難しいのだ。
著者の記述には的外れのこともあるかもしれない。しかし、それはあまり問題ではない。経済という大きなものも手元で考えることができる。自分の経験をもとに考えることができる。本書を読んでそれが分かれば十分だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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