ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版] (中公新書) [Kindle]

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著者 : 服部正也
  • 中央公論新社 (2009年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (232ページ)

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ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版] (中公新書)の感想・レビュー・書評

  •  著者の服部氏は日本銀行に20年勤めてから国際通貨基金(IMF)に請われ、1965年から6年間に渡ってルワンダの中央銀行総裁を勤めた。本書はその顛末記だが、呆れるような状況から始まって様々な問題が改善されていく様子は興奮を覚える。

     ルワンダは元ベルギーの植民地で、戦後独立はしたものの、独立を勝ち取ったというより宗主国から放り出されたような形だったようだ。結局当分は自分たちで何もできず、国の重要事項はあらかた外国人が決めていた。それは旧宗主国であるベルギーを始めとする欧米先進国の人々で、そこにアラブ人やインド人の商人が絡む。

     服部氏もそういった外国人の一人だったわけだが、彼は他の外国人たちがルワンダ人を無能な人々とみなしていることに憤慨し、本当にルワンダが独立して自主管理していけるようにすることを目指して活動する。その結果、ルワンダ人が決して無能ではなく、むしろ欧米人の方が現地の実情を理解せず見当外れな施策を取っていることに気づき、それを改めていく。その様子は時に胸がすくほど痛快だ。

     本人の記述だから手前味噌なこともあるだろうし、綺麗事だけでは済まなかったはずだが、それを割り引いたとしても一種の冒険譚として面白く読めた。新興国とか発展途上国という段階にすら達していない小国だからこそ「何をやっても改善になる」というのはその通りで、ある意味仕事の参考にもなった。

     なお、ルワンダといえば90年代に起きた痛ましい内戦と虐殺が印象深いが、本書の内容はその20年前のことだ。増補版ではこの事件に関する服部氏の寄稿が追加されている。それを読むと、任を離れて20年経ってもなおこの国に深い愛情を持ち続け、欧米の報道が偏見に満ちていると憤慨されていたようだ。

  • ”まるで異世界冒険もののラノベみたい”という書評をTLで見かけて手に取りました。熱血主人公の一人称で文が進むので確かにそんな漢字はあるかも。世界がもう少しだけ単純だった時代の懐かしさがあります。

  • 昨年Twitterで話題でした

  • ルワンダといえば「虐殺」を連想するが、本書で語られるルワンダは虐殺が起きた約30年前、1964年のこと。

    当時のルワンダは政府支出の4分の1が赤字で、かつての宗主国ベルギーの援助に頼っていた。そんな不安定な経済の小国に中央銀行総裁として日銀マンである著者が派遣される。著者の任務はルワンダの通貨改革。

    しかし、著者の行動はそれだけにとどまらなかった。通貨の切り下げによって、問題が発生するであろう農業や鉱業、外国資本との関係などにあらかじめ対策を施しておく。時にはレベルの低い中央銀行スタッフに簿記を教えることもあるし、流通力の強化が必要だと考えれば、トラック輸送会社の開業を手伝う。1国の中央銀行総裁らしからぬ軽快なフットワークだ。先進国民として、上から目線による指導ではなく、あくまでもルワンダの利益となる金融政策を、ルワンダ国民と共に実施したいという著者の強い意志を感じる。

    こうした熱心な指導力がルワンダでも理解され、著者の任期は延長を繰り返し、ようやく6年目でルワンダを離れることになる。著者がルワンダで評価されたのは、ルワンダ国民の勤勉性を認め、長い植民地時代で失われたプライドさえ取り戻してやれば、復興できると信じた点だろう。

  • 混沌とした状況を整理しつつ、新たに次々と現れる問題を見事に捌いていく様は素敵だった。誰だかが言った、まるでRPGのストーリーのようだ、ではないけれど、事実は小説よりも奇なり、とはまさにこのことかな、と。

  • すごい人です。かっこいい!

  • 著者の服部正也氏は、日本銀行、imfに勤務したのち、imfに請われて独立間もないルワンダ中央銀行の立ち上げに携わった。通算で6年間在職し、通貨切り下げを始めとする通貨改革のほか、ルワンダ人が自分達で市場経済を回せるよう、さまざまな方策を講じてルワンダ経済の立ち上げにあたった。
    本書の内容において特筆すべきは、著者の徹底した現場主義である。ルワンダ人は怠惰で商業には向かないといった外国人の言葉を鵜呑みにすることなく、さまざまなルワンダ人と接することで、それが根拠のない偏見または外国人の保身のための言説だと見抜く。
    さまざまな政策が身を結び、1987年に服部氏がルワンダに再訪した際には、服部氏自身が驚く程の発展を遂げるまでになった。
    途上国論としても、経済論としても非常に質の高い一冊。

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