ドラマ「半沢直樹」原作 銀翼のイカロス: 2020年7月スタートドラマ「半沢直樹」原作 [Kindle]

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  • ダイヤモンド社
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感想・レビュー・書評

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  • 前作「ロスジェネ…」まではドラマ化前に読んでるが、ドラマ化後では、あの俳優陣を思い浮かべずにはいられない。それは止む無し。
    毎度の勧善懲悪な水戸黄門的予定調和のワンパターン結末は読んでいて安心だが、もう途中で何もハラハラドキドキしなくなる。しかも、今回はJALの再建をモチーフにした話なのに、肝心の企業再生にたどり着く、その前までのドタバタ劇で終わってしまって、銀行員としての話という感じがあまりしない。それに敵が突かれる”不正”も、あまりにもアリキタリで判りやすすぎる。

    ともかく、再生の苦難の道筋のところではなく、再生タスクフォースとの戦いがメインなので、現実でも”法的根拠がない”とか、”瀕死の企業に更なる出費(10億円のコンサル料etc.)を課す”など、さんざん叩かれた集団が相手なので(本書でも、そのまんま描かれている)、先が読めてしまいスリルもない。JAL再建問題の良い復習になったけど(思わず、以前、先輩に送ってもらった「JAL再建の真実」(町田徹著 講談社現代新書)を読み返した)。

    それにしてもだ、JAL再建をモデルにしてるとはいえ、現実のほうは、国交省大臣は前原誠司だった。それを、判りやすいように、蓮〇をモデルにしたTVキャスターあがりの女性議員としたり、いかにも小〇一郎的な”剛腕”代議士が登場したり、民主党をモデルとした新政権をパフォーマンス好きな素人集団とアシラッテルところなど、ドラマ化できますかね?という内容なのが心配(要らぬ心配)。

著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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