前作「ロスジェネ…」まではドラマ化前に読んでるが、ドラマ化後では、あの俳優陣を思い浮かべずにはいられない。それは止む無し。
毎度の勧善懲悪な水戸黄門的予定調和のワンパターン結末は読んでいて安心だが、もう途中で何もハラハラドキドキしなくなる。しかも、今回はJALの再建をモチーフにした話なのに、肝心の企業再生にたどり着く、その前までのドタバタ劇で終わってしまって、銀行員としての話という感じがあまりしない。それに敵が突かれる”不正”も、あまりにもアリキタリで判りやすすぎる。
ともかく、再生の苦難の道筋のところではなく、再生タスクフォースとの戦いがメインなので、現実でも”法的根拠がない”とか、”瀕死の企業に更なる出費(10億円のコンサル料etc.)を課す”など、さんざん叩かれた集団が相手なので(本書でも、そのまんま描かれている)、先が読めてしまいスリルもない。JAL再建問題の良い復習になったけど(思わず、以前、先輩に送ってもらった「JAL再建の真実」(町田徹著 講談社現代新書)を読み返した)。
それにしてもだ、JAL再建をモデルにしてるとはいえ、現実のほうは、国交省大臣は前原誠司だった。それを、判りやすいように、蓮〇をモデルにしたTVキャスターあがりの女性議員としたり、いかにも小〇一郎的な”剛腕”代議士が登場したり、民主党をモデルとした新政権をパフォーマンス好きな素人集団とアシラッテルところなど、ドラマ化できますかね?という内容なのが心配(要らぬ心配)。