闇金ウシジマくん(31) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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  • 闇金ウシジマくん31 2014

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「フリーエージェントくん」編

    村上仁(むらかみ じん)
    本エピソードの債務者。「ヤンキーくん」編に登場したマサルの地元仲間。左目の下にホクロが特徴。丑嶋と同い年の兄がいる。
    時給900円の人材派遣の肉体労働で生計を立てる生活に嫌気が差していたところ、ネットビジネス講習「天生塾」の広告を見かけ、ウサン臭いと思いながらも無料の初回セミナーに足を運ぶ。セミナーの内容に感銘を受け、そこで出会った清栄真実に背中を押されるまま天生塾に入塾する。その際、入塾料調達のため、両親とマサルに計100万円の借金を背負うことになる。それ以降も優良顧客のメールアドレスなどを購入するため、親の預金通帳を盗み、多額の金を引き出したりなどしている。
    地元のヤンキー仲間を「清栄メソッド」を使って商売利用し、さらに自身で立ち上げた「村上メソッド」を成功させて多くの人間から金を騙し取るも、収入の無かったヤンキーたちに拉致され、過去のマサル同様に危機的状況に陥る。一命を取り留めた後、これを機にネットビジネス業界から足を洗う。
    その後、家族に金を返済して和解し、人材派遣の仕事に戻るが、かつて騙した被害者が自分の引退後も困窮しているのを知って悔悟し、村上メソッドを人の役に立つ形でもう一度試すという決意をする。自然豊かな地方に安価なレンタルオフィスを建て、メソッドを応用して無職の若者を集めるという地域おこしを進める。

    天生翔(てんじょう かける)
    たった9ヶ月で月収一億円を突破したネットビジネス業界の風雲児。村上、清栄の師匠筋にあたる人物。
    その実態は単なるネズミ講に過ぎないが、メソッドと称した情報商材を引き換えにすることで合法的なマルチ商法だという体裁を保っている。更に、羽振りのいいフリをすることで「このやり方は儲かる」という説得力を生み出し、儲けたいが商才はないという多くの情報弱者を騙していた。
    若いころは不良上がりのホームレスであり、恋人が敵対していた暴走族に目の前で輪姦されてから、他人の恋人とセックスして当の本人に見せつけるという歪んだ性的嗜好を持つ。その嗜好が仇となって苅部達の策略に物の見事にかかり、一時は仁とともに生命が危ぶまれる状況に陥った。自身の引退と仁の手助けにより一命を取り留めるも、丑嶋と樺谷の偽の投資話に合意したため全財産を失うこととなる。
    後にホームレスとなって少々自虐ネタ的な形で引き続きネットビジネスを行っている様子が伺える。

    清栄真実(きよさか まこと)
    天生翔の一番弟子。高級車を乗り回しているが、彼もまた2年前まで仁と同じような生活をしていた。
    初回の講習で仁に興味を持つが、後日、見当違いとみなし、しんこchを指す。マザコンでデブ専。
    天生の(ヤンキーの拘束による)強制引退を機に、情報教材を買う太客名簿を天生との約束より安く買い取り、天生の生命の安全より自身の利益を選んだ。

    しんこch(しんこちゃん)
    インターネット掲示板で「まあまあ」名が通ると自称する、天生塾での仁の同期生。最初は喧嘩腰な口調ながらも仁に声をかけ「友達になってくれないか?」と懇願するも、無視されたことを理由に仁をライバル視するようになる。
    仁と売上を競うにあたって、商材をカモに売りさばくのでなく、自腹で買って見た目だけ売上を上げるという愚行を犯し、多額の借金を抱えて家族の財産をも食いつぶす。どん底状態のところを仁に拾われ、清栄打倒のため手を組むが、隙を見て仁の持つ清栄の被害者たちのリストを奪おうとした。
    仁が足を洗った後も、懲りずに清栄のもとでネットビジネスを再開した。

    竹山耕太(たけやま こうた)
    フリーターの中年男性。リーマンショックでリストラされて以来、安定した仕事に就けず、現在は牛丼屋でアルバイトをしている。
    非常に騙されやすい性格で、仁が売りつけていた清栄メソッドをネットを通じて知り、泥沼にはまっていく。最終的に天生のホームレス仲間となっていた。

    麻生りな(あそう-)
    容姿端麗な女子大生。かねてから仁に好意を寄せられていたが、ネットビジネスで成り上がっていく仁の自信に惹かれ、交際するようになる。苅部の暴走によって輪姦されかける等の危機に瀕することもあったが、最終的には難を逃れて就職し、地方に越した仁と遠距離恋愛を始める。

    苅部(かりべ)
    「ヤンキーくん」編に登場した、迷彩服を着た少年の内の一人で、マサルと仁の地元の後輩。父子家庭。通称「苅べー」。
    かつての愛沢を彷彿させるプリン風のリーゼントヘア、楕円型の縁なし眼鏡、口元に蓄えたちょび髭と抜けた歯が特徴。
    見た目通りの短絡的な性格だが、情報商材を売る際に仁の根本的な営業思想を見抜き、その手口を真似て効率よく商材を売り付けたり、障害者年金の受給方法を不良仲間に広めたりと、他の不良仲間に比べて商才はある模様。
    仁からネットビジネスの話を聞き、マサルからその資本金をローンとして借金する。その後は仁から情報商材を購入し、自身も「苅べー激アツメソッド」なる商材を売りさばいて大金を稼ぐことに成功。しかし散財を繰り返したために借金は減らず、恐喝まがいの手法を取っていたために警察からも出頭命令が下された。
    返済金と示談金を捻出するために仲間を連れて仁に襲い掛かり、そのまま仁の入れ知恵で天生への美人局を敢行。一旦は三千万円を奪うことに成功する。これに慢心し、マサルから借金を踏み倒すばかりか貯金を強奪しようとするが、彼と護衛の獏木たちに仲間共々返り討ちに遭い、ニッパーでアキレス腱を切断され、山奥に放置された。
    その後は仁のレクチャーによって障害者年金を受け取れるようになり、車いす生活を余儀なくされながらも仲間と幸せそうに過ごしていた。
    「逃亡者くん」編では松葉杖を付いて歩けるようになった。カウカウファイナンスに雇われており、不在のウシジマに代わり闇金の取り立てをしていたが、債務者から完全に舐められた挙句罵られる有様だった。その後「ウシジマくん」編において、ウシジマの帰国を前にカウカウファイナンスを退職したことが語られている。

    モエコ
    苅部の彼女。一人暮らしをする中卒のフリーター。寝巻きのようなダボダボのファッションをしており、歯が抜けている。
    苅部以上の単純思考で、尚且つ非常に騙され易い性格の持ち主。中学時代に友人に宗教勧誘されて「幸せの笛」という高額な開運グッズを買わされており(曰く「8万のローンが残っていて、そのせいで歯の治療が出来ない」らしい)、未だにその効力を信じ続けている程。
    小金欲しさから、苅部達の天生襲撃に参加し、天生を嵌める役割を担った。

    淀ちん
    「ヤンキーくん」編に登場した、マサルの地元の後輩。
    苅部と共に地元の後輩に対して、2人がかりで卵を投げつけるイジメをしていた。

    ヤンキー仲間(仮称)
    本名不明。「ヤンキーくん」編に登場した、迷彩服を着た少年のうちの一人。
    鋭いキツネ目と金髪が特徴。仲間内で最も威勢がよく、荒事の際には先陣を切る。マサルに反撃された際も実家に復讐すると喚いていたが、一笑に付されてしまった。

    健介(けんすけ)
    マサルと仁の地元仲間。肥満体型にリーゼント頭が特徴。
    マサルや仁と3人で集まった際、携帯専門の金融屋で働いていると話した。

    獏木(ばくき)
    飯匙倩組の構成員。普段は工場らしき建物を根城にしている。
    かつては地元で敵無しと恐れられていた不良で、無意味に人の耳をライターで炙るなど傍若無人に過ごしていた。組では一番の下っ端となり、先輩組員からきつく当たられているが、飯匙倩からは貴重な生きのいい若い衆として可愛がられている。
    「中年会社員くん」編では加茂を脅迫して、カウカウに金を借りさせようとする。その件で丑嶋と交戦するがタクティカルペンで撃退され、最終話で肉蝮に片目を潰される。以後、眼帯を装着している。
    以降の話にも登場するが、銃を持つと手が震える、死体を見て吐き気を催すなど初登場時の大物感はすっかり影を潜めてしまっている。「ヤクザくん」編では肉蝮と丑嶋への恨みからマサルを手助けするが、最終的に飯匙倩に自ら止めをさす格好になってしまった。その後、丑嶋に射殺されたと思われたが実際は生存しており、滑皮に熊倉殺害犯は丑嶋であることを伝えた。最後の頼みとして丑嶋を殺させてくれと懇願するも結局、滑皮にそのまま殺され、遺体を土の中に埋められる。

    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2014年第10号、第13〜第17号、第19号〜第24号掲載作品。
    2014年5月19日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    フリーエージェントくん12~22

    冒頭から村上仁の実家で両親の老後資金口座から550万円引き落とされている事実が発覚。
    これはあかんわな。
    かつてフリーターくん編で宇津井の母親がその母親(祖母)の証券を勝手に持っていった話を思い出した。
    家族間とは言え、無防備な金融資産の管理は駄目だ。
    村上仁は闇金を利用しそうな底辺層をマサルと協力しハイパーメソッドを売っていく。
    目先の紹介料欲しさに無意味なものを買うんじゃねえ!と読んでいると叫びたくなる。
    形を変えたネズミ講。
    形を変えたネットワークビジネス。
    何も新しい付加価値を世の中に提供していない。
    その意味で社会を破壊する行為であると言えると思う。
    バブル時代の土地転がしとほぼ同じ。
    何も付加価値を社会に生み出していない。
    豊かになるためには真面目に働く必要がある。
    どんな立場のどんな人間であってもだ。
    昨今、投資も目立っているがネット証券での米国株式や全世界株などの投資信託の積立投資以外は全て詐欺だと心得て日々真面目に働き節約し生きていく。
    そんなシンプルな生活で生きていきたい。
    しかし訳の分からない投資詐欺は無くならない。
    人間には業があるからだろうか。
    闇金ウシジマくんによく登場する楽なまま稼ぎたいなどというどうしようもない人間が多いからだろうか。
    (どこまでも組織が現場の人間を徹底的に管理するための管理職や社員が決して無くならないのはそのためでもあるのだろう)

    いつものようにきっちり細かい金を回収する丑嶋の描写。
    そしてその後に小銭を捨てたんだとする天生の描写。
    非常に対照的に描かれている。
    そして天生がこの後、破滅するのもある意味当然だなと。
    小さい単位の金であってもしっかり管理、蓄財すること。




    印象に残った点

    桃栗3年柿8年。
    何事も成し遂げるまでに時間がかかるものだ。

    お前(苅べー)、清栄ハイパーメソッドの教材DVDちゃんと観て実行したの?

    いや、最初の3分で熟睡した。全然理解できねえ。

    生活に追われる者は情報が遮断され、考える余裕がない。

    金儲けに興味を持った大貧民にどんどん餌をばらまけ。
    そしたらどんどん儲かって・・なけなしの金を差し出す。
    俺らが売るものは金儲けの方法じゃねえ。
    金儲けができそうな雰囲気だ。

    人間は口が1つなのに何故耳は2つあると思いますか?
    喋るよりも人の話を2倍聞く為です。
    賢い人間は聞き上手で、愚かな人間は自分のしたい話をするものだ。

    選択肢が足りない人生は不幸だ。

    金持ちになりたいなら俺と同じことをしろ。

    (それはそうだが、起業して良いビジネスモデルを作るとかでないと駄目。ネットワークビジネスやマルチ商法などのピラミッド構造をつくる世界は必ず破滅する)

    搾り取られる奴は誰かに搾り取られる。
    だったら誰かにじゃなく俺が搾り取る。
    休んでる暇ねーよ、戌亥。

    (1巻にも似た台詞があった。奪るか奪られるかなら、俺は奪る方を選ぶ!だったか)

    俺の誕生日よりも俺の命日を祝う奴のほうが多いんじゃねーの?

    (これはそう。丑嶋も結局、周りに敵を作りすぎた。組織でも社会でも無意味に敵を作り過ぎるような生き方はどこかで行き詰まるのではないか)

    儲けたい欲より損を取り戻したい欲のほうが強い。
    だから騙される人間は誰かに騙され続けるんだ。

    2023/12/18(月)記述

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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