- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4571390739628
感想・レビュー・書評
-
池脇千鶴が良いと言うので観ました。
自分の中の『日本映画』という物そのもの、という印象。
主題に閉塞感・行き詰まり感が入っているところ。そして画面が暗い。
役者たちの演技力が素晴らしく凄まじかった。
特に菅田将暉、先日アニメ「打ち上げ花火、上から見るか下から見るか」でなんだこの下手くそは、と思った人だとは信じられない。
バカでうるさいだけの青年の心の機微をこんなにも演じることができるものなのかと。怒りのシーンの迫力に打ちのめされた。
それからラストシーンの池脇千鶴の美しさと、タイトルが表示される余韻がほんとに印象的で、ああ、これは芸術だと思った。
それとやっぱり海中シーンが良かったな〜。
ストーリーも嫌いではないけど、なにより画作りについて素晴らしいと思った映画でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
佐藤泰志の同盟小説を映画化した作品です。
閉鎖感ただよう水の町で無為で無気力な日々を
送っていた主人公の運命が社会の底辺で行き場
を失った一組の姉弟との出会ったことによって
少しずつ動き出していく姿を描いています。
仕事辞め堕落した生活を送る達夫は、家族を養
うために必死で働く千夏と出会います。二人は
惹かれ合うが、そのことが千夏の弟や愛人など
周囲の人間に波紋を広げ悲劇を招いてしまう。
綾野剛と池脇千鶴が互いを求める男女の切実な
思いを体を張った大胆な演技で表現していまし
た。二人の演技が見物です。 -
閉塞感がとてもありました。
社会の底の方から抜け出せないのですが、それでも懸命に生きる人たち。堕ちたくて堕ちたわけでもないし、そこに甘んじているわけでもないのに。普段自分が目の当たりにしていないだけで、たくさんこんな家庭があるんだろうな、と思いました。
わたしは甘ちゃんなのだな。
影のある綾野剛さん、良いです。達夫は自暴自棄ですが人を思う心はありました。
池脇千鶴さんの空気も好きでした。菅田将暉さんも。この姉弟は抜け出したい、がままならなくて悲しかったです。
あの…千夏をお金で買ってた人には嫌悪感しかなかったです。菅田さんの山フラグかと思わせておいてこちらか…勝手に想像してただけですが。
拓児は救えなかったけど、千夏は助けられた。それだけが救いでした。
朝日が照らす海辺で、泣き笑いのような表情を浮かべる達夫と千夏のラストシーンが印象的でした。 -
"そこのみにて"の"そこ"は、社会の底辺で生きる人のことを表していて、底辺での唯一の光が綾野剛演じる佐藤というところでしょうか。。
-
2017.10.23
重くて苦しい。
この現代において、この話を真っすぐに受け取ってこんな気持ちになったのは役者さんたちの演技が素晴らしかったからだと思います。
タイトルに其処と底の二つの意味があるのだとしたら… -
観る前は、この表題が、厨二臭いと言うか、なんか恥ずかしいなと思ってたけど、観賞後は、その通りだと。それぐらい、文学的リアリティに溢れた説得力のある作品だった。
巷で大人気の綾野剛。個人的に、ふーん。けど、この綾野剛の虚無感と色気は、エグかった。
監督の配役センス、120点!
今年、観た邦画の中では、四月物語の次に心を動かした。 -
映像は綺麗。
でも好きな話じゃない。
人を選ぶ内容だと思う。
『その夜の侍』と同じく苦手。
原作は知らないけど、ちょっとストーリーを端折り気味な感じ。 -
ラストの二人。
果たして光輝くものがあったのだろうか・・・
評価高いけど、自分には合わない作風だった。
池脇千鶴の裸体が艶かしい。 -
落ちぶれた主人公が、過去の不幸な出来事を乗り越えて再起を図る。ありがちな物語ではありますが、その彼の周りで騒々しく付き纏う青年(菅田将暉)の存在がとにかく異色。この人はこんなに悩んで落ち込んでいるのに、お前は何やってるりんだ?と説教したくなったな。
いずれにせよ、主要人物は皆ネガティブなオーラを放つ者ばかりで、露悪的な物語は見ていてしんどいものがありました。