嗤う伊右衛門 (角川文庫) [Kindle]

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著者 : 京極夏彦
  • KADOKAWA / 角川書店 (2014年8月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (264ページ)

嗤う伊右衛門 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 四谷怪談のお岩さんの話だ。

    お岩さんと言うと、色々なイメージがあるが、よくわからないと言うのが私のイメージだった。男にひどいことをされて、亡くなって、怨霊になったような獏としたイメージしかなかったが、この本を読んで、180度というか、まったくイメージが違っていた。

    お岩さんは強く、いや、強すぎ、正しすぎるために、色々な悪い評判が立ち、噂話などが庶民の語り話になっていったようである。

    一風変わったお岩さんと、お岩さんと同じように変わっている伊右衛門との恋愛話がメインとなってこの物語は進む。

  • 読まなければ!と思っていたうちの一冊だったので、やっと読めて一安心。
    巷説シリーズのファンなので又市に釣られて読んだのですが、伊右衛門とお岩、他登場人物たちの物語にあっという間に引き込まれました。冒頭の闇の色、匂い、音、皮膚感覚の描写はさすがの一言。
    四谷怪談の概要は知っていたのですが、本編を読んでいる途中でふと思いつき解説を読んだのは正解だったと思います。重要なネタバレはないので、四谷怪談に詳しくないという方は読み始める前に解説から読んでみるといいかも。

    ※以降少しですがネタバレ含みます※

    「嗤う伊右衛門」というタイトルで、話の概要を知っていたのもあり、てっきり大悪としての伊右衛門が描かれると思っていたので意外な展開でした。冒頭の蚊帳のシーンはその辺りのミスリードを狙っていたのかも。
    岩と伊右衛門のすれ違いが悲しく、しかし現実には(伊東のような悪意ある存在が無かったとしても)こんなすれ違いはいくらでもあるんだろうなと思い、またそれが悲しかったです。思いは言わなければ伝わらない、そして例え言ったとしても、容易には伝わらないのだと。
    岩の強さに憧れ、梅の境遇に同情し、しかし岩の鮮烈な感情や梅の小狡さにも覚えは確かにある。読んでいて女としても色々思うところのある一冊でした。
    按摩の宅悦、好きだったので最期が悲しかった…。巷説ファンとしては明かされた又市の過去を踏まえて、このまま続けて帷子辻を読みたくなりました。

  • 何度読み返しても、唸る巧みさ。すれ違う思いの紙一重、奸計の悪辣さ、目眩く剣戟、ひたひたと迫る狂気、最後の最後でピタリとはまる真相。見事な怪談でありミステリ。

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