なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践 [Kindle]

  • 英治出版
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  • 人は何歳でも変わることができる。
    変わりたいけど変われないひとには免疫マップが重要。

    ◯免疫マップ
    1. 改善目標
    理屈抜きに変えたいと思う項目、本心から取り組み、改善したい「一つの大きなこと」を挙げる。
    ここに入れる内容は本人だけで決めさせず、周りの人の意見も参考にする。
    その目標がチームにとって重要なものであること、その目標を達成するために、主として自分自身の努力が必要だと認識できていること、が満たされないまま阻害行動に進んではいけない。

    2. 阻害行動
    何をしている、していないなど、なぜ改善目標が達成できないのか?を埋める。
    心理状態ではなく、その心理状態のせいでどのような行動を取ってしまうかを書くべき。
    ここに書き込む要素は多いほうが後で効果を発揮する。

    3. 将来の厄介な事態
    それと反対の行動を取った場合に起きる最も不愉快な、最も恐ろしい、最もやっかいな事態とは、どういうものだろう?
    負の感情を表に出すためのエクササイズを起こす

    免疫マップを満たすことで、人は変わりやすくなる。
    んなことないと思うかもしれないが、「3. 将来の厄介な事態」を書き出すことで、前進を止めるブレーキを解除しやすくなる。

  • 要約
    大人でになっても、知性は発達する
    ■大人の知性の3つの段階
    ・環境順応型知性
     チームプレーヤー、忠実な部下、大勢順応主義、指示待ち、依存
     周囲からどのように見られ、どういう役割を期待されるかによって、自己が形成される
     帰属意識をいだく対象に従い、その対象に忠実に行動することを通じて、一つの自我を形成する
     順応する対象は、おもにほかの人間、もしくは考え方や価値観の流派、あるいはその両方である。

    ・自己主導型知性
     課題設定、導くために学ぶリーダー、自分なりの羅針盤と視点、問題解決志向、自律性
     周囲の環境を客観的に見ることにより、内的な判断基準(自分自身の価値基準)を確立し、それに基づいて、まわりの期待について判断し、選択をおこなえる
     自分自身の価値観やイデオロギー、行動規範に従い、自律的に行動し、自分の立場を鮮明にし、自分になにができるかを決め、自分の価値観に基づいて自我の範囲を設定し、それを管理する。こうしたことを通じて、一つの自我を形成する

    ・自己変容型知性
     メタリーダー学びために導くリーダー、複数の視点と矛盾の受け入れ、問題発見志向、相互依存
     自分自身のイデオロギーと価値基準を客観的に見て、その限界を検討できる
     あらゆるシステムや秩序が断片的、ないし不完全なものだと理解している
     これ以前の段階の知性の持ち主に比べて、矛盾や反対を受け入れることができ、一つのシステムをすべての場面に適用せずに複数のシステムを保持しようとする
     一つの価値観だけいだくことを人間としての完全性とはき違えず、対立する考え方の一方にくみするのではなく両者を統合することを通じて、一つの自我を形成する

    しかし、大人の知性をステップアップしようとするとき、阻害するものが出てくる。それが「裏目標」である。建前と本音といっても良いだろう。
    変革をはばむ免疫機能がある
    ・変革を阻止するシステム(手ごわい課題に挑もうという意欲を萎えさせる)
    ・感覚のシステム(不安に対処する)
    ・認識のシステム(ものごとを理解する)

    裏目標も把握するのが、免疫マップである
    0、アイデアを生み出す
    1、改善目標(理想像)
    2、阻害行動
    3、裏の目標(本音)、不安
    4、強力な固定観念
    5、最初の(SMART)テスト
    ※Safe-安全、Modest-ささやか、Actionable-実行可能、Research-リサーチ、Test-テスト

  • 改善目標には裏の目標があり、そのせいで改善が阻害される。
    変わるために必要な3要素
    1.心の底
    理屈抜きの強い欲求を抱く必要がある。理性ではなく本能を。心の底を揺さぶるべき。
    2.頭脳とハート
    思考と感情の両方に働きかける。
    3.手
    思考と行動を同時に変える。

    免疫マップを作る。
    1.改善目標
    それは自分にとって重要なものであること。
    周りの誰かにとっても重要なものであること。
    達成するために、主として自分自身の努力が必要だと認識できること。
    この三条件全てに適合する目標であること。
    否定形ではなく、肯定形で目標を表現したほうが良い。
    2.阻害行動
    具体的であればあるほど良い。
    3.裏の目標
    裏の目標を見つけるために、不安ボックスに恐れていることを書き出す
    その不安の逆が裏の目標に相当する。
    4.強力な固定観念
    裏の目標の根底にありそうな固定観念をあげる。

    1.おとなになっても成長できるという前提に立つ。
    2.適切な学習方法を採用する。
    3.成長の欲求を育む。
    そのためには良い問題に取り組むこと
    4.本当の変革には時間がかかることを覚悟する。
    5.感情が重要な役割を担っていることを認識する。
    6.考え方と行動のどちらも変えるべきだと理解する。
    7.メンバーにとって安全な場を用意する。

    事例が多く載せられている。
    その事例を省いて読み進めた。

  • 大きな変化を成し遂げる確率が高い要素3つ:心の底、頭脳とハート、手

  • ■概要
    本人の希望に反して取りたい行動がどうしてもできない原因を把握し、望む行動を取れるようにするための方法論が学べる。

    ■感想と意見
    著者は人事コンサルであり、本書で紹介されている事例はビジネスシーンに限られていたが、本書の考え方はメンタルヘルスのセルフケアで利用したり、カウンセリングなど医療・福祉分野でも活用したりできそうだと私は感じた。
    というのも、「免疫マップ」は、認知行動療法におけるスキーマ療法を実践する1つの方法論とも解釈できたからだ。
    「免疫マップ」ででてくる「強力な固定観念」は、スキーマ療法における修正したいスキーマの事だと捉えた。そのスキーマに影響を受けて、無意識に望まない思考や行動をとってしまうのだ。
    本書はこれらの「強力な固定観念」を言語化するのには役立ったが、修正することはできなかった。
    「強力な固定観念」の修正には、スキーマ療法を学ぶのが良さそうだ。

    ■用語
    免疫マップ…変革を阻む免疫機能を可視化したもの。以下4つの項目からなる。
    ①改善目標…これまでの思考様式(思考感覚,生き方)では達成できない課題。
    ②阻害行動…①に反してつい取ってしまう行動。
    ③裏の目標…今の自分の自己防衛のために達成しようとする目標。
    ④強力な固定観念…これまでの自分が意識的または無意識的に正しいと信じて疑わなかった信念。

  • 変わりたいと言いながら変われないのは、現在の在り方に隠された動機や願望があるから。
    自分自身についてはもちろんだけれど、なにより所属組織についてもまさに!と思い再読。

  • 変わりたいと思っているのにそれに向けた行動をとれないとき、裏の目標があってそれが片足にアクセル、片足にブレーキを置いた状態にさせている

  • 人から指摘されてもなかなか自分を変えるのが苦手という人におすすめの本です。
    400ページ以上あってボリューミーなので本を読むのが苦手な人にはちょっと大変かもしれません。
    内容としては、本人が変わらない本当の理由が明らかになり、課題克服が明確にできるようになるので、自己変革したい方にとってはすごく使える本だと思います。
    ハーバード大学で編み出された免疫マップというシートを元に自分の改善目標、それを阻害する行動、表にでてない裏の本当の目標、固定観念を明らかにし、どう自分を変化させればよいのかが明確になります。

  • 我々が暗黙に捕われている固定観念などに関するメカニズムを解き明かしている。安直なHow to本とは趣が異なるためとても参考になるが、変革を達成するための具体的な方法を自身が身につけるためには何度か読み込むこと、加えて何回かのTrial & Errorがおそらく必要だと思う。

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著者プロフィール

ハーバード大学教育学大学院教授(成人学習・職業発達論)。30 年あまりの研究・執筆活動を通じて、人が成人以降も心理面で成長し続けることは可能であり、現代社会のニーズにこたえるためにもそれが不可欠であるという認識を広めてきた。授与された名誉学位や賞は多数。

「2013年 『なぜ人と組織は変われないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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