- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988003828981
感想・レビュー・書評
-
1957年スウェーデン映画。監督はイングマール・ベルイマン。
主演は騎士役のマックス・フォン・シドーに、その従者ヨンス役のグンナール・ビョルンストランド。そして、死神役にベント・エケロート。あと、旅芸人の妻役のビビ・アンデショーンが美人で良かった。(笑)
舞台は中世ヨーロッパ。十字軍遠征からの帰路の二人。騎士とその従者である。ある朝、騎士は海岸で死神に出会ってしまう。死神は騎士を連れに来たのだ。しかし、騎士は死神がチェス好きであることを知っていて、ある提案をする。もし、チェスに勝ったら死を免れさせて欲しいと。死神は同意する。そして旅の合い間合い間にチェスを続けながら、さまざまな災厄とともに、騎士と従者の旅が続く・・・。
疫病が蔓延し、『ヨハネの黙示録』の「第七の封印」の物語のような世界の終わりが取り沙汰されるような重苦しい雰囲気の中、死神が突如目の前に現れるという奇天烈でブラックユーモア気味な話を根底に据えながら、実は、慈悲を全く示そうとしない神をあげつらうかのような悲惨で目を覆いたくなる社会の状況を、濃厚に幻想的な美しさで描いた作品である。
騎士と従者が旅の先々で出会うシーンはどれも達観であり狂気であり死である。しかし、騎士は死神に抗おうとし、従者ヨンスは熟練の機転と剛腕にて事態を打開しようとする。だが、これら試練には結局のところ打ち克つことはできず虚しさだけが残ってしまう。
死神の策謀が跋扈する世の中で果たして救いはあるのか?
このような重苦しい題材で、安直な救いはないのであるが、なぜか魅入ってしまうのは監督の力量のなせる技であるだろう。テンポよく、また緩急をつけて進むサイドストーリーの数々。光と影のコントラストや重厚なBGM。そして、詩的な映像美。このどれもが密接に融合され、ひとつの壮大な寓意として観客の前に示されている。
ラストはやはり救いはないのだが、マリアとイエスを目撃した旅芸人やなぜか朗らかそうにみえる救われなかった彼らの描写は、地にも天にも実は救いがあると言いたかったのではないだろうか。
イングマール・ベルイマン監督自身も気に入っていたという彼の代表作。 -
見る前の想像と違って喜劇的な部分もあって、そのあたりはなかなかとっつきづらかった。でも「死」という概念を悲劇的なのと同時に喜劇だったり希望として捉えようしているあたりの感覚は好き。命のやり取りが死神とのチェスということも喜劇的な部分を強調しているのかも。
-
うわー、めちゃめちゃ面白い。なんだこれ。イングマール・ベルイマン初めて観たけどこんなに面白いのか。
「第七の封印」というのはたぶん黙示録からとったのだろうけど、タイトルの通り終末感がハンパない。ペスト、魔女狩り、十字軍、死神……と暗黒の中世を舞台にして、そこに生と死、神の沈黙への問いが描かれる。
これは他のベルイマン作品も観ないと。
4 -
観念的、寓話的で台詞まわしも時代設定と同じ頃の宗教劇のよう。死神の格好もそのまま演劇に出てきそうだ。
座長の役回りや白々しい芝居はそのまま喜劇舞台を観ているようだし、映画らしい派手なシーンが無いためか、上質な演劇を一本観た気分。
いつどこの宗教でも神は無口で無関心。饒舌で気さくなのは死神ばかりだ。 -
この映画を傑作!と言う人は、世間の評価に大変に影響を受けやすく、古典好きで権威主義的な人間では?という疑惑がぬぐえない私・・・
そういう人って古臭いものばっかり絶賛しがちなので、逆に、公開前で世間の評価が出ていない映画の感想こそ彼らに聞いてみたいと思ってしまう。
--------------
2016/3/9 鑑賞
ラックに入れる時に、Amazonのコメント欄をチラ見したのですが、「傑作!」の文字が踊りまくっていたような…
マジすか!
私には難解でまったく理解不能でした。
不思議と退屈ではなかったけれど、おもしろかったかと聞かれたら、「わたくしの頭ではおもしろい映画なのかどうかすら分かりませんでした」としか言えません。
きっと「第七の封印」の本来の意味を知らないと話にならないのだわ、と思って、映画を見た後でWikiなどで「ヨハネの黙示録」の項目を読んだけれど、特に理解の助けにもならず。
先に知識を入れてから見ると、意味深く感じるシーンがあったのかもしれませんね。
ま、そもそもヨハネの黙示録じたいが暗号のようで意味不明なのですが・・・
余談ですが、「死神」と交渉する、というイメージから、アンデルセンの「ある母親の物語」を思い出しました。
子供のころ読んで、トラウマになりそうなくらい怖かったお話。
母親が死神に交渉してと子供を取り戻そうとする物語で、この物語でも「死神からは誰も逃れられない」という暗黙の了解みたいなものが念押しされていました。
アンデルセンはデンマークで、ベルイマンはスウェーデンなので、実際はなんの関係もないかもしれませんが、あの物語の死神のイメージとこの映画の死神のイメージはものすごく似ているように思う。
感情では動かされず、予測不能でいつの間にか近くにいる黒い影。とうてい太刀打ちできないもののはずだけれど、それでも人間が本気を出せば、ほんの少しなら出し抜くことができる。いや、でも、結局は…という、そんな死神像。
宗教に造詣の深い方、北欧あたりの文化に詳しい方にぜひ感想(解説?)をお聞きしたいです。あるいは、普通のスウェーデン人の感想も聞いてみたいかな。 -
時間があれば
-
死神が圧倒的に格好いい。
-
途中からが難解だった。
-
3.0
-
可もなく不可もなく。
神の不在。
死に飲み込まれるものもいれば、希望を繋ぐものもいる。
そんな当たり前を描いた作品。
意外にコミカルで退屈しないよ。 -
何だかよくわからないが、とにかく凄い作品だ。
と思った。
私は途中見ていてしんどかったが、ラストは愉快に思えました。 -
ベイルマンのこの名作をやっと観ることが出来た。難解な作品といわれてるけど楽しく観れたし、一気に観れた。ラストが恐ろしかった。
第七の封印は、オレも昔、見たんだけど、ぜんぜんストーリーを、...
第七の封印は、オレも昔、見たんだけど、ぜんぜんストーリーを、憶えていないんですよ。
ベルイマンが選んだ神学的な?テーマと、オレ自身が今生きている世界の生活感が、あまりにも違い過ぎて、脳に入って来なかったんだと思います。
コメントいただきありがとうございます!(^o^)/
この映画は難しい作品でしたよね。(^_^;
割と...
コメントいただきありがとうございます!(^o^)/
この映画は難しい作品でしたよね。(^_^;
割とえぐいシーンも多かったように思いますし、緊張感をもって観ていたような気がします。
割とヨーロッパ人ならわかる感じなんでしょうかね?