イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」 [Kindle]

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  • 英治出版
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感想・レビュー・書評

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  •  イシューとは問題の本質であり、その問題を適切に見分けることが大切であるというのが本書の主旨というかイシューです。イシューという慣れない言葉に困惑しておりましたが、問題の本質のことです。YouTubeで見た表現なのですが、イシューとはゲームのボスの弱点のようなもの。弱点も何も調べずにただひたすらにボスを剣で叩き続けるか、弱点を見極め、そのポイントを的確に叩くかの違いだというものが私にとってはすごくしっくりきました。
     ありきたりな解決策を必死こいて進めるより、正しい問題定義(正しいイシュー)でそこそこ頑張った方が、会社や世界における貢献度は高い。冷静に考えてみれば当たり前ですよね。


     最近は内田和成さんの『仮説思考』や山梨広一さんの『いい努力』など、様々な筆者のマッキンゼー仕込み思考術を学んできましたが、今あげた2冊と本書の主旨は同一人物が書いているのではというくらい類似していました。

     仮説思考は答えから考えなさい。情報収集は仮説を証明する為のものだ。と言っていますし、いい努力はゴールを定めて、そのゴールに適した努力をしなさい。と言います。本書はイシュー(どの問題を解決するか)を定めて全力で集中しなさい。
     どれも表現の仕方は違えど、そのどれもが
    1. 結論を決めるのに時間をかけて、情報収集にこだわるな。
    2. 思考停止で愚直な努力はするな。
    3. 情報はリアルな一時情報(現場の情報)を重視しろ。
    と非常にシンプルな構造になりました。私の解釈なので間違ってることもあるかもですが、私はこの3つを会社のデスクに貼ってマッキンゼーに近づいてみます。

  • 問題に取り組む前に、その問題って本当に取り組むべき??っていうことを徹底的に考えよということ。
    量をやればいいということに逃げるのではなく、アウトプットや問題提起の質を上げることを考えることを優先するべきということかな。

    質は初めから上がらないから、専門家や精通している人、先輩に「何を取り上げるべきか」聞いて、それがなぜ取り上げるべきなのかを考える。
    また、問題は「本質を捉えていて」「仮説がしっかりと深いいか」「答えが自分の持っている技術などで出すことが可能か」という観点からいい悪いが決められる。
    これらの条件を満たせば、いい問題となりうる。そのような問題をだすために、問題を分けたり、分析したり、構造化することができる。そして、それらの問題が見えたら、どうその問題を扱ってくのか、解決していくのかということをストーリー化していって、抜けがないようにするということ。

    本を一通り読んで、、
    問題提起の質を上げるということは、これっていいのか?ということを考えて、そのあとの行動のサイクルを早く回していくということかなと。シンプルだけれども、結構難しいそう。とりあえずは、、やってみようかな。。

  • 「すべての仕事に意味がある!」主義に待ったをかけ、本当に大切なこと(=イシュー)は何か考えるべきとしている。個人的に同じ思考をしていたため、読み出しは共感とともに自分の感じていた違和感をするするっと言語化されている感じがして心地よかった。

    中盤から後半につれて、イシューを見つけ質の高い解を出すための手法を説明している。あらゆる場面での手法が並べられるので、一度読んだだけでは理解が難しいように感じた。筆者も言うように、実際に経験していくことが重要であろう。

  • 好きな人がかなり多い、安宅さんの本。
    kindle unlimitedにあったので早速読んでみた。

    要は「ロジカルシンキングをしようね」ということで
    目から鱗が落ちる様な目新しい記述はさほど無い。

    表現として面白いなと思ったのは下記。

    「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに「考えるフリ」をすること
    「考える」=「答えが出る」という前提のもとに建設的に考えを組み立てること

  • 問題解決のときに使える考え方が書かれている。こうした知的生産ができるよう鍛練中。何度も読み返して自分のものにしたい。

  • 課題を解決する時にどのような考え方で取り組むべきか、ひとつの方法を教えてくれる本。

    本のメインメッセージのようなものは序盤に凝縮されているような気がしたので後半部分を読むのが多少長く感じた。

    イシューの質をたかくもっていき、質の高いものから優先的にこなしていく。
    この基本コンセプトは本当に重要だなと感じた。
    あとは他でも聞いたことあるようなフレームワークだったり考え方だったりが出ている印象。

    少しくらいはこういった考え方を使えるようになりたい。

  • 企画立案において参考になる切り口が多かった。試していきたい。

  • ビジネス書として繰り返し読み確認したい本の一つ。読み返すと何か気づきあり。

  • コンサル関連のロジカル本で1冊ピックするとしたらこの本。

    まず内容。課題解決の際に要求される頭の使い方が時系列で説明されている。ジョブを終えた後に読み返してみたけど、体験したワーク内容、躓いたポイント、社員からのFB等、この本に書いてあることが全てを包含していて驚いた。要約すると「イケてる仮説を持って物事に取り組み、最大効率で知的生産をしよう」ということを筋道立てて説明している本。

    次に文章の書かれ方。冒頭で説明される全体の章立てから納得感があり、綿密に作られているのが分かる。実際に筆者が展開しようとしている主張全体のうち、どこに自分が今いるのか、一瞬たりとも迷子になることがなかった。当然各章の論理も非常に綺麗に組まれており、抽象度が高く難しい内容であるにも関わらず、ずっと首を縦にふり続けてしまう論理展開が最後まで続くから簡単に分かっ(た気になっ)てしまう。

    最後に自戒。過去にも一度読んだことがあった本だったが、その時は特に自分の中に残るものがなかった。しかし実際にジョブを経験した後に読むと、展開されている主張と実体験が結びつき、最初に読んだ時の100倍以上の気づきがあったため、この差分にかなりショックを受けた。実体験を伴って本当に対象を”理解”できているか。謙虚に向き合った上で、分からないことは自覚をして受け入れるという最低限の賢さを大事にしたい。

  • 大切なのは、後先考えずに量を重視して仕事をこなしていくのではなく、本当にこれが重要な問題なのか、他に目を向けるべき問題はないのかということを第一優先で考えていくことであると読み取った。
    そして、問題を見極めたあとに、解の質を高めていく方向に向かって力を注ぐのが良いということ。

    時間と手間を注いで仕事量を増やすことから生産性をあげようとしていた自分は、作者のいう「犬の道」を歩んでいる人なんだろう。
    脱「犬の道」を歩めるようになっていきたい。

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著者プロフィール

慶應義塾大学 環境情報学部教授。ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)
データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年春、学位取得(Ph.D.)。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。2008年よりヤフー。2012年7月よりCSO(現兼務)。全社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。2016年春より慶応義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。2018年9月より現職。内閣府 総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員、官民研究開発投資拡大プログラム (PRISM) AI技術領域 運営委員、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度検討会 副座長なども務める。著書に『イシューからはじめよ』(英治出版、2010)

「2020年 『シン・ニホン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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