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- / ISBN・EAN: 4988064930104
感想・レビュー・書評
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2012年7月に活動休止してから、約一年後の2013年9月16日、the pillowsは、シングル「ハッピー・バースデー」で活動再開した。
歌詞はこんな感じ。
ハッピーバースデー
思い出したんだ 生きてきたこと
何千回も目を覚ましたんだね 僕ら
ハッピーバースデー
先入観でくすんだ未来図も
塗り替わっていく
明日が今日になって
ハッピーバースデー
「トライアル」から、明らかに心境が変化したことを感じさせる、この曲は、バンド自身の誕生日(9月16日)を祝っているようでもあるし、何が起こったとしても、結果として、今日まで生きてきた歩みという、確かな証めいたものを実感させられたのが、一年に一度、必ず訪れる誕生日であり(「2月29日は?」というツッコミはおいといて)、しかも、それは回数を重ねる毎に、確かな自信を増してくれるようで、心強いメッセージとして感じられた。
ポップ過ぎる曲調こそ気にはなったものの、これは、いよいよピロウズ復活かと思った、その約一年後の2014年10月22日、ニューアルバムの「MOONDUST」は発売された。
何でも、山中さわおさんによると、「ロックンロールをやることにした」宣言があり、更に、ここから第4期ピロウズとなるらしく、あの、「ストレンジカメレオン」や「ハイブリッド・レインボウ」等、他にも数え切れない程の名曲のあった第3期は、前作の「トライアル」がラストだった事になる。
おそらく、心機一転の意味もあったのだろうし、ここからまた、新たな夢や野望といった、確固としたものも抱いていたのだろうし、年を重ねた今現在のありのままのピロウズを出していきたい思いも、きっとあったのだろう。しかし・・
アルバム自体、悪くはないと思うけれど、私には物足りなさを感じて、別にロックンロールでもオルタナロックでも、何をやっても、ピロウズとしての素晴らしさになるのなら、全然構わないと思うし、それは、おそらく聴いた瞬間に心が無意識に感じ取れるような、言葉に出来ない喜びなんだろうと思う。
とするのなら、それが無いのである。
シングルカットされた、「About A Rock’n’Roll Band」にしても、ロックの持つ衝動的な引力から得られた不敵な魅力が、生きていく強さへと変わっていくその思いは共感出来るし、「アネモネ」の、さわおさんには珍しい、ストレートな愛の言葉を連ねた歌詞は、切ないメロディに合っていて、いい曲だと思うのだが・・「トライアル」や「破壊的イノベーション」があまりに良すぎた事があるにしても、今作の場合、内向きのメッセージが多いせいかもしれない。
ただ、それは決して悪いこととは思わず、何故ならば、メンバー全員が一年ぶりに共にバンドをやることを決意した時、まずは、そこでお互いを見つめ直すことから始めて、それを経てから改めて、真の第4期ピロウズの始まりとなるのではないかと思うと、私としては、何はともあれ、バンドとして再び動き出してくれた事に感謝の気持ちを抱いており、それがたまたま、バンド結成25周年と重なってしまっただけなんだと。
だから、私はもう二度とピロウズから離れたいとか思わない。次だよ、次こそはきっと。
それでも、タイトル曲の「ムーンダスト」は、とても好きな曲だと私は感じており、さわおさんが、他のメンバー、Pちゃんとシンちゃんに捧げた曲というのも、改めて、バンド再始動の喜びを噛みしめているようで、胸に迫るものがあるし、この内向きの歌詞については、これまでのピロウズの長い歩みがあるからこそ、パーソナルな内向きで全然構わないのだと思う。
そう、その虹は、ピロウズだけのものでいいんだよ。
だって、その後、さわおさんは、ちゃんと私たちに、それの素晴らしさを教えてくれたのだから。
時を超えて 刻まれるような
物語じゃないのさ
意味はないだろう
意味はないけど
ただ全てが真実で
どこにでもあるような
掛け替えのない世界
やまない雨の中で歌った
ささやかな夢を見て
ふざけ合ったり
支え合ったり
その全てが真実で
初めて見た虹は
僕らだけのモノさ
僕らだけのモノさ
ちなみに曲の最後に『僕らだけのモノさ』を、三回続けて歌っており、それがちょうど、バンドメンバーの数(ハイブリッド・レインボウ発表時点)と一致している点にも、さわおさんがメンバーひとりひとりに対して、心を込めて歌っているようで(もちろんさわおさん自身も含めているところが、また・・・ね)、感動的でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
意外に持ってなかった!レンタル屋より拝借。
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覚えてるか♬火薬の匂い♬が好きです。