- Amazon.co.jp ・電子書籍 (315ページ)
感想・レビュー・書評
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懐かしい感じもする少し湿った和風ホラー。こういう世界観は、坂東 眞砂子のほうが好きだけど、これはこれで良いのでは。若者にウケそうな、とても読みやすい本。
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面白かったけど、ちょっと怖い。ややホラー。
でも、最近の子供達は鬼滅とかで慣れてるから平気かもなー。
私は若干苦手な分野。
しかしこれも異形生物のネーミングが面白い。 -
最近沼っている恒川恒太郎の長編。
本作は夜市に次ぐ第二作というが、これまでは短編しか読んできてなかったため、長編で恒川ワールドを保てるのかと少しドキドキしていた。
穏、我々の世界とも共通が多いけど何かと浮世離れしている世界から物語は入っていく。霧に包まれたような展開。まさに期待していた恒川さんの世界が展開されていた。
前半と後半で色が大きく変化する。ここまでストーリーを変化させてしまうと散漫な印象を抱いてしまいそうだけど、伏線という筋でしっかり繋げている。逆に恒川さんよろしくの1歩引いたような傍観者的な文体にうねりが出ていたと思う。
更に沼りそうだなーと思う本でした。 -
「夜市」に次ぐ第2作にして初の長編も恒川ワールド全開。何と言っても「穏」の世界観がいい。物語のカギとなる〝空棲〟怪異「風わいわい」がユニークで、ネーミングも気に入った。舞台が移る後半、様相は一変し「トバムネキ」vs賢也の最終決戦は呆気なかったが、不気味さと懐かしさが入り混じった、叙情感あふれるダーク・ファンタジーを満喫。
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長編。田舎町でののどかな暮らしを送る子どもたち、しかし子どもは知らされていない伝承や風習、そして恐ろしい雷の季節によって平穏な暮らしが脅かされていく。
作者の描き出す文化、風俗の巧みさが素晴らしい。子どもの目線に立ってみると実際の現実世界もこのように危うく怪しい世界に見えるのではないか。そんな体験を大人になってから出来ることが楽しい。主人公は成長の過程で子どもと大人、現実と非現実、生と死など対立する(しているように見える)世界のあいまいな境界をさ迷い歩きながら視界を広げていく。作者はそうした境界の向こう側にあるものを描くのが上手く、作品世界において見えないもの、聞こえないものが感じ取れるように思えた。
物語としては割とオーソドックスで、度肝を抜かれるような意外な展開は多くないと感じた。その分、飽きることなく物語が進行し、構成の妙もあって最後まで面白かった。 -
良い