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- / ISBN・EAN: 4959241754820
感想・レビュー・書評
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私の愛したこだわり屋で気難し屋で媚びず顧みずな高畑作品が健在だったという喜び!
高畑監督ありがとう、アートアニメーションの世界に居続けてくれて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2013年公開の劇場アニメーション。スタジオジブリ時代になってからの高畑勲はファンタジーを否定し、「宮崎駿」的要素を意地になって消去しているように見受けたが、本作では開き直ったのか、ヒロインの造形や空を飛翔する動きが「昔の宮崎」っぽく、音楽もそれまで避けていた久石譲を起用して、宮崎との差別化を無理に志向していない。故に過去作に比べてエンターテイメントの度合いは高く、実際かぐや姫が月の記憶を取り戻すところまでは楽しめたが、その後の唐突な過去の「罪」のカミングアウトや自己反省の弁がいかにも教条的で説明臭く、またしても悪い癖が出てしまって途端につまらなくなってしまった(「竹取物語」では避けて通れない天皇制に対する批評性も期待したようなものではなかった)。「となりの山田くん」から始まった手書き水彩風の動画・背景技法はいよいよ完成され、「アニメーション」としてはすさまじく手間のかかったことをやっており、表現技術上この方向で本作を超えるものはしばらく(昨今のアニメ界の状況を考えるともしかすると二度と)出てくることはなかろう。
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涙なしでは観られない
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2015.10.19
アニメーションがいうまでもなく素晴らしい。
実存を満足させるという表現が正しいかはわからないけども、実存に拘る人間はめんどうくさい。
人は自然からは既に疎外されているように思う。
自然と一体化する事に実存を求めるのは不幸しかない。
結局塵芥に馴染めない姫は自我の存在しない天上界へお帰りになるのだった。一切の記憶がなくなるあたりがまた憎らしい装置だと思う。
自然への憧れはロマンだと思う(否定的な意味で)。だってそりゃ無理ってもんですよ。 -
金曜ロードショーで。
筋はとにかく絵はすごいと思う。
あの絵がらで顔に個性をもたせて下品にしないって結構難しいのじゃないだろうか。
ひきめかぎばなのふうだと思うもの。 -
金曜ロードShowにて。翁もかぐやを王子様的な人と結びつけるためにがんばってたんだと思うけど、姫の気持ちをぜんぜん分かってあげてないんだよね。そういうわけで、翁が全部悪い。絵はとても好きでよかった。
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はじめは日本昔話のようなゆったりとした古典アニメーションです。
都に行くあたりから沸々と確実に、人間の野心とか、ずるさとか、嫉妬にまみれた泥臭さを優しいタッチの水彩画の画とは反対に、ドロドロと見えてきます。
おだやかな昔読んだ、「かぐや姫」のお話ではなく、あくまでも地球を見つめた大人の為の古典SF。
中盤からの人物の描き方はとても辛辣であり、都の人々の行為はとってもはしたない、みっともなさを描きます。
時代背景が違うのでまるで別世界のお話を観るかのように・・
でも違うんですよね。。
現代も昔も変わらず人はずる賢くておろかな生き物。
(むしろどんどんひどいかも)
そもそもかぐや姫がこの地球に落とされたのは月の世界で罪を犯したからと言われます。
こんな愚かな人々のいる地球で一から人生を過ごすということが月の人たちにとっての刑罰。
この映画で描かれる美しい野山の表現と人間の醜悪さの対比。
地球という星はなによりも美しいのに住む人々が愚かであり、それは何年も変わらないのだという恥ずかしい現実を目の当たりにしたような気になりました。
これは地球の大人のための戒めのバイブル。
高畑勲監督の、こめた静かな怒りや悲しみや諦めのような思いがぶつけられたような作品でした。
ちなみに最後のシーンの、かぐや姫が月へ帰る時に久石譲さんの音楽は素晴らしかったので早速購入したしました。 -
古典の方を原作にしたお話で、ほぼほぼそのまま(たぶん)
誰でも知ってる竹取物語、だけど、こんなツライ話だったんか…と。
とかくおじいさんの暴走っぷりにイライラしたけけど、そもそも地球に下されたことは、かぐや姫にとっての罰だったそうです(映画で読み取るのはちょっと難しいけど、原作はそうゆう記述があるらしい)
月の世界は気品に溢れ、哀しいことはない世界。片や、地球は穢れ、心乱れる世界として、月の都の人には忌避されている。だけど、かぐや姫は地球に憧れ、その罪ゆえに地球に下されるとう罰をくらう。…という話、だそうです。
絵柄はCMの通り、水彩画の柔らかなタッチで進んでいきます。これを大スクリーンで見る意義は…と思いますが、DVDならまあいいか、と(好みもありましょうが。
キャッチコピーたる、姫の犯した罪と罰、てのは先述の通りなんだけど、主題はそこか?って感じなのであまり気にせずに、作品の空気感を感じるままに見て欲しい。サスペンス的展開も、脚色もありませんので。
竹取物語は、都に連れて行かれた女性が、故郷の野山を惜しんで書いたという説もありますが、生きていくこと、しあわせということが、何なのかを考えさせられます。
そして、竹取物語が結構エグい悲しい話なんだと今更知れます。
風立ちぬより名作じゃないかな。 -
幸せってなんだろう。
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