10番街の殺人 [DVD]

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監督 : リチャード・フライシャー 
出演 : リチャード・アッテンボロー  ジョン・ハート 
  • 復刻シネマライブラリー (2013年4月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4547462084545

10番街の殺人 [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 『強迫/ロープ殺人事件』『絞殺魔』と並ぶ、フライシャーによる実録犯罪もの。1949年にロンドンで起こった実際の冤罪「エヴァンス事件」を忠実に再現してみせたのが今作。


    落語で云うところの「長家の御隠居」的な存在だった温和で世話好きな初老の男が「屍姦大好き」のド変態で、そのギャップが事件の異常性を際立たせる。これを演じるのがリチャード・アッテンボロー。これはハマリ役で、ド変態の殺人鬼を演じているのがはまっている。目当ての女を連れ込んで、絞殺するさまは現実的で怖い。衝撃的にキモいチビハゲデブメガネ。『ジュラシック・パーク』での子供のような爺さんのイメージを粉々にぶち壊す、リアルに気持ち悪いド変態殺人鬼を熱演した。「衝撃的にキモい」と書きましたが、一見するとちょっと神経質そうだけど丸くて柔らかそうな普通のおじさんでもあります。しかしひとたびその仮面を脱ぎ去れば、真性のド変態殺人鬼としての本性を「ハァ…ハァ…」させる。一見すると人のよさそうな普通のおじさんであるからこそ、その本性が明らかにされたときのリアルな気持ち悪さ。こういう役にアッテンボローをキャスティングしたフライシャーのセンス。それを受けてリアルなド変態殺人鬼を見事に演じきってみせたアッテンボロー。すばらしい。

    また、騙されたティムを演じた若き日のジョン・ハートの頼りなさも良い。顔はいいけどオツムの足らないヘタレ男ぶりが、痛々しい。彼の性質である虚言癖が最終的に自分自身を追い込むあたり、実話とはいえ映画的おもしろさを実現させている。

    ただ1点、解せないのは、遺体の処理とそのにおいの関係について。あれだけ、遺体を壁の中にぞんざいに遺棄していれば、相当な臭気が漂うと想像されるが、そこは映画的な論理飛躍で無視されている。リアルさに本腰を入れるなら、たとえ事実がそうであったとしても、工夫してよかったのではないか。

    ところで、今作のロケ地は、実際の現場であるリリントンプレイス10番地でロケしている。


    【ストーリー】
    イギリスのさびれた下町リリントン・プレイス10番地。そこの古びたアパートで暮らす元警官のジョン・クリスティ(リチャード・アッテンボロー)。喘息に苦しむ女性を治療と称して自室に連れ込んだ彼の目的は、彼女を殺害する以外にはなかった。

    数年後。彼のアパートに幼子を連れた若夫婦が越してくる。夫のティム(ジョン・ハート)の収入はけっして多くはなく、そんなときに発覚したのが妻ベリル(ジュディ・ギーソン)の第二子妊娠だった。

    そのことで喧嘩の絶えない夫婦のもとに、言葉巧みに近づくクリスティ。彼は警官時代に医療関係にも従事していたと告げ、子供の堕胎を提案する。首尾よく夫妻の了承を得た彼は、手術と称してベリルを眠らせ、犯行に及ぶ。

    主演は役者と監督の二足のわらじで活躍した『ジュラシック・パーク』のリチャード・アッテンボロー。共演は『エイリアン』で腹を喰い破られ、『エレファント・マン』で原型皆無の特殊メイクを施されたことでお馴染みのジョン・ハート。

    1971年/イギリス/111分 監督:リチャード・フライシャー 原作:ルドヴィック・ケネディ 脚本:クライヴ・エクストン 撮影:デニス・クープ 音楽:ジョン・ダンクワース 出演:リチャード・アッテンボロー/ジョン・ハート/ジュディ・ギーソン/パット・ヘイウッド

  • 以前、同監督の『絞殺魔』を観たけれど、こちらの方が好み。派手なシーンやショッキングな殺害シーンもほとんどないけれど、一見人当たりが良さそうで狡猾でありながら大胆であり、杜撰なところもある典型的なシリアルキラー像をリチャード・アッテンボローが不気味でリアルに演じている。更に濡れ衣を着せられる被害者の夫役のジョン・ハートもいい。頭が弱そうで嘘吐きで自信なさげな哀れな男をこちらもリアルに演じている。
    実際の事件を扱いながら再現ドラマで終わらず、かといって過度の演出をするわけでもない、バランスのいい映画だと思う。

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