「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか? (角川新書) [Kindle]

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著者 : 猪熊弘子
  • KADOKAWA / 角川マガジンズ (2014年9月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (125ページ)

「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか? (角川新書)の感想・レビュー・書評

  • 待機児童問題をどう捉えたらいいのか知りたくて読んでみた。保育施設の種類の多さや国や自治体からの援助の仕組みの複雑さ、待機児童の数え方の曖昧さ。以前調べた児童扶養手当の算定法と同様に複雑。小泉改革が影を落としてるという指摘に膝を打った

  •  副題が示す通り、「少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか」というのがテーマになっている。
    そもそも待機児童とは何か。2013年4月横浜で待機児童がゼロになったとされたが、実は希望通りの保育園に入れなかった子どもは1746人いた。希望の園でなくても、とりあえずなんらかの形で保育が確保されている場合待機児童に含めない、など、そのカラクリが説明されている。その「とりあえず」が「こんなところで子どもを保育するの?」と思うようなところであったとしてもだ。そして待機児童の「受け皿」を作るための規制緩和。これがクセものだ。現在、保育士配置基準は0歳児3人に対し1人だが、「これを緩和して1人で5人まで見られるようにすればいいのでは」という発言を聞いた時は私も唖然とした。
     本書では面積基準緩和に関する実証実験に著者が立ち会った時のことが紹介されている。同じ面積のところに子どもの数が増えていった時どうなるか。子どもの数が増えると落ち着かなくなる子どもーこれは私も実感としてわかる。うちの保育園では2歳児7人に保育士1人という基準で、1クラスは最大14人の子どもが入れるように設計されている。しかし、現在、保育士不足もあってうちのクラスを私が一人で担任可能な7人におさえている。その結果、子ども達どおしの関わりは深くなり、よく遊んでいる。もちろん子ども達の性格によるところも大きいけれど、保育士一人あたりの子どもの人数とか、子ども一人あたりの面積とか、そういうことがおろそかにされてしまう(簡単に基準が緩和されてしまう)ことがどういうことなのか、保育に直接かかわったことのない人には実感できないのだ。
     
     ただ、希望する人すべてが保育を利用できるような状態にする…のはむずかしいことだとは思う。
     本書でも「親の便利は子の不便」ということが言われているが、保育を利用したいのは親であり、子どもは必ずしもそう思っていない。
     0歳の子どもをどこで誰が育てるのがベストなのか。もし子ども自身が選べるのだとすればどんな選択をするだろうか。「小学校に入れない子どもはいないのに、なぜ保育所に入れない子どもがいるのか」という、本書で最初に提示されている問いには、「低年齢の子どもにとって保育所が必ずしも必要なものと考えられていないから」ではないかと思う。子どもが教育を受ける権利は保障されなければならないが、子どもが保育園で保育される権利というのは…どうなんだろう、と思ってしまう。「保育園を利用する権利」は子どもにあるのか親にあるのか。
     私自身は、多様な保育があっていいのでは、と思う。信頼できる友人や個人に自分の子どもを見てもらう(有料で)、などのことはありだと思う。こんなことを言うと「保育士の専門性を軽視している」と言われそうだが、保育士の資格試験で身につけた知識よりも、実際の子どもとの関わりで学んだことや他の保育士さんの実践から学んだことのほうが現場で役にたっていると感じる。ただ、保育事故の問題はある。信頼できる人を見つけるのはそれほど簡単ではない…

     本書で一つ気になったこと。
    1歳7か月の子どもの死亡事故に関して認可外保育施設指導監督基準で「赤ちゃんを寝かせる際にはあおむけで寝かせるように定められているのに、この子がうつぶせ寝の状態だったことについて「指導基準違反」と書かれていたこと。基準には「乳児を寝かせる場合には、仰向けに寝かせること」という記載がある。乳児とは1歳未満の子どもであると考えられるので、この場合は基準違反ではない。うつぶせにしてバスタオルや布団をかけて放置した、という対応には問題があると思うが、うちの保育園でも1歳以上の子どもはうつぶせ寝にするので気になった。また、乳児に関しても、自力でうつぶせになる子に関してはそれをわざわざ仰向けに戻すこ... 続きを読む

  • 待機児童が生まれる原因など、ジャーナリストが書いた本。
    まったく知らない世界だったので、類書やら他の情報をあたる必要があるけど、驚いたことばかり。

    待機児童の定義は、自治体によって違うそうで。
    だから、自治体間での子育て支援の状況は、単純には比較できないということに。

    しかも、この定義には、新定義と旧定義があって、より実態に近かったのが旧定義。

    自分が住んでいる自治体は、どういった定義を採用しているのか確認しないとね。
    うちは、預ける予定はないけれど。

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