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- / ISBN・EAN: 4988013119284
感想・レビュー・書評
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4.0
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青春時代の恋を描いた作品を観ることは少ない。特に理由はないが、強いて言えば、男子校出身である自分には無縁の話であるし、今後起こり得ることの疑似体験には成り得ないからだろう。それでも観たのは、ホウ監督の作品を立て続けに観賞していたからに過ぎない。
特に期待してはなかったが、思ったより良かった。ベタなハッピーエンドで終わらず、リアリティを感じられたのが理由だが、個々のシーンでもいくつか心に残ったものもあった。一つ目は、ホームでの別れのシーン。徴兵に行く主人公を前に涙しそうなヒロインが何も言わず走って立ち去る。後ろを振り返ることもなく。二つ目は、主人公がバイクを盗もうとするところをヒロインが繰り返し指摘するシーン。その指摘は、どこか儚く悲しげで、道徳や倫理的な指摘というより、好きな人にそんなことをして欲しくないという訴えだった。
作品を通じて、一度も相手に想いを言葉で伝えるシーンは描かれていない。言動でなく行動で、しかも思わずとってしまった行動で、これほどまでに相手への想いをうまく描写した作品はそうないだろう。世の中という壁が立ちはだかり、残念ながら二人は結ばれない。行動を通じて気持ちを伝えていたのはヒロインだったが、別れを知り悲しみにくれた姿が描かれていたのは主人公のみ。彼女も同じ想いだったろうが、主人公だけに焦点をあててくれたおかげか同性として感情移入しやすかった。 -
あいかわらず、飽きさせない演出。電車がトンネルから出たり入ったりするシーンが良かった。