本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (219ページ)
感想・レビュー・書評
-
再読。張り巡らされた伏線という性質ではないがさり気ない伏線と明かされる答え、それに纏わる重苦しい事情に子供たちのひと夏の逃避行の眩さと突きつけられてしまう暗い現実の明暗のよる対比。それを内包しながらも未来への展望へと繋げた颯爽とした余韻を残しつつ綴じる。コンパクトにまとまっておりそれ故に何度読み直しても手堅い読み応えがある作品だなと改めて思いました。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
非常に良い。
かなり余韻のある読後感。
シビアな現実を前に「どうしたら良い」と苦悶しながら理想の姿を夢見る子供たちの切なさがある。
自分たちが無力であるがゆえに逃げられないことを知っている。
彼らの起こすせめてもの抵抗に心揺さぶられる作品だった。
子供っぽさもありながら割りとしっかりしてる主人公のなつる君が「なんかおちつくんだもん」とか言いながらお母さんのおっぱいもんでるのが実はかなり良い設定かもしれない…
不真面目な父の帰りを一心に信じ続けた理生も、おっぱいを揉むなつる君も結局のところ不安なときには親の存在を必要として、ちょっと甘えたかったんだろうと思う。
ラストシーンでタイトル回帰を予期させるような終わり方がまたなんとも言えず…彼らの幸せを願うばかりです。