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- / ISBN・EAN: 4988113831024
感想・レビュー・書評
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映画史上最も美しい傑作。
しかし、パッケージの文章が気に入らない。まず、この映画は官能映画ではない。エロティシズムばかりに強調されて、まるでくだらないポルノのような宣伝文句。この映画は性描写がメインではない事は間違えなく言える。では、何を描いているか。それは、フランスという社会構造を主人公のアデルを通して描いており、例えば日常会話では実存主義の話をしたり、ドラクロワの話をしたりなどフランスでは食事の時ある程度博学を見せつけないと生きていけない。そういう事を言いたい映画なのに2人の女性の禁断の愛だけが謳い文句になり、結果的に作品の質を落としているようにも感じる。
非常に残念だ・・・。
この映画を観るに当たってルキノ・ヴィスコンティの『家族の肖像』、ウラジミール・メニショフの『モスクワは涙を信じない』、G.W.パズフトの『パンドラの箱』の事を知ってから観るとより楽しめると思う。
とにかく、みんなに観てもらいたい。何度も言うがこれは傑作。この映画は21世紀の主な出来事の一つとして百科事典などにも載ってほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レズAV
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主演のレア・セドゥとアデル・エグザルポプロスが2度とこの監督の映画に出たくないと言ったほどにハードで監督の狂気に満ちた作品に仕上がっている作品です。
おそらく好き嫌いがはっきり分かれる映画でしょう。
同性愛の恋愛ということではなく、会話に哲学を織り交ぜたいかにもフランスらしい映画という意味で。
ちなみにわたしはどっぷりとはまりました。
「ラマン(愛人)」や「ベティーブルー」を観たときに近い衝撃といっていいでしょう。
なんでフランス人はこんな風なひたむきで純粋な愛を官能的に描けるのかと嫉妬心すら覚えます。
この映画の魅力はアデルとエマの愛の形は同性愛という形で綴られてはいますが、そういったマイノリティーとしての枠ではなくごく自然に違和感無く普通の恋愛映画としてしかみえない事にあると思います。
会話の自然さ。アデルの視線や表情を中心としたカメラアングルで、いつのまにかぐいぐいと彼女達の中に引き込まれました。
会話でのシーンのほとんどが顔のアップで、そのせいでおそらく本当に細かい演技を余儀なくされたのだろうと推測できるほどに指先や目線の動きなど、非常に繊細な演出でこの映画を作り上げていったように感じました。
「愛」だけをテーマに映画を描かれた作品でこんなにまっすぐな愛の形を見せられて感動したのは久しぶりでした。
本当に観てよかった。
ちなみにこのレア・セドゥはこの映画ではとってもハンサムですが、他の映画では目を見張るほど美しく女性らしいかなり注目の女優です。 -
主人公のアデルが同性愛に目覚め、成長していく話。
兎に角、演技が素晴らしい。
切り取り方、演出、その他にも素晴らしい点はある中、役者の力を引き出した監督と恐ろしくリアルなアデルの芝居がすごいとしか言いようがない。