弥勒戦争 (角川文庫) [Kindle]

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  • 難解な作品。
    朝鮮戦争当時のGHQに管理されていた日本を舞台にして、本来、衆生を救済するはずの弥勒の役割に別の意味を与え、特殊な能力を持った独覚たちが世の中のために弥勒と戦うという設定は、凡人には思いつかない奇想であり、すばらしいアイデアだと感じる。しかし、独覚が滅びの定めにある理由がよく理解できなかった。
    「人間の脳が完全だとしたら、己の生に意味があるのかと考えたり、人類が絶滅してしまうほどの爆弾を抱えるような真似をしたりすることもないだろう」、「天敵のいなくなった人間には、大量殺戮者がどうしても必要だったんだ。さもないと、人類そのものが滅んでしまう」など、面白い発言が随所に見られた。
    弥勒の正体、弥勒が誕生するきっかけ、広島の原爆スラムでの会見の意味など、よく考えられていると感心した。

著者プロフィール

1950年生まれ。74年『神狩り』でデビュー。『地球・精神分析記録』『宝石泥棒』などで星雲賞、『最後の敵』で日本SF大賞、『ミステリ・オペラ』で本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞を受賞。SF、本格ミステリ、時代小説など、多ジャンルで活躍。

「2023年 『山田正紀・超絶ミステリコレクション#7 神曲法廷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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