新潮 2014年 11月号 [雑誌]

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  • 新潮社 (2014年10月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910049011140

新潮 2014年 11月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

  • 新潮新人賞受賞、芥川賞候補に上がった『指の骨』を目当てに読んだ。
    あまり他に気になるものがなかったので『指の骨』について。
    宣伝として作中を引用した文『これは戦争なのだ、呟きながら歩いた。これも戦争なのだ。』から、『となり町戦争』『世界泥棒』のような見えない戦争(いわゆる物理的撃ち合いとは違う定義の戦争)が今も起きているのだ的な話かな、とちょっと残念に思いつつ読み始めると、予想と違い現実の戦争の話だった。
    選考委員が絶賛するとおり新人とは思えない文章力。田中慎弥さんなんかもデビュー作で出来上がっている感があったけどそんな感じ。だからこそのデビュー作にして芥川賞候補ですね。
    ただ、純文学雑誌でのデビューにしては純文学的な哲学は薄い。この文章力と知らない世界を見せてくれる目新しさによる新人賞受賞かなあ。戦争文学ではないように思えるし純文学的でも大衆文学的でもない、よく言えば中立的悪く言えば中途半端な作品に思えた。
    結びの後には参考文献がずらっと並ぶ。この人が書く現代社会の日常がちょっと想像できないので、次回作も調べて書くスタイルをとるのかもしれない。山崎豊子さんのような大衆小説も書けそうだ。
    そして同じロックミュージシャンの町田康さんとはまったく違う個性です。完全に私的好みだけど、町田さんのほうが好きだ。

  • 新人賞受賞作「指の骨」について。
     
    果たしてこれは「戦争文学」なのだろうか?
    戦争を描いたら戦争文学となるのだろうか?
    戦争文学の定義は一体何であろうか?
    先日の芥川賞選考会では、この「戦争」というテーマ性で、評価が真っ二つに別れたという。曰く「戦争を描くならそこに意味・意義を持たせなくてはいけない」とのこと。結果、受賞を逃すこととなる。
    しかし、そもそものところで、本当にこれは「いわゆる戦争文学」なのであろうか?そんな疑問がつきまとう。
    作者は戦争を描きたかったのであろうか?
    各所に散りばめられたメタフィクションの臭いが、疑問を喚起していく。
    ところどころに表れる「いかにも現代っぽい」表記。そこは作者の稚拙さなのだろうか。もしそれが「わざと」だとしたら。 
    文章の巧さ、描写力の高さ、そこに取り込まれすぎてはいないだろうか?

    インタビュー等、全て真実を語っているとは限らない。インタビュー、参考文献含め、実は全て作者の手の内なのだとしたら…。

  • 芥川賞候補作の高橋弘希著「指の骨」読む。
    南方の島で追いつめられる日本兵の物語。確かに若い世代の書き手はめずらしいが、いっきに読めた。

  • ◆第46回新潮新人賞発表◆
    【受賞作】指の骨/高橋弘希
    太平洋戦争屈指の激戦地となった南洋の島で兵士は何を体験したのか。圧倒的リアリティで選考委員を驚愕させた新世紀戦争文学。

    【インタビュー】なぜ「戦争」なのか
    【選評】川上未映子 桐野夏生 中村文則 福田和也 星野智幸

    夢魔去りぬ/西村賢太
    心のレタリング/青木淳悟
    亀が泳ぐ/玄 月
    海賊のうた/いしいしんじ
    21世紀の小説家が海賊になった? 現在・現実を鮮やかに変容させるマジカルな想像力!

    ■■ 連載小説 ■■
    ペインレス(四)/天童荒太
    薄情(五)/絲山秋子
    長流の畔(五)/宮本 輝
    名誉と恍惚(六)/松浦寿輝
    女たち三百人の裏切りの書(七)/古川日出男
    繭(八)/青山七恵
    電車道(十)/磯崎憲一郎

    第13回《小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞》発表
    第47回《新潮新人賞》応募規定

    ◆第22回萩原朔太郎賞発表◆
    【受賞作】隣人のいない部屋/三角みづ紀
    【選評】岡井 隆 高橋源一郎 平田俊子 松浦寿輝 吉増剛造

    東浩紀論――楽しむべき批評/杉田俊介
    その思想家を貫く「希望」とは。最新の試みから起源へと遡行し、東哲学の可能性を開く。

    丸谷才一の顔を避けて/垂水千恵
    ――『裏声で歌へ君が代』試論

    ■ 追悼・稲葉真弓 ■
    命のひみつとともに/津島佑子

    石川啄木[第六回]/ドナルド・キーン  角地幸男・訳
    小林秀雄[第十六回]/大澤信亮
    島尾ミホ伝 『死の棘』の謎[第二十回]/梯 久美子
    地上に星座をつくる/石川直樹
     第二十六回・沖縄のワークショップ写真学校
    見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
     第一二三回・ロン貼ドン

    ■新潮
    ・ゾーンにて/亀山郁夫
    ・余白/華 雪
    ・音の手触り/小野寺弘滋

    ■本
    ・津村記久子『エヴリシング・フロウズ』/倉本さおり
    ・長谷川郁夫『吉田健一』/柴田光滋
    ・山城むつみ『小林秀雄とその戦争の時 『ドストエフスキイの文学』の空白』/前田英樹
    ・戌井昭人『どろにやいと』/宮沢章夫

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