ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか [Kindle]

  • NHK出版
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感想・レビュー・書評

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  • 瀧本さんの関係から、この本に到達。
    正直それほど期待はしていなかったが、予想以上に良い。
    単なるスタートアップ礼賛ではなく、成功した起業家の他との違い、特に市場のとらえ方、企業のタイミングなどの点は、ぼんやりと考えていただではわからない点だった。また、「モノづくりオタク」で終わってはいけない、営業を軽視するなというメッセージも腑に落ちた。

  • 冒頭で述べられているように、近年、コンピュータサイエンスおよび通信技術が驚異的に発展したが、それのテクノロジーは相対的にはそれほど発展していないかもしれない。また、生活も、コンピュータサイエンスの発展ほど、劇的に変わっていないかもしれない。
    スマホの窓の中では、驚異的な発展があり、technological singularityを真剣に検討しなければならくなっているが、それが現実世界においてどれほどの変化をもたらしたかは、まだあいまいだ。
    私は、ソフトウェア技術を生業としてきたが、技術そのものはもちろん、その発展を実際の生活においても役立てられるような社会変化をもたらすにはどうすればいいのか?という関心がある。

    ニーチェは、狂気の定義の難しさ、いな、もっと言えば定義不可能性を示してくれた。狂気とは、道徳と同様に、社会通念、マジョリティーからのお下がりでなされる定義であり、何かの定義から演繹的に判断できるものではない。
    これはバブルも同じだ。株価バブルも、バズワード、流行も、それが「狂気」や「一過性のブーム」なのか、あるいは「ターニングポイント」だったのかは、後置的である。すなわちそうなるようにするほかない。

    曖昧な悲観主義は自己予言的、曖昧な楽観主義は自己矛盾的。アメリカのシリコンバレーでさえ、計画より、リーンスタートアップというダーウィン主義がはびこっている。リーンであることは手段であり、目的ではない。闇雲にやって成功したものを選べばいいという、最悪なダーウィン主義ではなく、

  • このくだりを読むだけで本書の価値はまぎれもない。「アメリカ人は競争を崇拝し、競争のおかげで社会主義国と違って自分たちは配給の列に並ばずにすむのだと思っている。でも実際には、資本主義と競争は対極にある。資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消滅する。だから起業家ならこう肝に銘じるべきだ。永続的な価値を創造してそれを取り込むためには、差別化のないコモディティ・ビジネスを行なってはならない」

  • ※2021.9.16購入@amazon、kindle版
     2023.1.6読書開始

  • 車の中で聴くオーディオブック5冊目は、2015年ビジネス書大賞『ゼロ・トゥ・ワン』。
    これが書かれた当時は、著者ピーター・ティールはペイパルの共同創業者で、フェースブック初の外部投資家で…あたりが枕詞だったと思うが、今や時の人。シリコンバレー界隈にあってただ一人、当初からトランプを推し、政権移行チームにも加わった。彼がトランプを推したことについてはここでは取り上げないが、(民主党の)大きな政府に反対であることは、本書からも伝わってくる。
    ところで、本書のタイトルになっている0から1を生み出すという発想、ワタシには既視感があった。意外に思われるかもしれないが、それは少し前に本書同様オーディオブックで聴いた『仕事は楽しいかね?』だ。同書の中では、リーバイスなど現存する企業の創業の経緯などを具体的にいくつも挙げているが、これらは0を1にしたケーススタディと言っていいだろう。創業者が自身の頭で考え、気づきを得て、それを形にして世に出す。ティールが指摘するのは、いわゆる世間の常識に拘ったり流されたりするのではなく、自分の頭で考えることの重要性だ。だからこそ、本書ではのっけから「賛成する人がほとんどいない真実は何か?」と問いかける。
    実際のところ、ティールは自身で考えに考えている。本書がすっきり明快に感じられるのが何よりもその証左だ。常識から持ってきた発想や言葉ではなく、初めから終わりまですべて自分の考えに基づいている。そんな本書が送り出すメッセージは、常識を疑え、ということだ。世の中を変えるようなものは、常識からは決して生まれてこないことを彼は強調する。
    こう書くと、世の中を変えたいなどと思っていない人には本書は響かないのか、というツッコミがありそうだが、さにあらず。世の中を変えることはできなくても、自分を変えることはできる。そのためのヒントが本書には散りばめられている。それはちょうど『仕事は楽しいかね?』の中で繰り返し指摘されていた「明日は今日とは違う自分になる」に通じるものだ。
    『<インターネット>の次に来るもの』を読んでいる時に本書を意識し、本書を読んでいる時に『仕事は楽しいかね?』を意識した。続けて読んだ3冊が、ワタシの中で奇妙につながった。

  • アメリカのスタートアップに関する本だった。やっぱりグローバル化によるただのコピーではなく新たな価値を生み出さないと何も意味がないし、かなり難しいと感じた。起業しているもしくは、起業をこれからする人に適している。タイミングを見てまた読み返したい。

  • ペイパルマフィアのドン、ピーター・ティールの著書。瀧本哲史氏が解説を掲載。競争を避ける、ポジショニングの思考が参考になった。スタートアップならではの思想や発想はあまり印象に残らなかった。いずれ読み返したい

  • 革新をもたらすための長期視野の重要性を解きつつ、
    近年のリーン思考だけでは革新はもたらせない。

  • 世界最高のオンライン決済システムPayPalを創り出し、ベンチャーキャピタリストとしてfacebookや、世界最大口コミサイトであるイェルプの投資に成功している、ピーター・ティールの大名著。

    シリコンバレー系の本には珍しく、マーケティングにおいて、セールス(=営業力)の重要性を言及している珍しい本でもあります。

    プロダクトがいかに優れていようとも、セールスができなければ成長するわけがない、ということが随所に書かれいます。リーンスタートアップも否定していて、初動後は大リスクをとっても爆発的な成長を目指すべきだということも書かれています。

  • 1.小さな差別化ではなく大胆に賭ける(vs改善の積み重ね)
    2.出来の悪い計画でも無いよりはまし(vsリーンスタートアップ)
    3.既存市場での競争はNG (vsライバルの改良)
    4.販売はプロダクトと同じくらいの大切(vs良い製品なら必ず売れる)

    本書のほとんどはティール氏のエッセイみたいで、そこまで棍を詰めて読むものでもなかったかな。

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