鹿の王(上下合本版) (角川書店単行本) [Kindle]

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著者 : 上橋菜穂子
  • KADOKAWA / 角川書店 (2014年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (735ページ)

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鹿の王(上下合本版) (角川書店単行本)の感想・レビュー・書評

  • 日本医師会推薦の小説とのことで一読。
    モンゴルに征服された辺境の地をモデルに、狩猟生活を送っていた一団のリーダーを主人公としたしたファンタジー小説。

    もう一人、主人公並みに活躍する人物がおり、こちらは病は運命だとして受容しようという文化と戦い近代的な医療を構築しようとする、このへんが医師会推薦の根拠なのだろう。家族性アルツハイマー病のモデルマウスを作って治療法を開発していたり、感染症に対してワクチンや免疫療法を編み出そうとしている。

    ファンタジー小説としては普通?ストーリーとしては一本道で予定通りに進んでいくような印象だった。

  • 捕虜になっていた欠け角のヴァンが、ひょんなことから新たな家族を見出し、皆を守るために自らが犠牲になって皆を守ろうとする物語。
    疫病との闘いと支配する側、される側の葛藤。
    さらにいろいろな人々の思惑が絡んだ長編小説。
    登場人物は多いものの一人一人の個性がわかりやすく描かれていて、混乱することもなく、読み切れた。
    最後のところは、後日談的な部分があっても良かったのかなと思う。
    タイトルを見たときと、読み終わったときの「鹿の王」の受け取り方がだいぶ違っていたことが、意外な感じがする。作者の意図にはまった感じ。
    何はともあれ、面白かった。

  • いずれKindle版を買うつもりやからこのバージョンを登録。
    (でもまだ高いし買ってません)
    現時点では図書館で分厚い単行本を借りて読了^^;

    あらすじとしては↓こんな感じ。
    ある場所で狼のような動物に噛まれた人々が数日後に壮絶な死を遂げる。
    ただ一人死ななかった男は、竃にかくまわれて同じように死ななかった子供を見つけ、その子と共に脱出する。
    一方、この大量死が伝染病によるものと診断した医師は予防法を探すべく、病の原因をつきとめようと動く。
    やがてこの二人の主人公の進む道が重なり、さまざまな事実が明らかになっていく。

    冒頭に事件が起こり、それに巻き込まれた主人公が苦難を乗り越えながら真相を明らかにしていく。
    そういう話の流れは「獣の奏者」に似ている。
    テーマも自然とか生命とか、そういう壮大なものと政治とか争いとか人間くさいものが絡み合った感じで、やっぱり似ている。
    なのでガーッと入り込んで読めた。
    病気を中心に話が進んで行くからか「獣の奏者」よりも暗い感じがするし、終盤真相が明らかになる過程がちょっと駆け足過ぎる気もする(伏線が回収されて話が繋がるテンポが速いから仕方ないけど)。
    そんな調子でガーッと走らせておいてラストがまたなんとも尻切れトンボな感じなのが残念かな~・・・
    「えっそれで終わり!??」みたいな。
    もしかして、だから「還って行く者」なんてサブタイトルが下巻についてたんかしらん。
    とにかく長々と読んだわりには消化不良気味。
    まあおもしろかったし、もう一度読み返してみたい気もするのでやっぱり値段が落ち着いたらKindle版買うかな。

  •  凄くいいです。読み終わるのが勿体ない位でした。この感じは久し振りです。読んでいて位本当に楽しかった。ヴァンと一緒にあちこち旅をした気分です。
     この国の事情に慣れるまではちょっと混乱しますが、それ以上に登場人物が魅力的で、それぞれに感情移入できます。

  • 2015年本屋大賞受賞作。上橋さんの本は初めて読んだけれど、ぐいぐい世界観に引き込まれてあっという間に上下巻読了。
    ファンタジーなのだけれど、描かれている民族問題・宗教観・医療問題・動物との共生など、様々なテーマはファンタジー過ぎず、今私達が生きているこの世界でも起き得ること。欧米のファンタジーだとどうしてもキリスト教的価値観と翻訳で完璧な感情移入が難しいけれど、日本人の著者の本はすっと入ってきた。上橋さんは文化人類学者でもあり、親戚の方に医療監修もして頂いたそうなので、なおさら読んでいて納得感。
    複雑に絡み合った思惑と諍いの中で、ユナのかわいらしさが救いなのだと思う。

    「オタワル人は、この世に勝ち負けはないと思っているのよ。食われるのであれば、巧く食われれば良い。食われた物が、食った者の身体となるのだから」
    民族が生き残っていくための真の強さを考えさせられた。

  • 医療に焦点を当てたファンタジーというものを読んだことがなかったので、新鮮な気持ちで最後まで一気読みしました。

    少し風呂敷を広げすぎて、後半駆け足気味になっている感じはあります。

  • 大作だけれど、言うほどおもしろくない。世界はあるけれど、文章がない、そんな感じ。

  • うーん。獣の奏者が名作すぎて。

    何だろう、登場人物が大人の対応をしすぎるからかな。胸が苦しくなるほど感情を揺さぶられることがなかった。

  • 名前が覚えにくい。
    話も、まあ普通かなぁ。

    世界観を広げているようで、個々に親しみが持てず、入り込めない感じ。

    それぞれの国のエピソードをもう少し深く話してもよかったのかなぁ。あと、登場人物に魅力が足りないかな…

  • とてもよいファンタジーだった。
    国家共生や異民族衝突、疫病問題なんかを描いているけど特によいのが生き物。
    鹿や狼はもちろん、地衣類やウイルスにいたるまで様々な生命が複雑に関係しあって存在していることを教えてくれる。
    ネーミングも秀逸。
    これらが非常に分かりやすく読みやすく書かれていて気持ちいい。

  • 圧倒的です。
    緻密な世界観のファンタジーでいて、かつ、高い説得力。
    それでいて飽きないスリリングな展開と魅力的なキャラクター。
    とてもよかったです。

  • この著者の作品は、なんとなく完全に世界観に浸りきることができないのだが、読了後の余韻が残って何ともいえない感傷的な気分になる。

    一部で始まった病気から国家レベルの話に展開するところは、単純にすごいと思った。
    最初から「これは世界に関わります」みたいな最近のラノベ風潮に浸かっていたので、久しぶり感を得た。

    征服された領土というのは、日本で育った身としては生活の中で実感として感じることが少ないので、全部話の中、という感じがすると改めて思った。

    最後がやはり、予想はしていたけれども、という展開になったが、希望のありそうな終わり方になって良かった。
    ユナちゃんのイラストが思いのほか可愛かったw

  • 緻密な描写と素晴らしい物語。いい親子だった

  • 「鹿の王」(上橋菜穂子)電子書籍版を読んだ。抑え気味の語り口で淡々と物語が進んでいく感じ。物語世界の緻密な構成に驚いた。読了後、じわーっと静かに静かに沁み込んできます。深い森の静謐さが救いか。

  • やっぱり骨太なファンタジー。
    今回の相手は奇病。
    組織の中外で蠢く人間模様も。
    テーマをズバッと書いてあるので、ある意味分かり易い。

  • 久々の上橋ワールドは期待に違わず今作でも、奴隷の話あり、植民地支配がもたらすあれこれの問題あり、人種差別の問題もあり、医学もあり、異なる宗教観もあり、生態系の問題までもを含む、多すぎるぐらいの要素がぶちこまれたごたまぜ物語でありながらも、それが逆にリアリティを感じさせるという素晴らしい物語世界を披露してくれました。  先月は体調不良もあって読書が進まなかったという面もあったけれど、実はこの作品を「2度読み」してじっくりと味わっていたため冊数が進まなかったという面もあったことをまずは告白しておきたいと思います。

    Review の冒頭でいきなり「著者あとがき」に触れるのもなんだけど、そのあとがき冒頭で上橋さんが仰る

    自分の身体ほど、わからないものはない・・・・・。
      ここ数年、老父母と、更年期に達した自分の身体の不調にふりまわされているのですが、50の坂を越えれば、若い頃と違って、「下り坂をくだる速度を抑える」ことはできても、「ぐんぐんと上り坂に向かう」ことはないという、人の身体の容赦ない真実を感じる度に、いま、自分の身体の中でどんなことが起きているのだろうと、思うようになりました。
    というのはまさに KiKi の皮膚感覚です。 (何せ上橋さんとは同世代 ← それが嬉しくもあり彼女との差に落ち込むこともあり 苦笑)  祖母が認知症だったので自分が同じ道を辿らないようにと彼女なりの努力をしていたにも関わらず結局同じ病に罹患し、今では KiKi が自分の娘であることさえ忘れてしまったばぁば。  ばぁばよりも遥かに年長でありながら未だに頭だけはしっかりしているじぃじ。  認知症に罹患したといえどもそれを除けば健康そのもので今ではほんの1年前に大腿骨を骨折したことを全く感じさせないばぁば。  頭だけはしっかりしているのに、狭心症を患い足元が覚束なくなっているじぃじ。  

    認知症が加齢とともに発生する病でありながらも罹患する者としない者を両親に持つ KiKi が日々感じている 「なぜ、ばぁばだけが・・・・?(世の中には数多くいるとは言えども)」という想いは、この物語の主人公であるヴァンや物語世界で猛威をふるう黒狼病に耐性のない人々が共通して抱える大きな疑問であるだけに身につまされます。  

    と同時に、今、現実社会では猛威をふるいはじめた「エボラ出血熱」のニュース報道が流されない日はなく、そのニュースで印象が薄れつつあるシリアでの「生物兵器使用疑惑」な~んていう話もこの物語で描かれる様々な出来事と何気にリンクして思い起こされ、ついつい現実世界を引き寄せながら「読まされてしまう」物語だったと感じます。

    そして、病の発生ではその治療の妨げの1つとなるものに「異文化の壁」があるというのも現実世界を映しだしていると感じます。  今回のエボラ熱の発生中心地である西アフリカでは先進国の医療支援チームが現地に入ったばかりの頃には、「あの西洋人の医者の所に行くと殺されてしまう」というような噂が現地の人の間に広がり治療の妨げになったと聞きますし、彼らの埋葬文化が拡大の一因とも考えられるらしいのですが、それを一概に否定することができないのが予防の妨げになっているとか、とか、とか・・・・。  

    この物語では「黒狼病」が征服民である東乎瑠〈ツォル〉の民のみ耐性がないということで、その東乎瑠〈ツォル〉の属領とならざるをえなかったアカファ王国の「呪い」であると噂され、それがさまざまな憶測や陰謀の火種となっていくうえに、宗教観の違いにより治療がままならない様子も描かれています。  そしてその背景には東乎瑠〈ツォル〉帝国から送り込まれた入植者たちによって伝統文化を踏みにじられた民族の存在があり、その入植者が持ち込んだ農産物や家畜により生態系が崩れて... 続きを読む

  • 血のつながりや種族の絆が絡み合う複雑な物語。人は正しいことだけを選んで生きられない。
    生の意味を考えながら私たちは何故生きるのか、本能に従う生き物は何故生きるのか。上橋さんの作品の根底をずっと流れているそんな根源的な疑問をここでも感じる。
    家族を亡くしたもの同士が寄り添い、新しい絆を結んでいくところがとてもよかった。生きることは自分の遺伝子を残すとかいう利己的なものじゃないのよきっと。といいつつ血族との縁にもひきずられる揺らぎもまた人間らしいと思ってしまうんだけど。

    電子版だけのカラーキャライラスト3ページがとても豪華。

  • 待望の新作。これだけ早く読めたのは角川セールのおかげ。
    世界観的に、どうしても「獣の奏者」と比べてしまいがちだけど、上橋さんの世界だなあ、ということで、自分としては違和感を覚えずに読み進めたよ。
    自然と科学と進化と政治。人間の住む世界は、なんと入り組んでいることか。でも本質は?本当にこだわるべきところは何か?について、上橋さんの主張は一貫しているように思う。ただ、ああ、こういうことなんだ、と思って進んでいくと、実は私なんぞが思い当たるレベルより、はるかに奥深いものを一つ一つ提示されていくようで、読むほどに感嘆するばかり。
    「鹿の王」について初めて言及された時、その説明に涙が出た。が、それはただの人間としての感傷だったのか。
    明るい最後ながら、少々物足りなさを覚えたのは、随分と甘やかされてしまったなあ、とニガワライであったこと。

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